レビュー

Google「Pixel 5a」は気軽に使える高画質なカメラスマートフォン

 グーグルからミッドレンジとなる5G対応Androidスマートフォン「Pixel 5a」が登場した。詳しいスペックなどは別記事を参照していただくことにして、ここでは気になるカメラの写りをチェックしたいと思う。

 何といっても高い描写性能で定評のあった、あの「Pixel 5」と同等のカメラを搭載しながら、価格がグンとお安く5万1700円(税込)というのだから気になるではないか。

左:Pixel 5、右:Pixel 5a

Pixel 5aを手にして

 「Pixel 5a」の手触りはとても素晴らしい。ポリカーボネイトではなくアルミニウムフレームなので「Pixel 5」とほぼ同様のザラザラとした触感になっており、マット面がややスムーズに仕上げられているものの「Pixel 5」と同じく高級感はバツグンである。

 またそれに伴ってIP67の防滴防塵仕様に。これで悪天候下での撮影もガンガンイケるようになった。とても心強いではないか。

 もちろん指紋認証なのでコロナ禍でのマスク装着時でも使用に際してストレスを感じないし、カメラ起動も電源ボタンのダブルクリックで迅速である。

 さらにスクリーンも6.34インチOLEDで明るく大きく見やすく、バッテリー容量も4680mAhと大容量ときている。これなら長時間の撮影でも不安はない。「Pixel 5a」はスキのないミッドレンジ端末という印象だ

高い描写性能のデュアルカメラ

 肝心のカメラだが「Pixel 5」の性能をそのまま引き継いでいるので写りはバツグンである。1220万画素 広角カメラと1600万画素 超広角カメラのデュアルカメラはとても使い勝手がいい。

 画角はそれぞれ35mmフルサイズ換算で約27mm F1.7と約16mm F2.2で、スナップから料理や室内、そして風景や人物までと幅広く撮影を楽しめる。

 「2x」の望遠カメラはデジタルズームとなるが、「Pixel 3」時代からその処理には素晴らしいものがあり、なかなかの解像感をしてくれる。安心して使える画質になっていると言えよう。それではそれぞれの画質を確認してみよう。

浅草・雷門横に立ち「Pixel 5a」を縦位置で構えて撮影した。さすが35mm換算約16mm相当の画角である。大提灯はおろか門を迫力あるパースペクティブで撮ることができた
次は広角カメラだ。カメラを起動すると標準で現れる「1x」カメラである。鮮やかな赤の発色と表面のディテールが美しい。立体感も豊かである
最後はデジタルズームとなる「2x」カメラだ。デジタル処理によるクロップだが荒さはほぼ感じさせず、常用できる画質である。描写も整っており好感が持てる

ポートレートモード

「Pixel 5」と同じく被写体との距離に左右されないポートレートモードも使い勝手がいい。「1x」、「1.3x」と画角を変えられるのもうれしい。

 ポートレートモードというと人物撮影にしか使えないと思っている人が多いが、料理や小物、スナップ撮影などでも活躍する。ピントが合った前後をぼかしたい場合に使ってみるといいだろう。「Pixel 5a」のポートレートモードは「Googleフォト」で撮影後にピント位置を変えられるのもすごいところである。

朝顔を通常撮影した。見た目同様の色合いとみずみずしさがイイ感じ
こちらはポートレートモードによる撮影。背景がよりボケて、花がググッと浮かび上がった
このような被写体の場合、iPhoneだと先端部分が曖昧な描写になるのだが、「Pixel 5a」はしっかりと境界を判定して美しくぼかしてくれる
ブタの蚊取り線香から立ちのぼる煙。それすらもキチンとのこしてぼかす「Pixel 5a」の写りに畏れいった

 なお、「ポートレートライト」という機能もある。人物を撮影した場合、あとから光源位置を自由に変えてライティングを仕上げられるものだ。これは「Googleフォト」を使えば新しいAndroid端末でも可能だ。面白いのでぜひ試してみてほしい。

Night Sight(ナイトサイト)

 「Pixel」シリーズといえば暗所撮影に強いというイメージがある。この「Night Sight(ナイトサイト)」という機能は今や星景写真を撮影できるほどに進化した。今回は残念ながら雨続きで実現できなかったが、一般的な暗いシーンでも大いに活躍する機能だ。フォトグラファーが意志を持って、この機能を ON / OFF できるところに好感が持てる。

