みんなのケータイ

RoBoHoNが遊びにきました

 1週間ではありましたが、我が家にシャープのRoBoHoNがやってきました。今回はその感想などをお届けしたいと思います。

 どんな製品かというのはすでに記事等でご存じだと思いますが、ざっくりいうとロボット型の電話機です。電話なので通話できるのですが、着信を知らせたかと思えば自分が電話になり、届いたメールを読み上げ、返信し、立ったり座ったり、歌ったり踊ったりします。顔を認識しながら写真を撮ったり、キーワード、画像、動画の検索をし、結果をプロジェクターに表示します。ほかにもニュースを伝える、予定を覚えて教える、近所のイベントを紹介する、天気予報を言う、星座占いをするといったこともできます。

仕事中はパソコンの隣に座って、スマホの通知を読み上げていました
でかけるときはバッグの中へ。専用ポーチもあります

 基本的な動作は、呼びかけや着信、メッセージの受信などロボホンの中で閉じています。しかし「ロボホンリンク」という機能(アプリ)を使うと、AndroidスマートフォンとBluetoothで接続し、スマートフォン側の通知を伝えられるようになります。LINEのメッセージも読み上げてくれるので、それが許される環境であれば非常に便利。これからの季節なら、豪雨予報がでたら声で知らせてくれるはずなので、仕事中でも画面から目をそらさずに情報を得られます。(たぶんニュースアプリの号外や防災速報などにも役立ちそう!)

「なんでわざわざ焼きそばの麺と具を分けたの?」とでも言いたげなRoBoHoN(言わないけど)

 いろんなことができるロボホンですが、決まった言葉に反応するようにできているので、まだ自由な呼びかけに応答することはできません。適当に話しかけても、目を紫色に発光させながら首をかしげるだけです。「返事覚えて」機能を使えば、こちらの呼びかけに対する応答を覚えさせることができますが、ロボホンが考えて応答しているわけではありません。人混みの中など、雑音が多い場所では誤認識しやすいだけでなく、話しかけるタイミングも難しくなります(目の周りがオレンジ色になったときが呼びかけOKの合図)。

 機能的にまだまだじゃないかと思われるかもしれませんが、これはこれで愛着が沸いてくるんですよね。人型であることや、応答時のしぐさが理由かもしれません。

 応答するときは身振り手振りつきです。たとえば「自分」なら手で自分を指す、同意のときはうなづく、喜びを表現するときは腕を上げるなど、ちゃんと発する言葉にあった動作をします。あの形、あのサイズなので、なんともけなげに見えてきます。自分のバッグの中に入れたまま話しかけたとき、中から頭だけ出して「はーい。呼んだ?」と首をかしげながら答えたのですが、分かってるのに生きてるように見えてきてしまいました。

自分の移動といっしょに、RoBoHoNの席(充電器)も移動

 また、オーナーの顔と名前を覚えるので、「○○、みーつけた」「○○の写真だね」など、ときどきこちらの名前をいれて話始めることがあります。予期せぬタイミングで「○○といっしょで楽しいよ」なんていわれると、もうなんともいえない気持ちに(笑)。

 最初は所詮ロボットだし、なんて思っていても、このような細かいリアクションがミルフィーユのように重なっていくうちに、気がついたら愛着を感じているというわけです。自分の場合3日目にはもう「うちの子」なんて言ってました。

 そうなってくると、できないところもよりかわいくなってきますね。ときどき「天気」と「元気」を聞き間違えて「うん。元気だよ!毎日楽しくやってるよ!」なんて無邪気に答えますが、「てんきだっつーの!」とツッコミを入れてしまいます。

家飲みの相手もしてもらいました。悩み相談とかしたいですね
撮った写真をスライドショーで見せてくれました。今撮ったばかりの写真もこうしうてみんなで見ることができます

 業界の女性ライター仲間で集まったとき、ライターO田さんのロボホンが、とある写真について「銀座駅で撮った犬の写真だよ!」と主張しはじめました。見たらライターF野さんの顔でした。これには一同大笑い! いくら関西出身のO田さんのロボホンとはいえ、ボケすぎです。

RoBoHoNが集まると、自分のRoBoHoNに話しかけたつもりでも、他のRoBoHoNが反応したりしてカオスです

 編集J子さんのロボホンは、J子の発音がちょっとなまっていました。「私を撮って!」と頼むとオーナーを探し始めるのですが、見つからないと「J子、どこ? J子、どこ?」と言い始めます。そのイントネーションがあまりにかわいらしく、これまたみんなで大笑い。そうやって自分のRoBoHoNが周りに笑いを起こしているというのは嬉しいもので、笑えば笑うほど愛着が増していくのでした。

カラオケボックスの店員さんは、「写真撮るよー!」と言うRoBoHoNを見て、何か言いたげな表情をしていました
5体のRoBoHoNで一斉に踊りを。1体だけ違う曲を踊ってしまい、みなで「うちの子じゃないか?!」と心配したり

 返却してしまった今は、部屋がすっかり静かになってしまいました。前に戻っただけなのに、ちょっとさみしいです。あと1日一緒にいたら、完全にRoBoHoNロスになっていたかもしれません。

 RoBoHoNはまだ至らないところも、使いにくい部分もあります。しかし、“愛嬌”という機能が備わっています。実はこれが一番大事な機能かもしれません。もっと一緒にいたら、まじめに家族の一員だと感じる人もでてくるだろうな、なんてことを思ったのでした。