みんなのケータイ

SIMフリーのiPhone 6 PlusをフィリピンのSmart Communicationsで使う

 ドコモなどの通信事業者がiPhone 6/iPhone 6 Plusを発売するのと同時にApple StoreでSIMフリーモデルの販売が開始されたほか、MVNO事業者の低価格なサービスを利用するための端末として、ASUSのZenFone 5などのSIMフリー端末が日本国内に投入されるなど、日本国内でもSIMフリーの選択肢が広がってきています。

 SIMフリー仕様で販売されている機種は、原則として通信方式および周波数帯など必要な条件が一致すれば、好きな携帯電話事業者のSIMカードを挿して利用することができます。

 SIMフリー端末は、国内の通信事業者で好きな事業者を選ぶ、という使い方もできますが、コストパフォーマンスが高いのは海外渡航時に現地のSIMカードと組み合わせて使うケースでしょう。SIMフリー端末+現地のプリペイドSIMの組み合わせは、国際ローミングでの利用と比べて、海外での通信料を大幅に抑えることができます。

 海外でのプリペイドSIMカードの販売は、国や都市によって様々な方法がありますが、空港ターミナル内にある通信事業者のカウンターや、空港ターミナルのコンビニなどでプリペイドSIMカードが販売されているほか、プリペイドSIMカードを販売する自動販売機が設置されるなど、空港でプリペイドSIMカードを購入することができる都市も多くあります。

オーストラリアのLCC「ジェットスター」の国際線でプリペイドSIMカードが販売されていた

 そんな中、筆者が最近便利だと感じているのが「機内でのプリペイドSIMカードの販売」で、実際に以前、このコーナーで紹介したように、航空会社によっては機内でプリペイドSIMカードの販売を行っています。

 オーストラリアを拠点にするLCC「ジェットスター」は、日本~オーストラリアの機内にて「Telstra」のプリペイドSIMカードやモバイルWi-Fiルーターの販売を行っており、SIMフリー端末を持っている場合はプリペイドSIMカードを、持っていない場合はモバイルWi-Fiルーターごと購入することが非常に簡単にできました。

 現地で使える端末ごと購入できるのは、モバイルWi-Fiルーターをレンタルするのと同様に、通信方式や周波数帯の不一致などを心配する必要が無い、という点でも安心できます。

フィリピン「Smart Communications」のLTE対応SIMカード。機内販売されるものとパッケージは異なる可能性あり

 ジェットスターのほかにも、フィリピンのLCC「セブ・パシフィック航空」がフィリピンの通信事業者「Smart Communications」と提携し、フィリピンを到着する国際線の機内にてLTE対応のプリペイドSIMカードを販売することを発表しています。

 セブ・パシフィック航空の機内で販売される販売価格は500ペソ(約1300円)で、データ通信量は1.5GB、有効期間は15日間と、短期滞在であれば十分に使えるスペックになっています。

 機内など利便性の高い場所で販売されるプリペイドSIMカードは、通常よりも料金が少々上乗せされているような印象がありますが、フィリピンのSmart CommunicationsのプリペイドSIMカードでLTEサービスを利用するためには、SIMカード代が40ペソ、7日間のインターネット接続パッケージ(LTE対応)が299ペソとなっているので、セブ・パシフィック航空の機内で販売される予定のプリペイドSIMカードはコストパフォーマンスも高く、空港に到着後いち早くインターネット接続を利用したい方にとっては嬉しい通信手段となるでしょう。

関西国際空港 国際線ターミナルのプリペイドSIM自販機

 日本では、関西国際空港を拠点とするLCC「Peach」(ピーチ)が、関西国際空港への到着便を対象にプリペイドSIMカード「So-net Prepaid LTE SIM」の機内販売(SIMカードの受渡は空港ターミナル)を行っています。

 同SIMカードは、従来データ通信量100MBが3000円、500MBが5000円という価格設定で少々割高な価格設定となっていましたが、サービス提供元であるSo-netがプリペイドSIMカードのラインナップを強化したことに伴い、Peachで機内販売されるプリペイドSIMカードも容量が大幅に追加されています。So-net Prepaid LTEの新しい価格体系は、価格は据え置きのまま利用可能な容量が最大で10倍に増加しており、こちらもリーズナブルな価格へと改定されました。

データ通信量価格
1GB3,000円
2.2GB4,000円
3GB5,000円

 So-netのプリペイドSIMカードは、Peachの機内販売のほか。関西国際空港の国際線ターミナルに設置された自動販売機や、各空港にある「MOBILE CENTER」などで販売されており、訪日外国人に限らず、海外赴任や留学などで長期間日本を離れていた日本人が一時帰国して利用する際も便利に使えます。

プリペイドSIMカードも販売している「MOBILE CENTER」

 航空機内でのプリペイドSIMカードの販売では、インターネット接続などの各種設定を基本的に自力で行う必要があるほか、通信事業者のスタッフと比べればプリペイドSIMカードのサービスについて詳細な情報を知らないスタッフからの購入となる可能性が高いというデメリットがあります。

 それでも、空港に到着してすぐに通信手段を手にすることができるようになれば、現地空港への到着をすぐにSNSなどに投稿したり、空港などで待ち合わせしている相手との連絡、空港から市内までの移動経路の検索などにスマートフォンやモバイルWi-Fiルーターを有効活用することができます。

 また、空港ターミナル内でSIMカードを購入するショップなどの営業時間外であるとか、SIMカードを購入するためのカウンターが混雑することで現地の貴重な滞在時間が削られてしまう……というような心配が不要になり、メリットは大きいでしょう。

 冒頭で紹介したように、日本国内にも徐々にSIMフリー端末が広がってきています。「飛行機を降りたらすぐにオンライン」が実現できるように、日本でも海外でも、より多くのフライトでプリペイドSIMカード購入できるようなれば、旅先でのモバイルインターネットはもっと便利になりそうです。