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「ZenFone 6」は奇跡の組み合わせで生まれたハイスペックスマホ

 カメラ部が180度回転するフリップ機構に多くの注目が集まる、ASUSの最新フラッグシップモデル「ZenFone 6」。フリップカメラの採用は高画質なセルフィーを実現させたほか、ノッチがない全画面の「オールスクリーン ナノエッジディスプレイ」にもつながった。

 さらにはハイエンドモデルでは珍しい5000mAhという大容量バッテリーをも搭載できている。チップセットはSnapdragon 855(オクタコアCPU、2.84GHz駆動)、メモリが6GB、ストレージが128GBという組み合わせのモデルと、メモリ8GB+ストレージ256GBというモデルがラインアップされる。

 1つ1つの機能が高いレベルで仕上げられているだけでなく、それぞれがひとつ欠ければ他の機能を搭載することもできなかった。

その組み合わせは絶妙で、全方位で高いレベルでの使いやすさが追求された格好だ。それぞれの機能についてご紹介しつつ、ZenFone 6だからこそ提供する本質的な価値をご紹介しよう。

フリップカメラで撮れる新次元の写真とセルフィー

 ZenFone 6でまず目を引くのが、回転する「フリップカメラ」だろう。ソニー製のIMX586センサーを採用した4800万画素の標準カメラと、視野角125度の1300万画素超広角カメラの2種類を搭載するデュアルカメラで、通常は背面に収まっているが、セルフィーや顔認証をする場合に180度回転して立ち上がる。この機構を使って、非常に高画質なセルフィーはもちろん、フリーアングル撮影や安定したパノラマ写真の撮影が可能になっている。

 特殊なモーターにより、約0.5秒でスムースに立ち上がる様子に興味をかき立てられるが、ZenFone 6のフリップカメラは回転しない状態で使っても非常に魅力的だ。4800万画素という超高解像度カメラは、明るい場所では今までにない高精細な写真を撮影でき、暗い場所で撮影する際にはIMX586センサーのQuad Bayer技術で感度を高め、低ノイズで明るい写真に仕上がる。

広角撮影
超広角撮影
上から広角、超広角、デジタル8倍で撮影。デジタルズームで寄っても、くっきりと見える
「ポートレート」モードで撮った写真。背景がきれいにボケて、後から調整も可能
「フード」モードで撮影。シャッターボタンをタップするだけでメシウマ写真が簡単に撮れる

 HDRも良く効いている。ZenFone 6は従来の「HDR+」モードに加えて「HDR++」を搭載。HDR++はシャッタースピードを変えた写真を複数枚撮影し、それを1枚の写真に仕上げる機能だが、明暗差の激しいシーンで白飛びも黒つぶれもせず、細部まで鮮明に再現する。

逆光で撮った林。左の明るい部分もHDR++で撮った写真は白飛びせず、葉の1枚1枚や木の幹の様子も確認できる。

 夜景モードで撮った写真も驚くほどきれいだ。夜景モードも、1回のシャッターで露出を変えながら複数枚の写真を撮影。それを合成することで、明るく光っている場所も暗く陰になっている部分もくっきりと写し出す。黒くしか見えない空に、実はさまざまな形をした雲が漂っていることがはっきり分かり、正直、目で見るよりも写真の方が鮮明で明るい。何気ない町並みも絵画のように雰囲気のある作品に仕上がってくれる。

「夜景」モードで撮影。明るく鮮明でノイズもなく、1つの作品のように仕上がる

 そして、ZenFone 6のカメラはフリップカメラなので、アウトカメラとインカメラの区別がない。カメラの高度な機能を、セルフィーでもまったく同じように利用できるのが嬉しいポイントだ。グループで撮るときは超広角で全員が楽にフレーム内に収まり、夜景モードで撮影しても、ほぼブレのない明るくきれいなセルフィーが撮れる。あらゆるシーンで自分も背景も美しく保存できるので、写真を撮ること自体が楽しくなってくる。

「ポートレート」モードでセルフィー。レベル3のビューティモードが程よく効いて肌は滑らかになり、背景はきれいにボケた

 なお、フリップカメラはセルフィー以外に、その機構を活かしたユニークな撮影もできる。1つが「パノラマ」モードだ。一般的に、スマホでパノラマ撮影をするときは、スマホを動かさないように気をつけながら、身体を回して広い範囲を撮っていく。しかし、いくら気をつけてもスマホは微妙に動いてしまい、画像が歪んだり段差ができてしまったりすることが多い。

 その点、ZenFone 6のパノラマモードは、フリップカメラが自動で動いてくれるので、自分はZenFone 6を縦あるいは横にしっかり持って、じっとしているだけでいい。最大の180度まで回転させると、自分も写るちょっと変わったパノラマ写真が撮れる。

パノラマモードでフリップカメラを180度回転させた場合の写真。最後に自分が写るユニークなパノラマ写真が撮れる。パーティなどで会場全体を撮りたいときなどにお勧め
縦に持ってパノラマ撮影した写真。シャッターボタンを途中でタップするとフリップカメラの動きは停止するので、撮りたいものだけを写すこともできる

 また、シャッターボタンの横にあるカメラ切り替えのアイコンを長押しすると、フリップカメラを自分で好みの位置に動かすことができるようになる。身体を動かせない状態でも、カメラを動かしてフリーアングルで撮影できる。

カメラの切り替えボタンを長押しすると点線と矢印が表示され、フリップカメラを手動で動かせるようになる

 さらに、「モーショントラッキング」モードを利用すると、動画撮影時にファインダー上でタップした被写体をフリップカメラが自動で動いて追い続ける。子どもなど動く被写体もしっかりピントが合った状態で撮影し続けることが可能だ。

