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サムスン「Galaxy S22 Ultra」、4つのカメラを徹底的に試す!

 サムスン電子から登場した「Galaxy S22 / S22 Ultra」は、カメラ性能に一層の磨きをかけたAndroidスマートフォンだ。両モデルとも複数のカメラを搭載して、使い勝手と画質をさらなる高みへと押し上げた端末となっている。

 今回は「ハイエンドスマートフォンの再定義」というコンセプトで登場したフラッグシップモデル「Galaxy S22 Ultra」を手に、都市部や郊外、ナイトシーン、そしてモデル撮影を敢行し、そのカメラ性能の実力を堪能してみた。

左:S22、右:S22 Ultra

4つの「眼」を搭載する「Galaxy S22 Ultra」

 「Galaxy S22 Ultra」は4つのアウトカメラを搭載している。12メガピクセルF2.2の超広角カメラ、108メガピクセルF1.8の広角カメラ、10メガピクセルF2.4とF4.9からなる2つの望遠カメラだ。望遠カメラはペリスコープ型光学ズームになっており、手軽に高画質な望遠撮影ができる。

各カメラの画角比較

 それではさっそく、各カメラの写る範囲を確認してみよう。なお、ここから先の作例はすべて、クリックもしくはタップで元ファイルをチェックできる。

(0.6倍)高台から遠方に見える小田原城を狙った。35mm版換算約13mmの超広角カメラでは手前に咲いている紫陽花も写し込むことができた。もの凄いワイド感である。
(1倍)メインカメラとなる広角カメラは35mm版換算約23mm相当。自然かつ高精細な写りで近景から遠景までシャープな写りになっている。
(3倍)第1の望遠カメラは35mm版換算約70mmで、手前の紫陽花がキレイにボケてくれた。なおかつお城とその下の森をリアル感豊富に写し撮ってくれた。
(10倍)その次の望遠カメラは35mm版換算約230mm相当。F値は4.9だが天守閣の瓦や展望スペースにいる観光客の様子までハッキリクッキリと撮影できた。これには驚かされた。
(30倍デジタルズーム)ここからはデジタルズームとなるが、高い光学性能プラスAIによる画像処理のおかげで、画質を維持したままここまでアップで撮影できるのだ。瓦と城壁のディテールが見事ではないだろうか。
(100倍デジタルズーム)最大100倍のデジタルズームを使うと小田原城のシャチホコもここまで大きく撮影できる。先端に設置されている避雷針もしっかりと確認できるではないか。スマートフォンでここまで撮れるのは本当にスゴい。

各カメラの描写もチェック

超広角カメラ

35mm版換算約13mmの超広角カメラは広大な範囲を写しとれる。都心のオフィスビル群を見上げたカットだが、周囲のいくつもの建造物をフレーム内に丸呑みしてくれた。このワイド感はクセになりそうである。アングルによってユニークな写真が撮れるはずだ。
何気ないワンシーンも超広角カメラはドラマティックに見せてくれる。日没直前のブルーアワーに浮かぶ交通標識をシャープに捉えられた。涼しげな描写がいい感じ。
雨降りの中サッカーを観戦していたが、急に雨が止み快晴になった。その青空に浮かぶ雲と去って行く雨雲を超広角カメラはメリハリ高くキャプチャーした。

広角カメラ

 この中で一番の注目は広角カメラだろう。何といってもGalaxy史上最大サイズとなる大型センサーを搭載し、1億画素オーバーの解像度を誇っている。Adaptive Pixelによって9つのピクセルを束ねて1200万画素とし、高い画質と感度の写真を得ることができるが、108メガピクセル撮影時に「ディテールエンハンサー」という機能を使うとよりディテール重視の撮影を楽しめるのだ。

 1カット30MBオーバーのサイズとなるが、緻密かつリッチな解像感を堪能できる。ピクセル等倍で鑑賞するとそのスゴさを実感できるはずだ。

(ディテールエンハンサー ON)
(ディテールエンハンサー OFF)
東京湾岸の日没シーン。Galaxy史上最大サイズのセンサーはビルが織りなすスカイラインを精細に撮影してくれた。空のグラデーションもなかなかのものである。
梅雨空の公園。手前に咲く紫陽花から奥の木々にかけての描写がいい感じだ。曇天下の微妙な色合いも的確なオートホワイトバランスで表現してくれた。
初夏を感じさせる夕暮れを撮った。強烈な太陽光をフレーム内に入れたが、スーパークリアガラスと独自の超低反射ナノコーティングのおかげでゴーストとフレアが低減された。安心して光源を入れてシャッターを切れる頼もしいスマートフォンだと感じた。

