みんなのケータイ

 ここ数年、夏季休暇のシーズンは、旅行もかねてドライブすることが多い。その際には、BGMとして、CDを事前にレンタルしてiPodに転送して……という形で音楽を楽しんできたのだが、今春、いくつかのサービスが月額980円という料金になって利用しやすくなったこともあり、今年はスマートフォン向けの音楽サービスを利用することにした。

 旅のおともに選んだサービスは、台湾発の「KKBOX」。KDDI系列ながら、NTTドコモやソフトバンクモバイルも利用できるサービスで、台湾発とあってアジアな楽曲が豊富な聴き放題だけではなく、独自のソーシャル機能が特徴だ。ちなみにソニーのMusic Unlimitedなどもスマートフォン対応の聴き放題サービスとして提供されている。詳しくは僚誌AV Watchのレビューを参考にしてほしい。

 「KKBOX」には「オススメ」という機能があり、運営サイドがいくつかのテーマを掲げてプレイリストを用意してくれている。今回は、夏のドライブとあって、野外フェス、あるいは夏の定番曲などのプレイリストをチョイス。クラウドから楽曲データをダウンロードすることになるが、モバイル通信で利用すると通信量制限が気になるため、自宅のWi-Fi経由でキャッシュすることにした。ちなみに手順としては、「アプリ起動」→「プレイリストを選択」→「キャッシュ」というシンプルな流れで、スマホ内に200曲ほど貯めこんでドライブで楽しんだ。

 かつてはよくCDを買っていたが、今はあまり購入することはなく、たまにシングル曲をダウンロード購入する程度、と音楽への好奇心が薄れてきている私にとって、「スマホで聴き放題」なサービスは、手頃な料金で、数多くの曲を気ままに聞ける、ありがたいサービスということを確認できた。特に魅力的に感じたのは、聴き放題サービスは、初めて聴く曲、忘れていた名曲などに出会いやすく、初心に返って「音楽ってやっぱり楽しい」と、思いを新たにできるという点。

 もちろん解約すると聴けなくなってしまうサービスなので、CDをがんがん買う人にとっては、あまりそそられないところかもしれないが、今回はドライブ用途に割り切って1カ月だけ、という感覚で利用してみたので、かなりお得感は強い。ちなみに「KKBOX」の場合は、自分のプレイリストを公開して他のユーザーも聴ける、というソーシャルサービスもあり、しかも海外のユーザーと音楽を通じて繋がることができるので、自分の好きな日本のアーティストを海外ユーザーに紹介するなど、ちょっとした国際交流感覚になれるのもユニークなところで、もう少し使ってみるつもり。

 こうしたクラウドな音楽サービスは、ハードウェアの性能や高速な通信技術、そしてスマートフォンの普及など、環境が整ってきたことを受けて、利用しやすくなってきた。LINEの音楽サービスも明らかにされたが、新しい音楽の楽しみ方がどうなっていくのか、ユーザーとしても記者としても興味深い分野の1つであり続けそうだ。