本日の一品

タッチ一発で写真バックアップ、「PQI iConnect mini」で古いiPhoneを延命してみた

Lightning端子を備えたUSBメモリー「iConnect mini」

 長いことiPhone 5sを愛用しているが、すでに4年前の端末になろうとしている。このくらい古い端末となると、キビシくなってくるのがバッテリーとストレージだ。幸いバッテリーはまだギリギリ許容範囲にあるが、ストレージについては限界が近づいている。iPhone 5sの購入時は、まだそこまで大容量は要らないだろうと32GBモデルを選んだのだが、今になってキビシイ現実に直面している。

 そうしたストレージの問題を解決するアイテムがUSBメモリー。写真などのデータを外部に逃し、本体メモリーを確保しようというわけだ。キャップ式やノック式、回転式や充電ケーブルと一体化したものとさまざまな形状があり、ユーザーが自由に容量を選べるmicroSDカードリーダータイプなど、さまざまなラインナップがあるこのジャンル。筆者が選んだPQIの「iConnect mini」は、もっともスタンダードな回転式キャップの製品だ。iPhone本体に合わせたカラーバリエーションがあり、容量も16/32/64/128GBを揃える。予算や用途に応じて選べるところも便利だ。パソコンがあればそこにデータを逃がすこともできるが、メモリー単体でも活用できる。

パッケージにはUSBメモリーとマニュアル、ストラップが付属
メモリー本体にUSB A端子とLightning端子を装備。カバーを回転させ利用する
ストラップホールもあるので、バンパー&カバーや、キーチェーンなどに付けておけば、普段から持ち歩くことができる
iPhoneだけで完結してもよいが、パソコンに挿してバックアップすることもできる
Lightning端子の付け根部分は一般的なLigtningケーブル程度の太さで、深さもそこそこ。一般的なバンパー&カバーなら干渉の問題も出にくい

 スマートフォン用USBメモリーをまだ使ったことがない方も多いかもしれないので説明しておこう。Android端末でUSBメモリーを利用する際の挙動は分かりやすく、挿せば自動でストレージとして認識するので、各種アプリから直接USBメモリーに保存したり、あるいはファイラーアプリを使ってファイルの整理ができる。

 一方、iPhoneも挿せば自動認識するが、ファイルを扱うには各社の専用管理アプリを導入する必要がある。その専用アプリの出来が、製品の使い勝手を大きく左右するというわけだ。その点、iConnectシリーズの専用アプリは、シンプルで分かりやすい設計が好感触だ。導入もカンタンで、PQI iConnect miniを初めてiPhoneに挿した時に、App Storeのアプリページを案内するメッセージが表示されるので、その指示に従うだけだ。

インストール後はiConnect miniを挿せばアプリが自動で起動する

 インストールが完了したら、PQI iConnectを起動する。メイン画面はとてもシンプルで、「写真」「ビデオ」「写真を撮る」「USBメモリー」「端末」という5つのアイコンと「設定」という構成だ。多機能なUSBメモリーになるともっと多くのアイコンが表示されるので、たった5アイコンのiConnect miniはそれだけ機能を厳選していると言える。

 「写真」と「ビデオ」のアイコンは、単純なバックアップ機能だ。アイコンをタッチすれば、iPhone本体内の写真ないしはビデオすべてをUSBメモリー内にコピーする。あれこれ選ぶ必要はなく、自動で進行するバックアップが完了するのをただ待てばよい。1回コピーをとった後、次回、アイコンを押した時には、差分がコピーされる仕組みだ。ファイルが被ってしまうようなこともない。

 毎回すべてのファイルをチェックするので、コピーをしたら元のファイルは本体メモリー内から削除して運用するのが向いている。また、この作業はコピーなので、バックアップ完了後に本体メモリーを空ける場合は、手動でファイルの削除を行うことになる。このあたりは必要なデータを削除してしまうことがないよう、安全性に考慮したものだろう。

アイコン5つのシンプルなメイン画面
タッチ一発で写真やビデオをバックアップ
iConnect mini内メモリーにバックアップしたファイルを閲覧しているところ

 ファイルマネージャーとして区切られた「USBメモリー」と「端末」というアイコンは、それぞれ「iConnect mini」のメモリーとiPhone本体のファイルを管理するためのものだ。アイコンをタッチすれば、階層型のファイル管理ができる。iConnect mini側は、「contents」「music」「photo」「video」の4つのフォルダで構成されており、それぞれにコンテンツが保存される。フォルダ管理がまどろっこしい場合は、下にある写真、ビデオ、音楽というアイコンをタッチすれば、拡張子から判断して対象のフォーマットのファイルのみ表示する。ちなみに、メモリー内に保存された音楽の再生は、iPhone本体の「ミュージック」アプリではなく、iConnectアプリの再生機能を使って行う。

 「写真を撮る」アイコンはちょっとユニークだ。このアイコンを押すと独自のカメラ機能が起動する。撮影したファイルはUSBメモリー側に保存されるので、本体メモリーを消費せずにすむ。撮影した写真や動画にエフェクトをかける機能も搭載している。この機能、さてどうやって使おうかと悩んでいたが、先日活躍する機会があったので紹介しておこう。昨今、オンラインの申請処理で、免許証の写真をアップロードするといったものがある。こうした免許証などの写真が一時的とはいえ、iCloudなどに同期されるのに気が進まなかったのだが、このアプリを使えばiConnect mini側に直接保存されるため、うかつに同期される恐れがない。USB A端子側を使えばPCにコピーするのも簡単だ。このような具合で、本体メモリー側がパンパンな時以外にも、活用できる機会はありそうだ。

iConnect miniの写真アプリを使えば、本体メモリーではなくiConnect mini内のメモリーに直接保存できる

 「設定」は、写真とビデオのバックアップ先の指定と、メモリーの使用状況、Touch IDの設定(セキュリティ機能)、連絡先のバックアップと復元といった機能がある。連絡先のバックアップは、メイン画面にはアイコンとして出てこないため、覚えておきたいところ。

 このように、iConnect miniはデザイン的にも機能的にもシンプルで使い勝手がよく考えられたiPhone用USBメモリー製品だ。メイン画面も、上が単純な機能、中央が独自のカメラ機能で、下が詳細な機能。基本的にタッチのみで、スワイプの必要もなく、覚えておきたい操作も少ない。数あるiPhone向けUSBメモリーのなかでも、とにかくカンタンで分かりやすいものを、と検討している方には是非オススメしたい。

 古い端末にありがちなストレージ不足や、機種変更などの際の移行にはとくにUSBメモリーが活躍するところ。そして、昨今、端末価格が高騰している状況下では、USBメモリーの使用を前提とすることで端末価格を抑えることも可能だろう。これなら、もっとも小容量のモデルを選んでも3~4年なら乗り切れそうな感触である。

製品名販売元購入価格
PQI iConnect miniPQI8980円(税抜)