望遠カメラ

夕方から夜にかけての都会は、美しいシーンにあふれている。「Galaxy S22 Ultra」ならそんな光景をカンタンに撮影できる。高性能な望遠カメラなら情感豊かに高層マンションを描き出してくれた。
ペリスコープ型光学ズーム採用の望遠カメラは自分なりの画角を手軽に得ることができる。並んでいるチェアを撮ったが、圧縮された遠近感とチェアの素材感が素晴らしい。撮影が楽しくなるほどである。
駐車中のスポーツカー。そのライトにフォーカスしてシャッターを切ったが、そのボディカラーと存在感を「Galaxy S22 Ultra」は余すところなくキャプチャーしてくれた。キレ味バツグンである。

 このように、「Galaxy S22 Ultra」に搭載されている各カメラの基本性能は、非常に高度なものであることが確認できた。4つのカメラによる画角の自由さは写真撮影の楽しさを増幅してくれたと感じる。

 広角カメラの高解像度かつ大型のセンサーのリッチさ、ペリスコープ型光学ズーム採用による望遠カメラのキレ味、スーパークリアガラスと独自の超低反射ナノコーティングによるヌケ感ある描写など、さすが「ハイエンドスマートフォンの再定義」というコンセプトを掲げたことはあると実感できた。

Nightography

 ここからは「Galaxy S22 Ultra」が得意とする夜間撮影「Nightography」を試してみる。といっても普通に「Galaxy S22 Ultra」を構えるだけでOK。極端に暗い場所では「ナイトモードを使用」と画面に表示が出るので、それをタップするだけでいい。本当に気軽に、夜間撮影をエンジョイできるのだ。

 大型センサーかつ、9つのピクセルを束ねて高感度と高画質を実現し、夜の点光源のゴーストやフレアをスーパークリアガラスと超低反射ナノコーティングで低減。さらにAIによる高度なコンピュテーショナルフォトグラフィーは、ナイトシーン撮影をとても面白いものにしてくれた。「Galaxy S22 Ultra」を持って夜の街をブラブラと撮り歩くのが本当に楽しかった。

 ここでは都市風景の「Cityscape編」と、女性モデルポートレートの「Model編」として、それぞれの作例集をご覧に入れる。薄暮のシーンでも美しい撮影が可能な4つのカメラと、暗いシーンでも背景をぼかせるポートレートモードを使えるのが頼もしかったことをお伝えしておこう。

Cityscape編

Model編(モデル:あさみ、ボンボンファミンプロダクション)

ポートレートモード

 「Nightography」でも、背景をぼかせるポートレートモードが有効なことがお分かりいただけただろう。当然、明るいシーンでもそれは素晴らしい効果を発揮してくれる。

 人物だけでなく静物や植物、細いストローなども、AI Stereo Depth Mapによってほぼ正確に境界を判定し、背景から浮かび上がらせてくれるのがうれしい。もちろんぼかしの強度もスライダーで好みに調整できる。

Expert RAW

 もっと踏み込んで写真を撮影、編集したい! という人には、RAW(生)撮影ができる「Expert RAW」アプリも用意されている。「Galaxy Store」から無料でダウンロードができるのでインストールしてみよう。

 このアプリで撮影できるのはただのRAWではない。AIによるコンピュテーショナルフォトグラフィーを加味したRAWなのである。なので、マニュアル露出で撮影したカットも、料理でいうと下ごしらえされた状態のデータになっているのだ。

 これをAdobe Photoshop Lightroomで現像処理することによって自分なりの表現が可能になってくる。JPEGでは難しいディテールやニュアンスを出すことができるのだ。またこの編集操作に「Galaxy S22 Ultra」内蔵の「Sペン」が大活躍するのだ。スライダー操作など微妙なさじ加減が実にやりやすい。写真編集に集中できること間違いなしである。

編集前の画像
編集済み画像
編集画面

シングルテイク

 「Galaxy S22 Ultra」には面白いカメラ機能も搭載されている。それが「シングルテイク」だ。これは1回のシャッターでAIによって最大14種類もの(写真10枚、動画4本)カットを自動的に撮影して保存するもの。

 自動的にトリミングした写真やコラージュ、フィルターを使用した写真、ポートレートモード、ハイライト動画、スローモーションクリップなどが自動的に生成される。撮影時に「どのモードで撮ろうか」と悩んだときに役立ちそうだ。

まとめ

 このように「Galaxy S22 Ultra」は、スマートフォン最高クラスのカメラ性能を有したフラッグシップモデルに仕上がっていた。

 写真性能の高さは上記で紹介したとおりだが、実際に使用していてもそのキビキビとした動作スピード、バッテリーの保ち、明るく見やすいスクリーン、編集作業にも役立つSペン、などなどハイエンドスマートフォンにふさわしいスペックと使用感であった。そのスゴさを手に取って実感してみてほしい。