スタパ齋藤のコレに凝りました「コレ凝り!」

手帳と卓上カレンダーを合体!

ルーズリーフの規格を知るとお得度UP?

紙の手帳、どれを選ぼうかナ?

 本連載の前回分で「来年は紙の手帳を使おう!」と思いました。そこで早速、手帳の物色。心当たりがある手帳をいくつか購入し、考えてみました。

オレンジページの「Suicaのペンギン手帳2017」(公式ページ)。あのペンギンがあしらわれた楽しげな手帳ですが、月間と週間のスケジュール(ともに月曜始まり)を併用でき、書き込むスペースも広めで、かなり実用的な感じ。薄めでポケットサイズ。税別1250円。
JMAMの「NOLTY」シリーズ(公式ページ)の「ウィック3」と「ウィック5」。前者が見開き2週間タイプで税別880円、後者が見開き月間タイプ税別860円。20~30歳代のときに多用し、とても使いやすかったという記憶があります。かなり薄めでポケットサイズ。

 これら手帳を買ってみてヤル気が出たんですけど、よくよく考えてみたら「?」と。具体的には「どれか使い始めたら、基本的に1年間同じ手帳……だよな?」と思いました。

 ワタクシの場合、上のようなタイプの紙の手帳を通年使おうと思うと、ちょっと大きな心構えが必要ですネ。というのは、スケジュールなどを書き込みつつ使い、使い終えたら後から回顧できるライフログとして残すという目的だからです。なので、2~3カ月使って「この手帳は使いにくいな」と思ったりして「別の手帳にしよう」と考えた場合、使い続けてきた分だけの書き込みを新たな手帳などに移行するのがタイヘン。手間や効率を考えてうえで、同じ手帳を使い続ける必要があります。

 スマートフォンやPCのメモやスケジュールアプリなら、書き込んで使って行って、途中で「このアプリ使いにくいな」と思ったら、別のアプリを使えばいい話。書き込んだデータを別アプリに移行するのは、まあまあ容易ですし。そうはいかない紙の手帳、選ぶ段階からなかなか難しい。

 じゃあ最初からスマホやPCの……って話にナリガチですが、手書きのほうが感情等々の情報が滲みやすいので……って話は前回に書きましたネ。ともかく、手帳を1冊に絞る必要がありそうです。さて、どうしよう?

気が変わってもツブシが利くシステム手帳

 あ。そうだ。アレがあるか、システム手帳。リフィル式の手帳。アレなら、途中でリフィルを変えても、まあ同じサイズの紙が記録としても残るから、「とりあえず何か選んで使い始めて、気に入らなかったら途中で別タイプのリフィルに変更」ってコトができます。

 そこで早速、システム手帳売り場に。あら楽しげ♪ いろいろな手帳(バインダー)と様々なリフィル。売り場でどれにしようか迷うこと自体が、一種の萌え要素を含むエンタテインメント!

 ……なのですが、アレコレとシステム手帳をイジってみると違和感が。厚みがあるバインダーはどれも自分に合いません。というのは、中央のリングが「左ページに書き込むときに邪魔」なんです。あと、よくよく考えてみると、地図や路線図や換算表など情報が印刷されているリフィルはスマートフォンがあるので不要ですし、小物収納ケースとか定規類も不要ですし、結局要るのは「使って残すためのスケジュール用リフィル」と「メモ用リフィル」程度。そのために分厚い革製バインダーとか全然必要ナシな感じなので、超薄のものを選んでみました。

購入したのはエイチ・エスの「CR 6Hシステムバインダー」(公式ページ)。本来はシステム手帳用リフィルを保存するための薄型バインダーのようですが、ワタクシのようなライトユースにはピッタリの超シンプルバインダーです。サイズはA5サイズとバイブルサイズを買ってみましたが、どちらも300円台と非常に買いやすいのも魅力です。

 システム手帳って、バインダー部分にお金がかかると思っていたんですが、上のような製品を使えば激安で済むんですネ。リフィルもいくつか買ってみましたが、色々なタイプが用意されていて、ジックリ探せば好みの使い勝手のものが見つかる感じ。自分にマッチする手帳を構築していけるあたりは、システム手帳の大きな魅力です。

 けど、なんか、上の写真の超薄バインダーに、ダイアリーのリフィル+メモのリフィル程度を入れると、もはやシステム手帳ってイメージではない。システマチックというイメージもナシ。ルーズリーフ的なノートです。

 ちょっと待てよ、必要なのはスケジュールが書き込めるカレンダーと、メモ書きなどに使える汎用的なページ。この2つがあればOK。この2つが揃った手帳を探すより、ずっと使い続けている卓上カレンダーとノートを持ち歩けばいいだけの話なのかも?

