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SIMフリーのiPhone 6 Plus+台湾モバイルのプリペイドSIMでLTE接続

 9月1日より提供が開始された台湾の通信事業者「台灣大哥大」(以下、台湾モバイル)の4G LTE対応プリペイドSIMカードを購入して、SIMフリーのiPhone 6 Plusで使ってみました。

 前回もお伝えした通り、台湾では2014年6月より4G LTE対応のサービスがスタートしており、9月1日からは「台湾モバイル」が競合他社に先駆けてプリペイドSIM向けにも4G LTEを提供しています。

 台湾モバイルの4G LTEサービスでは、1800MHz帯(Band 3)と700MHz帯(Band 28)の2つの周波数が使われています。このうち、700MHz帯(Band 28)に対応するスマートフォンやモバイルWi-Fiルーターで日本国内向けに販売されている機種は少なく、SIMフリーのiPhone 6/6 Plusは現時点で国内向けに販売されている、数少ない機種となっています。

台湾モバイルのカタログ - 4G LTEの700MHz帯と1800MHz帯をアピール

 台湾モバイルの4G LTEサービスは、保有している周波数帯の関係から、700MHz帯にて下り最大112.5Mbpsのサービスを提供し、LTEではメインの周波数帯として使われているため、台湾モバイルの4G LTEサービスを快適に利用するためには、この700MHz帯に対応した機種を使うことが大切です。

 同周波数帯に対応するスマートフォンは現時点では選択肢が限られていますが、先日ドコモが発表した2014年-2015年冬春モデルでは、GALAXY Note Edge SO-01G、ARROWS NX F-02Gの2機種が700MHz帯のLTEに対応しています。また、ドコモでは2015年中に同周波数帯を使ったLTEを提供開始予定となっているため、今後は国内でも対応端末を入手しやすくなり、機種の選択肢が広がることが期待できます。

 台湾モバイルのプリペイドSIMによる4G LTE対応サービスに話を戻します。台湾で使える3G対応のプリペイドSIMカードは、桃園国際空港や、松山空港にある各携帯電話会社のカウンターで入手可能となっていますが、9月末の時点では桃園国際空港にある台湾モバイルのカウンターでは4G LTE対応のSIMカードは取扱いがされていませんでした。

台北市内の台湾モバイルの販売店

 このため、4G LTE対応のSIMカードを入手するためには、台北市内などにある台湾モバイルのショップにてSIMカードを入手する必要があり、空港でのSIMカード入手と比べると少々手間がかかります。

 台湾のプリペイドSIMカードを空港以外で購入するのは初めてだったため、うまくコミュニケーションできるかは不安がありましたが、ある程度英語が通じるスタッフがいたのと、あらかじめ台湾モバイルのWebサイトに記載されている4G LTE対応のプリペイドSIMカードのページをスマートフォンで表示できるように準備しておいて「これが欲しい」と伝えると、4G LTE対応のプリペイドSIMカードを購入希望であることがスムーズに伝わり、目的のプリペイドSIMカードを購入することができました。

台湾モバイルの4G LTE対応プリペイドSIM

 なお、プリペイドSIMカードの購入にあたってはパスポートなどの身分証の提示が必要なほか、店頭にあるパソコンに接続されたカメラで顔写真の撮影が必要でした。

 今回購入したSIMカードは、iPhone 6 Plus向けのnanoSIM。台湾モバイルの4G LTE対応SIMカードには、nanoSIMの他にmicroSIMが販売されていることを確認しています。台湾モバイルの4G LTE対応プリペイドSIM向けの料金は、3G対応のものと異なっており、現在は以下の2つの料金プランが選択できます。

[300台湾ドル]
音声通話:100台湾ドル(台湾モバイル宛の通話は2000台湾ドル)
データ通信量:1.2GB
有効期間:30日間

[500台湾ドル]
音声通話:195台湾ドル(台湾モバイル宛の通話は3000台湾ドル)
データ通信量:2.2GB
有効期間:30日間

 台湾の3G対応プリペイドSIMカードは、通信容量が無制限のプランが提供されていたため、大容量の通信を行っても速度制限などを気にせずに利用できましたが、台湾モバイルが提供する4G LTE対応のプリペイドSIMでは、データ通信量に制限があるため注意が必要です。

 従来、台湾の3Gデータ通信は非常に快適な通信速度で利用することができましたが、スマートフォンが広く普及した結果か、3Gデータ通信は全体的に通信速度が低下しており、特に繁華街や地下鉄駅などユーザーが集中する場所や時間帯はかなり通信速度が低くなっています。

台湾モバイルのプリペイドSIMでスピードテスト

 台湾モバイルのLTEサービスは、提供開始から約3カ月間しか経過していないにも関わらず、建物や地下鉄駅などを除けば、かなり広いエリアで利用可能であり、通信速度もストレスを感じることなく快適に使えるため、台湾で快適な通信を利用したい。という方にはオススメです。

 SIMフリーのiPhone 6/iPhone 6 Plusは本体代の初期費用が高めにはなっていますが、対応しているLTEの周波数の多さは他社のSIMフリー端末と比べても特筆すべき多さになっているので、さまざまな国に渡航される方には心強い一台となるでしょう。