ギーク御用達?「ちぎれたケーブル風」USBメモリ


製品パッケージ。購入時価格は$29.99なので、日本円に直すとおよそ3000円ほど

 ユニークな形状をしたUSBメモリが話題になり始めたのは、2003年頃だったと記憶している。当初はそこそこ話題になったものの、その後各社がさまざまな製品を発売したこともあり、いまではちょっとやそっとの奇抜さでは多くの人が驚かなくなってしまった。メーカー側にしても、マスコミからの問い合わせばかりで、肝心のモノはさっぱり売れない場合もあると聞く。実売は無視して、広告宣伝の一種として使われているのが実情のようだ。

 こうした“オモシロUSBメモリ”が思ったほど売れなくなったという背景には、あまりにもウケ狙いに走りすぎた商品が多く、クールさを重視するギーク層がそっぽを向いてしまっている面も少なからずあると思う。主要購買層をどこに置くかという問題もあるが、変化球を投げるにしてもつねに同じ軌道であれば、どうしても目が慣れてしまうというものだ。たまには直角にストンと落ちたり、浮き上がったりしてもらなわいと、話題にもならないし、購買意欲も喚起されにくい。

 そんな中、極めてシンプルな発想と意外性で、ギーク層にも「オッ」と思わせる存在感を持ったUSBメモリが、今回紹介する「HACKED!」である。写真をご覧いただければ分かるように、USBケーブルが真ん中でブチッと引きちぎられた形状をした、容量2GBのUSBメモリである。昨年海外で発売された際、国内ブログサイトにも転載されて話題になったので、見たことがある人もいるのではないだろうか。

 製品としては見た目そのままで、特筆すべきことはないのだが、国内メーカーが発売するオモシロUSBメモリとは一線を画すクールさ(?)で、ギーク層にも受け入れられやすいのではないかと思う。買って使う側からしても、会話のネタにしたあと、使い続けることに恥ずかしさを感じないのは重要なポイント。オモシロ系のUSBメモリには、日常利用がためらわれる製品も少なくないからだ。こうしたユニークで楽しませてくれるアイテムが、国内でももっと出てきてほしいと思う。

製品本体。ベージュの本体色といい、コネクタの形状といい、まんまUSBケーブルちぎられた断面部。単に切り落としただけでなく、外皮がきちんとめくってあるのがよい
長さは10センチほどコネクタ裏面にはメーカーロゴが。できればあまり目立たせてほしくなかったところだ
USBメモリらしくないという点では、一種のスパイツールのように考えることもできるが、逆に周囲の注目を集めてしまうので、こっそりデータを抜き取るといった用途にはむしろ不向きだ読み書き速度も測ってみた。読み込みはともかく、書き込みはお世辞にも速いとは言えない……

 

製品名製造元購入価格
HACKED! 2GBThinkGeek29.99ドル

 

(山口 真弘)

2009/7/8 10:48