みんなのケータイ
気づいたらアップデートされていたGoogleのサービス
【Xperia Z SO-02E】
石野純也
(2013/6/11 06:00)
先月、Googleの開発者向けイベント「Google I/O」を取材した。本誌でも原稿を執筆したため、ご覧になった方もいるかもしれない。ここでは、事前にウワサのあったAndroidの新バージョンや、Nexusシリーズの新端末は発表されなかった代わりに、Googleのサービスに関するアップデート情報は非常に多かった。基調講演で明言されていたわけではないが、Googleが直接手を出せないOSのアップデートを急ぐより、サービスレイヤーを強化した方が、ユーザーやAndroidのエコシステム与える影響が大きいという判断が見え隠れする。
実際、自分のXperia Zも、使っているうちにいくつかのアプリがバージョンアップされていた。ガラッと変わったのが、「Googleトーク」と「Google+」のメッセージ機能を統合した「ハングアウト」。アプリ上では、Googleトークがアップデートされる形で、ハングアウトに切り替わった。これは、一言で説明するとLINEやカカオトークのような総合メッセージアプリ。パケット通信で、ビデオ通話(いわゆるテレビ電話)も利用できる。スタンプのような機能はないが、代わりに(?)、アメリカンテイストな「emoji」には対応している。LINEやカカオトークのように、電話帳をアップロードしてユーザー同士をマッチングするということはないようだ。ただし、アプリ内には電話帳が読み込まれており、選択すると自動的に相手がハングアウトを利用可能かどうか、検索が始まる。
テスト的に使っただけのため、まだ突っ込んだ使い勝手までは判断できないが、コミュニケーションの手段としては役に立ちそうだ。LINEなどより便利なのは、マルチデバイスに対応しているところ。Googleサービスの基本でもあるが、スマホだけでなく、タブレットやPCからも同時に利用可能だ。ただし、まだ自分の周囲ではGoogle+やハングアウトの利用者が極端に少ない。コミュニケーションサービスは、利用者が利用者を呼び、活動が活発になるという面があるので、今後に期待している。
一方で、ちょっと困ったのが音楽アプリの「Google Play Music」。北米で定額のストリーミングサービス「Google Play Muisc All Access」が始まったことを受けてのアップデートだが、アプリを更新したところ、エラーメッセージが頻繁に表示されるようになってしまった。Xperia Zと相性が悪いのか、はたまたXperia Zに標準搭載されているWalkmanアプリと競合してしまったのかは定かではないが、ポップアップでアプリのエラーメッセージがたびたび表示されるため、何とも使い勝手が悪い。そこで、こちらは一度アンインストールしてしまった。この原稿を書くために再びインストールしてみたところ、今はエラーが出ていないため、もう少し継続して様子を見てみようと思う。
と、こんな原稿を書いていたところ、本日(6月6日、アップデートのタイミングは人によって異なる模様)、Gmailアプリもいつの間にかアップデートされていた。Gmailは、デザインやユーザーインターフェイス(UI)が大胆に変わっている。パッと見でまず気づくのが、メールやスレッドに対してアイキャッチのようなデザイン処理が入ったこと。実利用上のメリットがあるのかはイマイチ分からないが、モノクロだったこれまでのGmailに比べ、見た目は華やかになった。ただ、メールを操作するためのアクションバーが、画面上になってしまったのは少々困る。特にXperia Zのような5インチ端末だと、指が届きづらく操作性も悪くなってしまう。
このように、Google I/O前後で、数多くのGoogleサービスがアップデートされた。Google I/OではAndroidの新バージョンが発表されず、少々残念な気持ちになったものの、各アプリやサービスがアップデートされたあと改めて全体を見てみると、変化は決して小さくはないように感じた。むしろ、これらをOSに組み込んでアップデートのタイミングが遅くなるのは、Webサービスが原点のGoogleには筋が悪いことだと映るのかもしれない。ただ、Gmailやハングアウトは、ある意味コミュニケーションのベースとなるアプリなだけに、もう少し告知から実際のアップデートまで、時間を取った方がいいのではと感じている。スマートフォンが一般層に広がりを見せる中、いきなりアプリの見た目や使い勝手が変わると、ユーザーに混乱を招くのではないか。この点が、少々気がかりだ。