スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

そーとーイイぜ! Voyager 5200

そーとーイイぜ! Voyager 5200

 Plantronics(プラントロニクス)の新型Bluetoothヘッドセット「Voyager 5200」を買いました。メーカー製品情報ページはコチラですが、2016年5月27日に発売された「耳かけ型の通話用ヘッドセット」です。発売日に1万5000円くらいで買いましたが、現在の実勢価格は1万3000円前後といったところ。ショップによって開きもあります。でも値下がりしつつある? のかも……ぐぬぬ。

プラントロニクスの「Voyager 5200」。通話用のBluetoothヘッドセットで、耳にかけるタイプです。独自のノイズキャンセリング機能を持ち、明瞭な音声で通話可能。Bluetooth接続したスマートフォン上のアプリ(iOS/Android)から、ヘッドセットの機能設定や情報取得が可能です。

 以前に、本連載で「愛用中のヘッドセット×4種」として、この「Voyager 5200」の同系列の従来機種である「Voyager Legend」(メーカー製品情報ページはコチラ)について書きました。ぶっちゃけた話、新機種「Voyager 5200」は、従来機種「Voyager Legend」にいくつかの機能を追加したという感じで、Bluetoothヘッドセットとしてはどちらも「同様に快適に使える」という印象です。ちなみに、従来機種「Voyager Legend」の実勢価格は7000円前後。価格だけを考えると「従来機種のほうがかなりコストパフォーマンスが高い感じ」かもしれません。

 でも新機種「Voyager 5200」を使うと、細かな部分でイロイロ良くなっているのを感じます。たとえば上の写真にあるように、スマートフォン用アプリでヘッドセットの各種機能の設定やファームウェアアップデートができたり、microUSB端子を搭載したのでシンプルに充電できたり、従来機種ユーザーとしては「こうなって欲しかった!」と小さな希望が叶ったという印象があり「コレはそーとーイイ!」と感じております。

 まあ、従来機種「Voyager Legend」ユーザーがこれらちょっとした機能アップのためにわざわざ新機種「Voyager 5200」に買い替えるほどではないという気もしますが、使えばイロイロな点で満足できる新機種であるのは明らかです。ともあれ以降、新機種「Voyager 5200」の機能や使用感について書いてみたいと思います。

 なお、組み合わせたスマートフォンはiPhone 6s Plusです。アプリのスクリーンショットもiOS版アプリのものです。また、約2カ月間使ってきてはいますが、使用頻度はあまり高くなく、まあ週に3日程度、短時間装着する感じで、通話は発信も着信も週に2~3回程度という感じ。むしろ「Voyager 5200」でRadikoなどストリーミング放送を聴いている時間のほうが長いかも、というスタンスですので、そのあたりもお含み置きください。

どんなヘッドセット?

 まずは「Voyager 5200」がどういうヘッドセットなのか? を。前述のとおり耳かけ式のBluetoothヘッドセット(Bluetooth Ver 4.1+EDR対応)で、風切り音などを抑えるノイズキャンセル機能を搭載しています。本体は撥水加工で水滴や汗、湿気に強いとのこと。日本語対応の音声案内や音声操作も可能です。質量は約20g。内蔵バッテリーをUSBで充電して使い、通話時間は最大約7時間、待受時間は最大約9日間(約216時間)となっています。

形状を右耳用としたところ。写真右は右耳用をイヤホン側から見たところです。マイクやイヤホンの部分は可動し、左耳用として形状を変えることもできます。
操作ボタン類は、棒状のマイク上の赤いボタンがミュート、棒状マイク後方端の黒いボタンが着信応答/終話、上部の銀色のボタン2つが音量+/-、本体後方にはスライド式の電源ボタンがあります。本体底部にはmicroUSBコネクタがあり、PC接続および充電ができます。microUSBコネクタの左の金色のコネクタは、専用ケースからの充電用コネクタです。

 ボタン位置は、一見バラバラで操作性が悪いように見えたりします。しかしボタン数が5つしかなく、常用するボタンは電源ボタン以外の4つで、ボリューム用ボタンは2個1セットなので、実際に使用する感じは「3箇所のボタンだけで使える」というイメージです。

 また、ボタン配置も感覚的に覚えやすく、数度操作すれば把握でき、クイックに操作できるようになると思います。指先の感触でハッキリと識別できるボタン形状もよくできていると感じます。

