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VoLTEはどれほど快適なのか?

 6月24日から一部機種でスタートしたドコモの音声通話サービス「VoLTE」。7月下旬になって、いよいよ我がARROWS NX F-05Fも対応した。従来は音声は3Gで、データ通信はLTEで、という使い分けになっていたわけだが、LTE越しで音声通話を可能にするVoice over LTEに変わることで、発着信がスムーズになったり、より高音質になる、という違いがあるとされている。

設定画面でVoLTEを使用するかどうかを選択できる

 ちなみにARROWS NXはアップデートによってVoLTE対応となるが、アップデート後でも普段から画面上でVoLTEになっているかどうかを確認する術はない。設定の[便利機能]-[電話]-[通話設定]-[通話モード設定]で“VoLTE/3G”と“3Gのみ”を選べるようになっていれば、VoLTE対応が完了していることを意味する。

 というわけで、VoLTEでどんな風に変わるのかさっそく確かめてみたい! まずは発着信の速さ。2台のスマートフォンを使い、一方からダイヤルしてもう一方に着信するタイミングを比べてみた。VoLTE対応の端末はARROWS NXともう1台しか確保できなかったため、互いにVoLTE/3Gの設定を行った状態と、3Gのみの設定にした状態とで別撮りして1本の動画にした。

【VoLTEと3Gの発着信のスピードを比較】

 動画をご覧いただくとわかるように、VoLTEでは着信にかかる時間はわずか3秒ほどで、サクサクつながっている。対する3Gでは10秒もかかってしまっており、ことによっては何を電話で伝えようと思っていたのか忘れそうなほどのタイムラグ、というのは大げさだろうか。いずれにしても、よりスムーズに通話を始められ、急用も即座に相手に伝えられるのがVoLTEの利点だろう。

 次に音質を比べてみる。3Gでは音声周波数帯域が300Hz~3.4kHzという範囲だったが、VoLTEでは50Hz~7kHzと、低音域も高音域も大きく広がっている。であれば、音楽のようなものだってきれいに聞こえるのではないか。そう考え、今回はあえて声ではなく、フリー音源の楽曲を受話口で流し、通話録音アプリを使ってWAV形式で保存した。

【VoLTEと3Gの音質を比較】

 結果としては、どちらが高音質とも言いにくい微妙な感じではある。3Gの方はこもったような音だが、聞きづらさはそれほどない。一方のVoLTEは高音域が強調されているように感じ、あまり心地よい聞こえ方にはなっていないように思える。ただ、人と会話して確かめてみたところでは、VoLTEは耳元で話しているかのようにクリアで、自然な音質を実現していると感じた。

音質検証にあたってはLINE-INで音声入力しようと思っていたが、試行錯誤するもなかなかうまくいかず時間切れで断念。スマホでもっと手軽にLINE-IN入力できるようにならないものだろうか

 VoLTEはスタートしたばかりのサービスで、利用できる機種も限られていることから、いつでも誰とでもVoLTEで通話、という状況になるのには、まだまだ時間がかかるだろう。でも、将来的にはほとんどのスマートフォンで利用できるようになり、徐々に3Gから離れてLTEオンリーの世界になっていくと考えられている。他社の動向も含め、VoLTEがこれからどう広がっていくのか楽しみだ。