グローバル版の端末って補償は大丈夫？

　本コーナーに執筆している著者陣はボク自身も含め、年に数回（人によっては十数回？）、海外取材や海外旅行にも出かける人が多い。当然のことながら、渡航先でもスマートフォンを使うため、SIMロックがされていない端末を持っていくわけだけど、どういう端末を持っていくのかは人それぞれ。SIMロックを解除した国内キャリアの端末を持っていく人も居れば、国内で販売されているSIMフリー端末を使う人、海外で購入したSIMフリー端末を使う人もいる。

　ボクの場合、以前の記事でも触れたように、iPhoneについては国内で販売されているSIMフリー版にauのSIMカードを挿し、渡航時は現地のSIMカードに交換して、使っていたんだけど、シャッター音のストレスから解放されたくなり、現在はシャッター音が鳴らない米国版のiPhone 6s Plusを利用している。

　Androidスマートフォンについては、ここのところ、国内版のASUS ZenFone 2、Huawei Mate Sなどを利用していたんだけど、今年に入って、英国で昨年公開の映画「007 SPECTRE」の記念モデル「Xperia Z5」（通常版とグラフィックなどが違うのみ）が安くなったので、これをオンラインで購入し、今年の海外渡航用端末にするつもりだった。

　ところが、今年2月のMWC 2016でGalaxy S7 edgeを見て以来、「カメラもいいし、海外渡航用はこれにメインにしよう」と決め、実は国内版の販売開始に先駆けて、5月の連休中にオンラインで購入していた。購入先は海外端末の販売サイトとして知られているEXPANSYS。確か、元々は英国の会社だったけど、5年くらい前に香港に日本語サイトが開設され、それ以降、何度か購入している。

　Galaxy S7 edgeのグローバル版については、ちょうど5月の連休中に注文して、5月はじめには手元に到着。価格は当時の為替レートで約9万2000円ほど。結構、いいお値段ですが、実はグローバル版のSIMフリー端末って、Galaxy Sシリーズなどの人気機種は国内の業者でも買い取ってもらえるので、大事に使えば、買い取り時にもそれなりに値段は付くはず。ただ、Galaxy S7 edgeのグローバル版は、いわゆる技適マークを取得していないので、海外から日本に来た人がローミングで使うことを除けば、国内で各社の携帯電話に接続したり、Wi-Fiでの利用は電波法に触れるので、その点は注意が必要。

なぜかはわからないけど、画面上にグレーの帯が表示されてしまう。明るさの調整で、もっとも明るくすれば、消えるんだけど、明らかにおかしい

　購入後、しばらくは海外渡航のチャンスがなく、次の個人旅行の予定が決まった6月のある日、ふと充電したグローバル版のGalaxy S7 edgeを見ると、画面に妙な縞模様が……。ディスプレイの明るさを最大にすれば、縞模様は消えるんだけど、明らかにディスプレイがおかしい。念のため、工場出荷状態に戻してみたりしたけど、症状は変わらない。

　このままでも使えないことはないけど、どう見てもおかしいので、EXPANSYSに問い合わせたところ、結局、修理を依頼することになった。EXPANSYSのご利用ガイドのページによれば、スマートフォンやタブレットの場合、EXPANSYSの1年保証が付いており、発送日から14日間以内は初期不良での対応、15日目～3カ月以内は送料も含めた無料での修理対応（物理的な損傷がないこと）、3カ月～1年は日本から香港への送料がユーザー負担となっており、今回のケースは無料での修理対応という区分になった。ちなみに、修理受付までのやり取りは当然、すべて日本語でのメールで、こちらの疑問にも的確に答えてもらうことができた。

修理から戻ってきたグローバル版のGalaxy S7 edge。ディスプレイが交換されたようで、トラブルは解決

　香港までの送付方法はEXPANSYSの指定でDHLを使い、6月22日に発送したところ、手元に戻ってきたのは意外に早くて7月6日。実質的には約2週間ほどで修理完了となったわけだ。端末については、どうもディスプレイが交換されたようで、表示の問題は解決。今のところ、動作に問題はないようだ。残念というか、タイミングが悪かったのは、ちょうど海外渡航期間のときに修理に出したため、海外では利用できなかったという点。とりあえず、次の予定は8月なので、それまでは待機させておく予定。

　国内でもSIMフリー端末が増えてきて、修理対応などの補償に関する不安が取り上げられることが多いけど、海外の日本向けショップでもこういう対応がきちんと取られていることが確認できて、ひと安心。国内モデルもあるのに、グローバル向けモデルを購入する人はそれほど多くないだろうけど、いざというときのトラブルにも対応してもらえるというのはありがたいことだ。

海外で販売されているGalaxy S7 edge用「LED View Cover」を装着。開閉時に時計が表示される。残念ながら、国内版に装着してもLEDは反応しない

　欲を言えば、技適マークをちゃんと取得した日本でも使えるSIMフリー端末をサムスン電子ジャパンが国内市場向けに出してくれて、そこにもちゃんと補償サービスを適用してくれれば、こういう心配もさらに少なくなるわけで……。もっともその場合、EXPANSYSが商売上、困っちゃうかもしれませんけど。そう言えば、ネット上ではペンが使えるアレの次期モデルの登場が噂されてますが、そろそろ国内向けにもSIMフリー端末を出したりしませんかね。＞サムスンさん