 個人的な印象ではありますが、「わりと多機能なのに非常にスムーズに操作できる」といった感じ。使っていてストレスの少ないヘッドセットだと思います。

 この「Voyager 5200」で「できること」ですが、「通話」と「音楽などのストリーミング再生」です。通話の場合、着信があったらマイク後端の着信応答ボタンを押せば通話できます。ボリュームは本体上部の音量+/-もしくはスマートフォンなど端末で調節可能。棒状マイク根元付近にあるミュートボタンを押せば、こちらの声が相手に伝わらなくなり、再度押せば通常どおり通話できます。

 音楽再生は、マイク後端のボタンを約2秒長押しすることで再生とミュートを切り換えられます。Radikoアプリではストリーミングの中断と再生ができました。ほか、各種アプリが出す音を「Voyager 5200」で聴くことができました。

 音質ですが、まず前述のノイズキャンセリング性能がなかなか秀逸。マイクに対して扇風機からの強めの風を当てつつイロイロな角度で試しましたが、風切り音が大きく抑えられて通話できました。同様のことをスマートフォンのマイクで行うと「ボフッボボッ」といったようなノイズで、会話が成り立ちません。ただ、「Voyager 5200」の場合でも、風の当たり方によっては会話の声の一部が不明瞭となり、単語によってはその一部が途切れて聞き取れないこともありました。

 音質ですが、通話用ヘッドセットとして考えると非常に明瞭に声が伝わる/聞こえると感じます。スマートフォンを直接に使うより、このヘッドセットのほうが声が明瞭に伝わることが多いように思います。ヘッドセットはマイクやイヤホンの位置が一定であるからか、安定した通話ができるとも感じます。

 音楽を聴いた時の音質もまずまずです。音楽用ヘッドホンと比べたりすると音質自体は「音楽向け」という感じでもありませんし、そもそも片耳で使うヘッドセットなので音楽の「鑑賞」には全然向きません。ですが、BGM的に音楽を流すというなら、「通話用ヘッドセットとしてはずいぶんイイ音」という印象。高中低音ともわりとバランスよく出ていますので、聴きにくい感じではありません。

 余談ですが、片耳タイプのヘッドセット、Radikoなどで「音楽やラジオ番組を何となく聴きながらナニカする」にはイイ感じです。片耳は空いていて外の音が聞こえ危険度も低いこと、ポータブルラジオなどよりはイイ音でトークなどもハッキリと聴けますので、そういう用途にも合うと思います。

数々の便利機能♪

 続いて「Voyager 5200」の便利機能。十分な購入動機となる便利機能が多々あります。

 まず音声ガイド機能。ほかのプラントロニクス製ヘッドセットにもある機能ですが、たとえば「Voyager 5200」の場合、電源投入時や着信応答ボタン押下時に「連続通話時間6時間、携帯電話1が接続されました」などと案内してくれます。連続通話時間の音声案内は、手間無く細かな残り通話時間がわかり、安心感があってイイです。

 また、通話中にミュートボタンを押すと「ミュート オン」と案内音声が流れます。もう一度押すと「ミュート オフ」と案内。これにより「ミュートボタンが機能したかどうかハッキリとわかる」ので、安心して使えます。指定時間毎(1分毎など)に「ミュートがオンになっています」と案内させることもできますので、「……(あれ? 今、ミュート中だっけ!?」と思い、試しに「もしもし、もしもし」と話しかけて返答がないことを確認して「(ミュート中だったようだ)」というモヤモヤ状況とは無縁です。なお、こういった音声案内をオフにし、トーン音による通知にもできます。

 さらに、スマートフォン電話帳に英文字で名前を登録している相手からの着信なら、着信時に相手の名前を読み上げてくれます。具体的には「発信元、○○○○(英文字登録名)」と読み上げてくれます。ただし日本語で登録されている場合は「発信元」とだけしか読み上げない(名前は一切発音しない)のがビミョーに残念。まだ日本語ローカライズの余地が少々残っている感じですな。

 音声コマンドで「Voyager 5200」を操作できるのも便利です。着信時、日本語で「着信応答」や「着信拒否」と声に出して言うと、着信を受けたり拒否したりできます。「あれ? 何て言えば通話開始するんだっけ?」てな場合でも、着信後少しすると「着信応答 または 着信拒否」と「言うべき言葉をガイド」してくれたりもしますので実用的。

