トピック

iPhone 16 ProのRAW動画も撮影できる! キングストンの超高速外付けSSDストレージ「XS1000」

XS1000R

 今回ご紹介するキングストンの「XS1000」シリーズは、USB接続の外付けSSDだ。データの持ち運びに使う、いわゆる「USBメモリー」とはちょっと異なり、より大容量かつ高速で、パソコンやゲーム機の内蔵ストレージを拡張するような製品である。

 フラッシュメモリーやDRAMの老舗でもあるキングストン製だけに、性能も信頼性も高く、安心して選べる製品となっている。でも価格もお高いんでしょう? と思うかもしれないが、そんなこともなく、有名メーカー製品としてはむしろ安い。

 ストレージ製品はしばしば、容量や性能を詐称する製品が有名ECサイトでも売られているが、“信頼できるメーカー”の製品を、“信頼できる販路”で買いたいところだ。

 たとえば、ビックカメラ.com(販売ページ)や、ヨドバシ.com(販売ページ)で購入できるので安心できる。さらに言えば、 11月23日~12月22日には、ビックカメラとヨドバシカメラで15%オフのセール も実施される。

USBメモリよりは大きいが、いわゆるSSDとしてはかなりコンパクトで、カバンの中では見失いやすい

 なお、今回は新色レッドの「XS1000R」を使用してみた。その重さは29g未満。コンパクトなサイズで、片手におさまり、ポケットにも楽々入る。

 ブラックの「XS1000」を選ぶのも一手だが、スマホなど持ち運ぶデバイスで使う場合、レッドだとカバンの中でも目立つので便利なこともある。

 また、上位モデルとして、アクセス速度が2倍の「XS2000」シリーズもある。スペックを生かし切るには、USB 3.2 Gen2x2以上のポートが求められるが、「とにかくパフォーマンスを!」という場合は、上位の「XS2000」を選ぶべきだろう。

 パッケージには、USB Type-CおよびUSB Type-Aの接続ケーブルとアダプターが同梱される。iPhone 15シリーズやiPhone 16シリーズ、あるいはパソコン、Mac、タブレット、ゲーム機、スマートテレビ、Androidスマートフォンとさまざまなデバイスに接続できる。ファイル転送やバックアップを簡単にできるのだ。

もはや「ファイルのコピーが速い」とかいうレベルじゃない

 XS1000シリーズ、カタログスペックでは読み込み最大1050MB/s、書き込み最大1000MB/sとなっている。毎秒1GBだ。

アクセス速度テスト結果。12KのRAW動画も24フレームなら可能な模様

 Mac mini(M1搭載の2020年モデル)本体のUSB-Cポート(最大1250MB/sのUSB 3.1 Gen 2)に直結し、Blackmagic Designの「Disk Speed Test」を使って実測したところ、読み込みは857.4MB/s、書き込みは819.5MB/sだった。カタログスペックをやや下回るが、実測値でここまでの数字が出るのはけっこうエラい。

Mac miniの内蔵ストレージの速度。M.2などの内蔵ストレージとしては書き込みが遅めではある

 M.2など、より高速な接続の内蔵SSDなら、3000MB/sとかの速度が出るので、そことは2〜3倍の差があることになる。しかし800MB/sも十分な速度で、HDDはもちろん、SATA接続の内蔵SSDよりも高速なくらいだ。完全に内蔵ドライブと同じ感覚で扱える。

 XS1000をパソコンの作業領域とし、XS1000上のファイルを直接編集してXS1000に保存するならば、そもそもファイルを内蔵ストレージにコピーしないので、「ファイルのコピーが速い」とかいう問題ではなくなる。何十GBの動画の編集作業などをするときも、内蔵ストレージを消費しないで済むのはありがたい。

 ただ、外部ドライブを作業領域に指定できないアプリも少なくない。そうしたアプリでは内蔵ストレージにコピーする必要が出てくるが、その場合でもXS1000の速さは頼もしい。

 試しに3GBほどのファイルをMac miniの内蔵ストレージにコピーしてみたところ、約4.3秒でコピーが完了した。もはや速すぎて測定が難しいレベルだ。高速な内蔵ストレージとのコピーであれば良いが、HDDやNASとのコピーとなると、コピー先の遅さが足を引っ張ることになる。XS1000は十分に速いので、それ以外の速度に気を遣え、という話だ。

iPhoneで4K RAW動画を撮影できる超速スペック

USB SSDに記録する場合、下部ホームバーの上に「USB-C」と表示される。2TBモデルの場合、4K 120fpsだと71分しか録画できないが、撮れるだけスゴい

 iPhone 15/16シリーズのProモデルは、最大10Gbps(1.25GB/s)のUSB 3に対応していて、高速なUSBストレージを接続したときのみ、4KのRAW動画(Apple ProRes)を撮影することが可能になる。公式にProResへのサポートは明記されていないが、実際にテストしたところ、使用できた。

 RAW動画は、映像をガッツリ編集するようなプロ向けのものだ。編集時の劣化を最小限にできるので、最終的な出力が圧縮フォーマットだったとしても、クオリティに差が出てくる。しかし編集処理にプロセッサパワーが必要だし、何より大容量、高速なストレージが必要なので、主に映画などの本格的な映像作品に使われる。

付属のUSBケーブルとアダプタでUSB-CのiPhoneと接続できる。ケーブルはL字の方が扱いやすいが、USB 3.1 Gen2以降対応のものでないと速度が出ない

 たとえば、iPhone 16 Proで撮影した4K 60fpsのProRes動画の大きさ(ビットレート)は、毎秒200MB超える。約2分で25GBだ。2TBのストレージ容量があっても、2時間ちょっとしか録画できない。並のSDカードでは速度も容量も足りず、内蔵ストレージもHDDどころかSATA接続のSSDだって速度不足だ。