見学に訪れた温泉旅館で撮ったカット。ほぼ真っ暗な状態であったがご覧のように照明を当てたかのような明るさで撮影できた。しかもキレイに。これが「Night Sight(ナイトサイト)」の威力だ
こちらは夜間の無人販売スタンド。雨に濡れる花を撮ったが、鮮やかな発色と水滴の描写が美しい。葉のいきいきとした感じもいい。夜に撮影したと言わなければわからないだろう

シネマティック撮影

 「Pixel 5a」にも動画モードに「シネマティック撮影」が搭載された。

 これは簡単に言えば手ブレを軽減したスローモーション撮影である。速度は50%、音声はミュートとなるが、シネマカメラをスライダーやジンバルに載せて撮影したかのようなスムーズなスロー撮影が可能だ。

フォトジェニックな建物を「Pixel 5a」でシネマティック撮影。このモードを選んでゆっくり歩いただけで、このようなシネマルックなムービーが撮影できた。画角も3つのカメラを使用できるので、YouTubeにアップするショートクリップなどでも重宝しそうだ

作例

 「Pixel 5a」を手にあちこちをブラブラと撮り歩いたが、「Pixel 5」と同じく撮影をいろいろと楽しむことができた。レスポンスも良好で画質も申し分なく、とてもお買い得感のあるスマートフォンに仕上がっていると実感できた。

伊豆の海岸を撮った。生憎の天気だったが、手前の浜、消波ブロック、遠くに浮かぶ初島まで見た目と同様にキャプチャーできた
下北沢の街角でのカット。カラフルなペイントと錆びたトタン、そしてディスプレイの質感がよく出ている。電源ボタンのダブルクリックでカメラを起動できるのでスナップ撮影にピッタリである
超広角カメラは写真に迫力を出せる。竹林の中で空を見上げて撮ったが、竹の伸びやかな様子と美しいグリーンが印象的なカットになった。露出も的確で誰が撮っても美しい写真を手にすることができるだろう
街歩きや室内で超広角カメラは活躍する。狭い場所を広々と見せたり、近景と遠景を同時にキャプチャー可能だ。旅や散策時に活用すると面白いカットが撮れるはずだ
東京駅の地下通路で。超広角カメラは見上げたり見下ろしたりするとその効果が格段に出る。空間の広がりを意識して撮影するといいだろう
ポートレートモードは背景を美しくぼかすことが可能だ。人間だけでなく人形でも可能。ただし「ポートレートライト」は本物の人間でないと使えなかった
iPhoneと違って距離制限がないのでポートレートモードが使いやすい。また「Googleフォト」で「編集→調整→奥行き」でピント位置をあとで変更できるところが面白い。もちろんボケ量もコントロール可能である
「Pixel 5a」はきちんと前ボケを表現できるところもいい。カメラに興味がある人にぜひ使ってほしいスマートフォンに仕上がっていると思う

まとめ

 「Pixel 5a」はミッドレンジという位置づけながら、カメラ機能が素晴らしく、多くの人にオススメできる端末だ。超広角からデジタルズームによる望遠、そしてぼかしを楽しめるポートレートモード、そして暗所に強い「Night Sight(ナイトサイト)」、さらに「シネマティック撮影」と存分に撮影をエンジョイできる製品になっている。それでいて価格が安いというのがいい。

 個人的には「Pixel 5」よりシャッター音が小さくなったのもうれしい。高性能ヘッドフォンを使う人はヘッドフォンジャック装備も大歓迎だろうし、同時に発売となるワイヤレスイヤホン「Pixel Buds A-Series」も低価格なので、「Pixel 5a」とセットで購入するのもアリだろう。同じく純正ケースもBlack Moss、Maybe Moon、Likely Lime、Paially Pink の4色でリリースされる。

 「Pixel 5a」は5万1700円(税込)という価格で、防塵防滴、OSアップデートの保証、おサイフケータイ対応、と機能盛りだくさんのスマートフォンに仕上がっていた。カメラ機能は一線級なので長く楽しめる端末だと言えるだろう。

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