「ハリネズミカメラ」がデジタルに!
購入した「デジタルハリネズミ」は2GBのmicroSDカードとCR2電池1コのセット。日本語説明書もついている |
かつて、110フィルムを使った「ハリネズミカメラ」をご紹介させていただいたが、今回はなんとそのデジタル版なのだ。ハリネズミカメラはその小さくユニークな外観に似合わず、随分しっかり撮れたものだが、この110フィルム、2009年9月で販売が終了してしまう(富士フイルムのお知らせ)。
そこで、次世代のハリネズミカメラとして登場したのがこの「デジタルハリネズミ」というわけだ。そのせいか、全体のフォルムが110フィルムっぽい。あのハリネズミカメラのようなトイカメラ風の映像が、デジタルでよみがえるのだから、フィルム代や現像代に躊躇していた人には朗報かもしれない。かくいう筆者もその一人。実際どんな写りになるのかと興味は尽きず、つい手が伸びてしまったのであった。
左が「デジタルハリネズミ」、右が110フィルムと「ハリネズミカメラ」 |
本体はプラスチック製で、高さ35mm、幅90mm、奥行き38mmの85gと超軽量コンパクト。有効画素数は200万画素で、1600×1200、320×240の2種類の静止画に加え、640×480のVGAサイズの動画(25fpsのAVI)が撮影できる。ISO感度は100または800が選択でき、最短撮影距離は10cm。露出もホワイトバランスもオートで、10秒のセルフタイマーに対応している。電池はCR2が1本で、無操作時間が1分続くと電源が切れる仕組みだ。
背面には一丁前に(?)カラー液晶を搭載しており、底面には三脚穴まで用意されているから面白い。撮影時は本体中央のビューファインダーを持ち上げフレーミングする仕組みで、動画に限り撮影中の映像がカラー液晶上で確認できる。静止画は液晶を見ながらの撮影はできないが、動画ともども撮影後の映像はプレビューできる。メモリは2GBまでのmicroSDカードに対応しており、挿入されていないと液晶に「No Card」とメッセージが表示される。
気になる画質だが、まさに“これぞトイデジ!”という写りである。あえて距離を無視してマクロモードで撮影するなど、ピンぼけさせてみても楽しい。ただし筆者の端末はかなり赤味が強く、公式サイトで見られるようなナチュラルな色は得られない。これも機種毎の個性なのだろうか? 狙っていたテイストとはちょっと違うのが残念だ。ファームウェアのアップデートなどで調整できれば嬉しいのだが……。
一方の動画は、静止画より赤みが薄れ、思っていたよりも自然な色を出しつつ、これまたいい味を醸し出している。音がないため古いフィルムを想像させるようなレトロなテイストになるのである。動画編集ソフトでモノクロに変換するとまた味がプラスされて面白い。そんなわけで現時点では静止画よりも動画の味わいを楽しんでいる次第である。
写らなさを楽しみに変えるのが好きな方、トイデジの写真が好きな方、そして何よりもハリネズミカメラが使えなくなるのを悲しんでいる方にはぜひお試しいただきたいカメラである。110フィルムがなくなるのは残念だが、その分デジタル版ハリネズミでどんどんシャッターを切っていただきたい。
静止画の場合、電源を入れても液晶に被写体は映らない | 動画なら撮影中の映像が液晶に映る |
■静止画 撮影サンプル
製品名 | 販売元 | 購入価格 |
DIGITAL HARINEZUMI | SuperHeadz | 1万6950円 |
2009/8/17 11:00