アプリもひとまず合格点なNokia N9

2011年11月8日 06:00
(山根康宏)

 「ホームボタンやメニューボタンが無い」――これがNokia N9のMeeGo OSの最大の特徴だ。iPhoneはワンボタンのみの操作が簡単明快、Androidは逆にメニューや戻るボタンの存在が操作性を高めている。一方、N9のユーザーインターフェースはボタンを必要としない独特のスタイル。それは画面を左右にスワイプすることで「メニュー」「ソーシャルライン」「アプリ/タスク」のそれぞれのウィンドウを自由に行き来できるのだ。

 作業中に他のことをしたくなったら、iPhoneならばホームボタンを押すだろうがN9の場合は画面を左右にスワイプすればよい。ボタンのダブルタップ、のような操作も不要でとにかく画面上を指先で左右にスワイプすれば3つのウィンドウが切り替わる。フルタッチ操作の端末としては結構よくできていると思う。またタスク一覧ウィンドウは、アプリケーションではなく「ウィンドウ」そのものが縮小表示されているので、アプリ間の移動も簡単だ。ウィンドウは3×3または2×2の表示を指先一本で切り替えられるので、この画面で内容表示もできる。

 さてMeeGoという残念ながらマイナーなOSを搭載したN9を使うにあたって心配となるのがアプリの数やWeb系・ソーシャル系サービスへの対応だろう。だが幸いなことにFacebookやTwitterなどへは標準対応しており、3つのウィンドウの1つのソーシャルライン表示には最新の更新情報が常時表示される。

 そしてアプリケーションに関しては、MeeGoのベースとも言えるMaemoOSを搭載した前モデル、Nokia N900時代からのアプリケーション開発者がこぞってN9向けに多数のものを提供しており、エンターテイメントやユーティリティーなどは一通りのものが揃っている。ファイルマネージャーやスクリーンショットはもちろん、バッテリー管理などスマートフォンにはぜひ欲しいアプリはたいていのものがアプリケーションストアであるOvi Storeに登録されている。ゲームもAngry Birdsはプリインストール、手軽にできる簡単なものもいろいろあるのでちょっとした息抜きもできる。

 EverenoteやDropboxなどメジャーサービスへの対応が無いなど物足りない部分もあるが、MeeGo端末がこれ1機種という現状から考えれば、Nokia N9は毎日使う端末として十分合格点を与えられるだろう。欲を言えば、せっかくNFCを内蔵しているので、NFCを活用できるアプリや周辺機器がいろいろと出てきて欲しいことか。Android OSもNFCをサポートする製品が出てきているので、それらとの共有もできると便利になりそうだ。