「モーショントラッキング」モードを利用すると、フリップカメラが自動で動き、タップした被写体を追い続ける。ペットや風で揺れる植物も常にピントが合った状態で撮り続けられる

オールスクリーン ナノエッジディスプレイとユーザー視点で用意された使い勝手

 ZenFone 6はフロントカメラにもなるフリップカメラを背面に搭載しているので、前面はすべて細い額縁のディスプレイで覆うことができる。

アスペクト比19.5:9、画面占有率92%の6.4インチIPS液晶ディスプレイは「オールスクリーン ナノエッジディスプレイ」と名付けられていて、上下左右、ギリギリまでディスプレイだ。

最近のスマホは、フロントカメラ部分をくり抜いたノッチ付きやパンチホール型のディスプレイが多いが、ZenFone 6にはそれらがなくスッキリしている。ピクトアイコンも見やすい。

 なんといっても、全画面で動画を視聴するときの没入感が他とは段違いだ。ノッチもパンチホールもないディスプレイで見ると、これまで一部が欠けたディスプレイにストレスを感じていたことを改めて認識させられた。

ノッチもパンチホールもないすっきりしたディスプレイ。Webサイトやピクトアイコンなどが見やすく、全画面での動画視聴が楽しい。表面に使用しているのは最新のCorning Gorilla Glass 6で強度が高い

 そして、ZenFone 6の大画面でも使いやすいように再設計されたユーザーインターフェイスは「ZenUI 6」。電話のダイヤルキーやフォルダ内のアイコン、ポップアップウインドウなどは原則的に画面下部に表示され、片手でも操作しやすい。

 また、環境に合わせて、着信音や、LINEなどの呼び出し音、オーディオ、動画アプリの音を自動で調整する「スマートボリューム」、Google アシスタントが話すスケジュールの内容など、アプリの音声を他人に聞かれたくないとき、音声通話するときのように端末を耳に当てると、音声が受話口から再生される「プライベートリスニング」も便利だ。

大画面でも片手操作しやすいように、アイコンなどは画面下部に表示される
環境に合わせて自動で着信音や通知音を調整する「スマートボリューム」
アプリの音声をスピーカーではなく受話口から再生することができる「プライベートリスニング」。「拡張機能」で設定できる

 使いやすさを支えるSoCには、フラッグシップ機の多くが搭載するクアルコムのSnapdragon 855を採用。レスポンスが良く、ストレスなく使える。写真が保存されているギャラリーやキーボードの表示など、CPUパワーやチューニングの足りない端末では一瞬遅れがちな操作も、ZenFone 6では非常にスムースだ。

 さらに、カードスロットはnano SIMカードが2枚とmicroSDカードが同時に入れられるトリプルスロット。もちろん、SIMはASUS端末ではおなじみ「DSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE」だ。使いやすく反応も速い指紋センサーを背面に配置し、最近では省かれがちな35ミリのイヤフォンジャックもしっかり搭載している。

開発中のモックアップと担当者から聞いた「ZenFone 6」がもたらす本当の価値

 フリップカメラやオールスクリーン ナノエッジディスプレイ、あると嬉しいさまざまな機能を搭載したZenFone 6だが、「他のデザインを選んでいたら何かを妥協しなくてはならなかった」とASUSのグローバルテクニカルPRディレクターであるChih-Hao Kung(チーハオ・クン)氏は語っている。

 1世代前のモデル「ZenFone 5Z」で、ユーザーは殊にパフォーマンスに対し高い満足度を示した。そのためZenFone 6でも高いパフォーマンスや全画面ディスプレイを実現し、2~3日持つ安心のバッテリーを搭載したスマホを作り出したいと考えたという。

 しかし、たとえばカメラにフリップ機構ではなくスライド機構を採用していたら、5000mAhもの大容量バッテリーを搭載することはできなかったという。フリップ機構に加えZenFone 6では、フリップカメラを囲むように同じ形のプリント基板(PCB)を2つ重ねて配置するという工夫もしてバッテリーのスペースを確保している。また、ポップアップ式のインカメラだったら、フリップカメラほど高いスペックにはできなかった。

 さらに、2.84GHz駆動のオクタコアCPUという「Snapdragon 855」を採用し、メモリは6GB/8GB、ストレージは128GB/256GBと、ハイエンドモデルの中でも充実したスペックを誇る。まさにユーザーにとって必要だと考えるすべての要素を盛り込みたいと望み、それを実現する形が今のZenFone 6だったというわけだ。1つ1つの要素について検討に検討を重ね、決定していったことが、各パーツの膨大な試作品の数からも見て取れる。

各種パーツの形、色、仕上げ加工まで、いくつものパターンを検討してきたことが分かる部品の試作品の数々

今、スマホに望まれる要素を全方位で備える

 欠けのない全画面ディスプレイ、セルフィーも高画質な高性能カメラ、最高クラスのCPU、安心して使える大容量バッテリー、スマホをより使いやすく便利にするイヤフォンジャックやカードスロット。試行錯誤の上、今、ユーザーがスマホに望む要素をすべて盛り込んだことで、ZenFone 6は非常に高いレベルでバランスのいいスマホに仕上がっている。これらの要素のどれか1つが欠けても、ここまでASUSらしい独創性の高い魅力的な1台にならなかったかもしれない。

 すべてを備えたことで、ハイスペックなスマホを求めるユーザーにはもちろん、新しさや個性を求める人から基本性能や機能的なバランスの良さを求める人まで、幅広いユーザーにお勧めできるモデルになっている。ZenFone 6を選べば、まず間違いない。