 そんなiPhoneのProRes動画、XS1000なら撮影できてしまう。それも4K 120fpsの最高スペックでも撮影可能だ。個人向け製品の価格帯なのに、プロ向けの機能が使えるのは、スゴい時代になったものだと思う。

もはやオーバースペックだけどスマホのサブストレージにも使える

 スマホのストレージとしても使える。たとえば動画を大量に撮影する人は、それらの動画をXS1000にコピーして本体内部からは削除し、本体のストレージや同期するクラウドストレージの容量を節約することもできる。

 試しにiPhone 16 Pro内の105本の動画(合計約3GB)をXS1000にコピーしてみたが、約13秒で完了した。ファイルの量と大きさを考えると驚異的な速さだ。

 しかしこの用途だと、XS1000はオーバースペックと思われるかもしれない。そもそも最大10Gbps(1.25GB/s)が出せるUSB接続のスマホはやや限定されるのだ。また、1TBや2TBというのも、スマホではなかなか使い切れない容量だ。

 しかし、子供やペットなどの動画を日常的に長時間撮影する人や、料理・旅行など生活の瞬間を写真で記録することが好きな方々なら、XS1000の速度と大容量は非常に頼もしいはずだ。動画や写真を撮影しまくっているおかげで内部ストレージやクラウドストレージに限界が来ているなら、XS1000は有効なサブストレージとなる。

 紛失のリスクなども考えて、NASなどを準備しておけば確実にバックアップできる。NASへの転送時もXS1000であればあっという間に転送できてしまう。

ゲーマーの追加ストレージとしても最適

 ゲーマーにもXS1000はオススメだ。パソコンや家庭用ゲーム機で、最近のゲームの大容量っぷりに内蔵ストレージが追いつかず、新しいゲームをプレイするために古いゲームを随時消している、という人も少なくないはず。かくいう筆者もそうである。

 最近のオープンワールドゲームやオンラインゲームは、100GB超えも当たり前になっている。そしてオンラインゲームは長期にわたって定期的にプレイするので、インストールしっぱなしにしたいところ。

筆者宅のWindows PCのUSBポートはUSB 3.1 Gen1なので速度半減しているが、それでもSATAのSSD並みの速度が出る

 たとえば、そんなゲームタイトルの一つになりそうな来年登場する話題作のパソコン版は、140GBと発表されている。このクラスの重量級タイトルを3本くらい並行してプレイしつつ、たまにプレイしたくなるタイトルやセールで買った「積みゲー」もインストールしておこうとすると、内蔵ストレージが1TBくらいでは足りなくなってくる。

 パソコンや家庭用ゲーム機では、内蔵ストレージを追加したり、交換したりできる。しかし、追加するには空きスロットが必要だ。また、交換するとなると、元からスロットに刺さっているSSDを処分することがあるかもしれない。そもそも、パソコンのシステムの入っているドライブの交換は、想像するだけで目眩がする、というくらい手間と感じる人もいるだろう。

 その点で言うと、USBのSSDは挿すだけで追加できるし、交換も撤去も簡単だ。パソコンなら内蔵ドライブ同様に扱えるし、Steamのインストールドライブとしても指定できる。使わなくなったら、スマホ用やバックアップ用など、別用途への転用も容易である。

内蔵HDDだとこんな速度。動画録画などシーケンシャルアクセスなら問題ないが、ランダムアクセスに弱いので、ゲームでは如実に差が出る

 ストレージ速度の影響が大きいオンラインゲームでは、SSDの利用を推奨することもある。そういった場合、内蔵SSDという選択肢はもちろんあるが、USB 3.1 Gen 2以降で接続するXS1000は、HDDどころかSATA接続のSSDより高速だ。SSD推奨ゲームだって快適にプレイできる。

超高速・大容量が必要な用途向けのUSB SSD

 XS1000は、使い勝手こそUSBメモリと似ている。だが、実際にはUSBメモリとは異なるジャンルの製品だ。どちらかというとパソコンやゲーム機のストレージを拡張する用途に向いた製品と一般的には考えられているだろう。ちなみに、最大速度は1050MB/秒(読み取り)、1000MB/秒(書き込み)に達し、従来のHDDと比べて平均で約10倍速くなる。

 しかし、パソコンの内蔵ストレージに匹敵する容量と速度がありながらも、パソコンやゲーム機、スマホと簡単にUSB接続できる気軽さも兼ね備えていることはひとつのポイントだ。 コンパクトで29g未満、持ち運びに便利で、いつでもどこでも、多彩なデバイスに接続してファイル転送・バックアップできる のだ。

 そして容量単価が高くないのも重要なポイントだ。スマホで動画や写真を撮りまくり、空き容量が足りなくなっている人のサブストレージに向いた製品でもある。1TB超えのデータを持ち運ぶなら、コスパの良い製品なのだ。

 先述した通り、パッケージに付属するUSB-C to USB-AケーブルやUSB-A to USB-Cアダプターで接続できるおかげで、いろいろな機器・用途で高速性能と大容量を利用できる、応用性の高い製品でもある。

 とくにRAW形式の動画を撮影する場合など、プロ機材でしかできなかったようなことが、普通の価格の製品でできてしまうのは、なかなかにスゴいことだとも思う。繰り返しになるが、公式ではサポートしていないものの、実際にテストして利用できた。

 今回のレビューでは筆者が思いついたいくつかの利用法を解説してみたが、ほかにも応用が効くとも思うので、ストレージにお悩みの方……たとえば、学生、ビジネスパーソン、コンテンツクリエイター、はたまた出張や旅行が多い方、写真や動画で生活を記録することが好きな方には、ぜひとも使いまくって欲しい製品だ。

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