みんなのケータイ

 ドコモから待望のiPhoneが発売された。大手携帯電話事業者3社がiPhoneを扱うようになったことで、2007年から本格化してきたスマートフォンシフトも新局面を迎える。というのも、各社が同機種を扱うようになるため、これまで見えにくかったエリア、料金、サービス、アフターケアなど携帯電話事業者の違いが、より浮き彫りになるからだ。

 ただこうした差異は、長年ドコモを使ってきて、ドコモの回線でiPhoneを使いたいという方(かく言う私もその一人)からすれば、それほど大きなものではないだろう。1ユーザーとしては、なんだかんだと言っても最も優れたスマートフォンであるiPhoneが、ドコモから発売されて本当に良かったと思っている。

 iPhoneのまとめサイトなどを見ていると、スピードやエリアのテストの結果が報告されていて、必ずしもドコモ優位という結果とはいえないが、都心部を中心にした首都圏の情報に偏りがちな印象も受ける。今後は、つながる/つながらない、速い/速くないといった評価が全国的に行われるようになるはずなので、その結果も楽しみにしていきたい。

 また本体の販売価格やエリアなどの対策も強化している。上記のように、3社が同機種を扱うようになったため、競争はより激しくなるだろう。発売初日に価格を改訂するなど、これまでよりも柔軟な姿勢が見られたのは以前のドコモからすると意外な部分。これまでドコモユーザーは、何となく大事にされてこなかったように感じている方もいると思うので、そうした印象を払拭する努力もぜひお願いしたい。>ドコモさん

 そんな“ドコモへの片想い”は脇に置き、「iPhone 5s」について触れていきたい。まず使っていていちばん重宝しているのは、Touch IDだ。日本では携帯電話の指紋認証といえば、なぞる方式が一般的だったが、iPhone 5sは触れるだけで指紋を検知する。なぞる方式の指紋認証の先入観があったため、当初はそれほど興味を持っていなかった。が、実際に使ってみると、印象は逆転。もうコレなしではスマートフォンはありえないというほど。慣れるまではホームボタンを押しすぎてSiriが起動してしまったり、ポン、ポンと2度押しをしていたが、慣れてくるとホームボタンを一度押しの流れでロック解除をしてくれるようになる。まだ練習中なので改善の余地はあるが、素早く一度押してそのまま指を当て続けるのがコツなのかな、というのがいま現在のスマートなロック解除方法だ。

 小ネタではあるが、「ボイスメモ」(iPhoneをICレコーダーとして使えるアプリ)の使い勝手が向上しているのもお気に入りの機能のひとつだ。録音終了後に、その都度タイトルをつけやすくなっていることがありがたい。iPhoneのボイスメモは、取材時などの録音メモとして使うことが多く、必然的にたくさんのファイルができる。音声ファイルというのはとてもやっかいで、日付と時間はわかっても結局は中身を聞かないと確認ができないので、録音したときにファイル名を記録しておくと後での整理が格段に楽になる。たぶんAppleのエンジニアも同じような不満を感じていたのか、iOS 7では録音終了後、すぐにタイトルが付けられるようになった。それとA7チップ/M7チップおよび64bit化の影響なのか、録音したメモのうち不必要な部分をカット編集できるトリミング機能が恐ろしく使いやすくなった。これまでは負荷が大きいのか、長時間録音したファイルをトリミングしようとすると使い勝手に影響していたが、iPhone 5sでは快適に行える。こんな細かいところの使い勝手こそ、意外と進化を実感できるところだったりする。