一世を風靡したコンパクトなペンキット復刻版「Kaweco Sports」


モノクロームでケースと内部のペンを揃えた、なかなかお洒落な組み合わせだ

 19世紀の後期にドイツで創業されたカヴェコ(Kaweco)社が、シャープペンシルと万年筆のセット「Kaweco Sports」を発売したのは、今から80年ほど前、1930年代のことだ。その後、カヴェコ社は1970年代に企業としての幕を閉じたが、ペン愛好家の間で名品復活の要望が高かったことから、ドイツの筆記具部品メーカー、グットバレット(Gutberlet GmbH)社が復刻。現在はグットバレット社がKawecoシリーズを展開している。

 筆記具大好きな筆者だが、ことカヴェコ社製品に関して言えば、筆記具を選ぶ際の大事なポイントである“書き味”に惚れ込んだわけでもなければ、その歴史やブランド力に惹かれたわけでもない。筆者が強く惹かれたのは、そのショートサイズの万年筆とボールペンを組み合わせて、コンパクトに収納する専用の“革ケース”なのだ。

 「Kaweco Sports」シリーズには多くのカラーバリエーションモデルが存在するが、筆者は真っ白な「Kaweco Sports」に強く惹かれた。長さ12cm足らずの黒い専用革ケースに完璧に収まった白いノック式の太めのボールペンと、ほぼ同サイズのキャップ式万年筆の組み合わせはきわめてお洒落で、文具にこだわる人には最高に楽しいアイテムだ。

 セットモデルが初登場した時にはシャープペンシルと万年筆という組み合わせだったが、その後復刻版が出た際に、ボールペンと万年筆というより現代的な組み合わせに変更された。組み合わせが変わった真の理由は筆者の知るところではないが、他社製パーツを比較的流用しやすいボールペンに比較して、シャープペンシルはその当時、すでに選択枝も少なく、製造メーカーが少なくなりつつあったのも1つの理由かもしれない。

 ボールペンはそれほど特徴はないが、万年筆はきわめてスムースに、気持ちよく文字が書ける。オリジナルモデルと復刻版での組み合わせの変化に、もう少し蘊蓄のある物語があれば、より強固なブランドとしてカヴェコ社は人々の印象に残るだろう。

 文具好きの人を除けば、ほとんど一般的には無名と言っていいメーカーだが、カヴェコ社の商品はそのセンスの良さから、持っていると文具好きの女性から質問を受けることが多く、話のきっかけになるケースは少なくない。今買うならカヴェコだ。

良いステーショナリーと組み合わせると最高に光るKaweco Sportsごく一般的なペンと比較すれば、Kaweco Sportsのショートさが一目瞭然だ
小さく収納して普通に使う! Kaweco Sportsもコンセプトは同じだボールペンは普通だが、万年筆はなかなかスムースな書き味だ


商品名実売価格購入場所
Kaweco Sports約4500円(ケースは別売)御徒町 アメ横内の筆記具専門店



(ゼロ・ハリ)

2009/11/5 06:00