極細リングのルーズリーフ系ノート

 なんか自分で広げた風呂敷を自ら折り畳み始めた流れですが、まあ、これまで使い慣れてきた卓上カレンダーと、薄いノートを併用すれば事足りて、無理に手帳を使わなくてもいいのかも、と。紙に予定などを書けて実用的に使えて、それを紙状態で残せて回顧できてウヒヒと楽しむのが目的。ここは素直に、いつもの卓上カレンダー+薄いノートを持ち歩く作戦で!

15年くらい使い続けている「使い慣れた卓上カレンダー」こと、高橋書店の「No.E152エコカレンダー卓上[B6サイズ]」(公式ページ)。折り畳むと平らになるので携帯も現実的です。コレをスケジュール帳&回顧して楽しむ「紙で残す記録」として使い、プラスしてメモ取り用の薄いノートを使おうと思いました。

 薄いノートを探しにいって、軽くビックリ。ノートは、紙の差し替えを自由に行える「ルーズリーフ」で、携帯向けサイズ感&整理のしやすいA5サイズがいいと考えていました。そういうルーズリーフ系ノートは多々ありました。

 ビックリしたのは、ヒッジョーに薄いバインダーのルーズリーフがあったこと。正確に言えば、ルーズリーフのバインダーのリング部分が非常に細いものがあったんです。

 これなら、中央にリングがあっても、そこに手が引っ掛かりにくい。ので、利き手の反対側のページに書き込みにくいということもなさそう。それに、従来のルーズリーフでもシステム手帳でも「ソレはちょっとデキナイ」と思っていた使い方ができます。ページを折り返して、片ページだけの状態にして書き込めるんです。

コクヨの「超薄型バインダー ル-SP130」シリーズ(公式ページ)。A5サイズルーズリーフ(A5/20穴)をセットできるバインダーですが、リング部分が小さいので、ページを折り返してコンパクトに使えます。広げて使ってもリング部分があまり邪魔になりません。メーカー価格税別480円。
リヒトラブの「TWIST NOTE」シリーズ(公式ページ)の「N-1658」(製品情報ページ)。A5サイズ24穴なので、日本で広く普及しているA5サイズ20穴のルーズリーフは入りませんが、専用リーフ(A5/24穴)を差し替えて使えます。リング部分が非常に細い製品なので、リングがさらに邪魔になりにくく、二つ折りにしても紙の歪みが非常に少ないです。メーカー価格税別300円。

 すげー! とか思っちゃいました。ルーズリーフ系ノートを常用している方からすると「既に当たり前の製品」なのかもしれませんが、「ルーズリーフは中央のリングが邪魔で書きにくい」と思っていたワタクシの偏見をブチ壊してくれちゃいました♪

 個人的には、上の写真の後者、リヒトラブの「TWIST NOTE」シリーズが気に入りました。リングが非常に小さく、広げても折り返しても書きやすい。バッグなどに入れても嵩張り感がないので、スマートに携帯できます。

 というわけで、早速、A5サイズのリヒトラブ「TWIST NOTE」と、前述の「使い慣れている卓上カレンダー」を持ち歩くことに……してみたら、あれ? コレって!? ちょっとした発見がありました。

ルーズリーフと卓上カレンダーが合体!

 何を発見したかと言うと、リヒトラブの「TWIST NOTE」のページ(リーフ)の穴と、前述の「使い慣れた卓上カレンダー」の「リングで綴じられている穴」が、ほぼ一致していたんです。そして結論から言えば、「TWIST NOTE」のリフィルとして「使い慣れた卓上カレンダー」の各ページを使うことができちゃう感じ。

A5サイズのリヒトラブ「TWIST NOTE」には、ワタクシの「使い慣れた卓上カレンダー」(のリング部分を解いてバラしたもの)が収まりました! 必要なカレンダーと数枚のメモ用ページを入れて使えば、自宅ではスケジュールが書き込める卓上カレンダー、出先ではスケジュール帳&ノートとして使えます。しかもコレ、自立もしました。

