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arrows M03は絶妙に「Pokémon GO」向け?

【arrows M03】

 この夏の相棒として「arrows M03」を使うことにした。富士通製のAndroidスマートフォンで、SIMロックフリーのミドルレンジな機種だ。防水防塵に加えて耐衝撃性能までサポートしており、いつ夕立に見舞われても安心だ。

 ところで筆者は、今話題のゲーム「Pokémon GO」を少々たしなんでいる。もともとは、Pokémon GOの土台となったゲーム「Ingress」にどっぷりハマった口で、スマートフォンには防水性能や、きびきびと動作することを求めてきた。

 はたしてミドルレンジな「arrows M03」は、Pokémon GOを楽しむデバイスとしてどうなのか。ご存知の通り「Pokémon GO」が他のゲームと大きく違うのは「外で遊ぶ」という点だ。この季節、いつ急変するかわからない不安定な天候への備えが必要であり、繰り返しになるが防水・防塵・耐衝撃な「arrows M03」は文句のつけようもない。

 Snapdragon 410に2GBメモリという組み合わせは、もしかして非力かも? なんて考えたこともあったが、ポケストップをまわり、街中のポケモンを捕まえるという場面については、ほとんどストレスはなし、快適にプレイできる。ジムバトルも同様で、有利/不利と感じることはない。またポケモンに出会った際には、ARモードが利用できるのも特徴のひとつ。SIMロックスマートフォンでは、ジャイロセンサー非搭載でARモードが利用できないものも少なくないのだ(※関連記事)

 ちなみにプレイするにあたり、FacebookとFacebookメッセンジャー、Google+もハングアウト、乗換アプリにお天気アプリ、メモアプリ、録音アプリ……とプライベートや仕事で必要なアプリを一通り設定し、普段使いな状況にしておいた。やや雲が浮かぶものの8月の強い日射しと、全身を包む亜熱帯の蒸し暑さに包まれる環境だったが、先述したとおり特に問題はなかった。ただし、もっともっと長く屋外にいたり、Ingressにおける数千人規模の大型イベントへ参加した場合も期待通りのパフォーマンスを発揮してくれるかどうかはまだ不透明。

 ともあれ、屋外での利用に適したスペックを持ちつつ、なおかつプレイ自体もストレスを感じないというところで「arrows M03」は十分満足できる機種だと感じた。また「arrows M03」はSIMロックフリーでMVNOの割安なプランとセットで提供されることも多い。数年前のスマートフォンを使い続けている人、あるいはフィーチャーフォンを使う方にとって「Pokémon GO」をきっかけに……というのはちょっとやり過ぎに思われるかもしれないが、1台目であっても2台目であっても、新たに手にする機種として月々の料金が割安に済ませられるのは大きなメリットになるはずだ。

 さて「Pokémon GO」は街を舞台にしたゲームだけに、これまで気付くことのなかった街の歴史を伝えるさまざまな存在に触れる機会に恵まれる一方、歩きスマホや、公園にあまりに多くの人が訪れて、ゲーム以外の人の活動をさまたげてしまうなど、さまざまなトラブルも伝えられている。

 いくつかは、Ingressのプレイヤー(エージェント)たちが前もって経験してきたことではあるが、Ingressの場合、アプリ内にチャット機能があったり、プレイヤー人口の影響から公園で出くわせば、「あ、あの人はエージェントだな」と目星をつけやすかったりして、自然とコミュニティが形成されてきた。エージェントが、より強いアイテムを入手するのも、他のプレイヤーとの連携がある程度必要になっており、Ingressはソーシャルでの繋がりを促進する設計。ナイアンティックは「リアルワールドゲーム」と呼ぶが、筆者にとってのIngressの本質的な魅力を表現するなら「リアルソーシャルゲーム」ということになる。そうして作られたコミュニティでは、運営側が整備したガイドライン(エージェントプロトコル)をあらためて目を通すよう呼び掛けるなど、節度を守ったプレイを促す場面もよく見かける。

 対して「Pokémon GO」は、友人や家族とプレイすることが中心になりそうで、見知らぬ人たちと新たに出会えるか……と言えば、Ingressに比べればハードルがある。Ingressにおけるソーシャルな繋がりを促進する仕組みは、いろいろな意味で刺激が強く、一定のリテラシーが要求される。ポケモンという国民的なコンテンツを前にそうした仕組みはあえて省かれたのかなと思うところだが、その結果、お互いの視線を意識することが少なく、没入しがちになる。その影響のひとつとして一般的なマナーを破ってしまう状況が続いてもプレイヤー同士のコミュニケーションを通じた自浄作用が働きにくくなってしまうのかな、と思うことがある。

 最近のバージョンアップでは起動時の注意喚起の表記も新たに追加されたし、筆者の生活圏で見る限り、東京駅や新宿駅などは駅構内のポケストップ、ジムがまったく存在せずポケモンも登場しないようになっており、ナイアンティック側で対策が進められているようだ。こうした運営側の取り組みだけではなく、個人的には一般的なマナーを踏まえることはもちろん、一部のプレイヤーが率先して行っているようなゴミ拾いなどのアクションにも関わっていきたいと思う。