 ただ、ナゼかワタクシの場合、「着信拒否」の音声コマンドが通じません。これまで一度も。謎。まあ端末上で拒否すればいいだけなので大した問題ではないのですが、これも若干残念な点ではあります。

 けっこースゴいのが、「Voyager 5200」の内蔵センサーによる脱着自動感知。ヘッドセットを耳に装着しているのか、机上などに置いているのかを検知し、適切な動作を行うというものです。

 具体的には、机上に「Voyager 5200」を置いていた時、着信があったとします。その場合、「Voyager 5200」を耳にセットすれば通話を始められます。また、先にスマートフォンで受話して通話を始め、その後に「Voyager 5200」を耳にかければ、通話のためのマイクとイヤホンが、スマートフォン→「Voyager 5200」へと自動的に変更されます。

 ほか、「Voyager 5200」のバッテリー残量がiPhone側に表示されるのもナニゲに便利です。「Voyager 5200」の場合、音声案内でもiPhone側の表示でもバッテリーの状態がわかるので、「通話中にバッテリー切れたらどうしよう」的な不安から解放されてイイ感じです♪

iOSデバイスとペアリングさせた場合、iOSデバイス側にこんな感じでバッテリー残量が表示されます。便利♪

 それからアプリ。プラントロニクス製品はPC/スマートフォン用のアプリが用意されています。アプリ一覧はコチラにありますが、「Voyager 5200」の場合は「Plantronics Hub」アプリを使用。これにより「Voyager 5200」の機能設定やファームウェアアップデートなど、さまざまなことが行えます。

iPhoneと「Voyager 5200」を組み合わせた状態で「Plantronics Hub」アプリを使っている様子。アプリ上では非常に詳細なバッテリー残量が表示されたりするほか、ヘッドセットの細かな機能設定も行えます。ファームウェアアップデートもワンタッチで行えました。
多機能な「Voyager 5200」ですが、アプリから細かな機能設定を手軽に行えます。中央の写真は「Voyager 5200」を探している様子。実際には明瞭なマップが表示されるとともに、「Voyager 5200」の位置が表示されます。写真左は説明書を表示させた様子。アプリとの併用で「Voyager 5200」をシッカリ使いこなせるようになります。

 PCとUSB接続しても各種機能設定ができますが、そもそもスマートフォンと接続されるデバイスですので、そのままスマートフォン用アプリと併用するのがスムーズだし手軽です。「Voyager 5200」を使うならぜひアプリを活用しましょう。

安心&実用的なバッテリーケース

 最後に、別売の専用ケース「Voyager 5200 Charge Case」について少々。メーカー製品情報ページはコチラですが、「Voyager 5200」のケース兼充電ドックといった感じのオプションです。

 ケース内にバッテリーを内蔵していて、「Voyager 5200」を収納したり立てたりすれば充電できます。内蔵バッテリーだけで「Voyager 5200」を約2回充電できるそうです。Amazonにて4261円で購入しました。

プラントロニクスの「Voyager 5200 Charge Case」。「Voyager 5200」のケースを兼ねた充電ドックです。サイズは約幅114×縦64×厚さ25mm(実測値)、質量約85g(実測値)です。内部には「Voyager 5200」がピッタリ入るスペースがあります。
「Voyager 5200」を内部に収納しても、外部に立てても充電可能。
ケース右端下のボタンを押せば青色LEDで充電状態が表示されます。そのボタンの右横にはケース充電用のmicroUSB端子があります。ケースを充電しつつ「Voyager 5200」を充電することもできるようです。

 携帯も充電にも便利なケースです。ただ、「Voyager 5200」には充電用のmicroUSB端子がありますので、こういったケースを使わずとも手軽に充電できますな。とは言っても、専用ケースとしては「Voyager 5200」がジャストフィット。安心して持ち歩けるほか、持ち歩きつつ充電できますし、机上で「Voyager 5200」を置いておくときも役立つ便利なオプションです。

 てな感じの「Voyager 5200」。ワタクシ的には、文句の付け所がないくらい充実&完成度の高い通話用Bluetoothヘッドセットだと感じております。隅から隅までバッチリじゃんプラントロニクス! 買って大満足♪ 的な。ともあれ前述のとおり、機能性も使用感も近い従来機種「Voyager Legend」があり、ソチラのほーがかなり安かったりもしますので、そのあたりも含めてジックリとチェックしてください。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。