 あら素敵。なお、厳密なコトを言いますと、この卓上カレンダーはB6サイズで、それがリヒトラブ「TWIST NOTE」A5サイズになら「収まる」ということです。また、収めるためには、カレンダーの綴じ穴の両端左右1つ分を切り落とす必要があります(リングと干渉するため)。

 また、リヒトラブ「TWIST NOTE」にはB6サイズもありますが、これに上記のB6サイズ卓上カレンダーを収めた場合、収まるものの、ピッタリとは傘ならずに数ミリズレてしまいます。これは卓上カレンダーの穴の位置と、「TWIST NOTE」用リーフの穴の位置が、1穴分程度ズレているからです。

 余談ですが、リヒトラブの「TWIST NOTE」シリーズ専用リーフとしては、罫線ノートなどのほかにマンスリーカレンダーなども用意されているようです。A5やB6サイズの「カレンダーやノートのリフィルが最初から入ったタイプ」もあるようですので、ご興味あらば公式ページをご覧ください。

ルーズリーフの穴、JIS規格とISO規格

 前述の「TWIST NOTE」と卓上カレンダーの合体は偶然ではないようで、単に「綴じ穴の規格が一致していただけ」のようです。綴じ穴の規格はいくつかあるようですが、この記事内容と関連していたのはJIS規格とISO規格でした。

 具体的には、日本で広く普及しているルーズリーフはJIS規格(JIS Z 8303)で、A5=20穴/A4=30穴と決められています。一方、「TWIST NOTE」の穴はISO規格で、A5=24穴でA4=34穴となっています。もちろん穴の位置やサイズも各規格によって決められています。

 日本のショップで「ルーズリーフください」と言うと、多くのケースでJIS規格のほーの、普通一般によく普及しているリーフ(ページ/リフィル)を出されると思います。「日本のリーフはJIS規格ばかりなんだな~」と思っちゃったりします。

 ですが、意外なトコロにISO規格のリーフが使われています。前述の卓上カレンダーもISO規格と同じ間隔/サイズで穴が開いていましたし(位置が1穴分ズレていましたけど)、似たタイプの卓上カレンダーもISO規格で綴じ穴が開いていました。

 また、「ダブルリングノート」と呼ばれる「二重リングで綴じられたノート」(二重リングをギューッと引っ張るとページをバラバラにできるアレ)も、ISO規格のものがけっこー多いようです。さらに、リヒトラブからは、そういった「ダブルリングノート」をたやすくバラすための道具「リングノート用リムーバー」(製品情報ページ)が発売されていたりします。

 要は、「ISO規格のダブルリングノートをバラせば、弊社のTWIST NOTE用のリフィルとして使えちゃいますヨ!」みたいな。さらに勘ぐれば「100均とかで売ってるダブルリングノート(ISO規格)をバラして使えば、すっごく安価にてルーズリーフを使えることにもなりますヨ!」といった含みがあるのかもしれません。

左は市販のダブルリングノート。チェックしてみたらISO規格でした。中央はダブルリングノートのリング部分を容易に外せる道具「リングノート用リムーバー」。これを使えばISO規格のダブルリングノートのページを「TWIST NOTE」のリフィルとして使い放題です。右はリヒトラブの「ワンサード24穴パンチ」(製品情報ページ)。各種用紙をISO規格のリフィルにする道具です。

 日本ではまだ入手性がよろしくない「ISO規格で穴が開いたリフィル」ですが、ISO規格ダブルリングノートをバラせば入手できるってわけですネ♪ ダブルリングノートは全てISO規格ってわけではありませんので、ISO規格のダブルリングノートを探す場合は上記「TWIST NOTE」のリング部分のみを持参して探すと手っ取り早いです。

 なお、ISO規格の綴じ穴を開けられる道具(上写真右)もありますので、「これからはISO規格リーフだぜ!」と思った方はご検討を。ワタクシの場合は「ISO規格リーフのほうがリングが小さくて邪魔にならない」「リングが小さいのでバッグへの収まりもいい」「穴から紙の端までの距離が短くてスムーズにページめくりができる」などの理由からISO規格リーフに惚れました。そして「これはかはISO規格に統一してゆきたい!」とか思ったので、上記道具をズギャッと購入しちゃいました。……ただし、ISO規格リングのなかにも大きなものはありますので、そのあたりは選択時にご注意を。

 てな感じで紆余曲折した「紙の手帳選び」。結局はルーズリーフに卓上カレンダーを収めちゃうというミョーな技で決着がつきました。アナタの手帳ライフに1/3インチ程度でもご参考になれば幸いです。

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。