レビュー
「NichePhone-S」ミニレビュー(編集部石井)
ストラップにしたくなる魅力的なガジェット
2017年11月27日 12:00
「NichePhone-S(ニッチフォン-S)」は、フューチャーモデル製の小型・軽量なフィーチャーフォン。NTTドコモ網やソフトバンク網で、3Gの音声通話やテザリングを利用可能。音楽再生、Bluetoothヘッドセットへの接続もサポートする。編集部スタッフの視点から「NichePhone-S」を紹介する。
編集部・石井
名前からして「ニッチフォン」、大衆受けは狙わないという姿勢を堂々と示しているのが潔い。一方で、その小ささ、そして薄さには、ガジェット好きなら抗いがたい魅力を感じるだろう。
OSにAndroidを採用しているが、スマートフォンとはかけ離れたメニュー画面。メニュー項目は細部までしっかりと日本語化されている。テンキーは押しやすいが、日本語入力の変換精度はあまり良くない。もっとも、日本語入力はSMSか連絡先の登録でしか使わないので、あまり問題にはならなそう。
“携帯電話”として使う上では、いくつか不足を感じるところがある。1つは連絡先の同期。SIMに保存した連絡先を転送する機能は備えているので最初の転送は良いのだが、それ以外にスマートフォンと連絡先を同期する機能が無い。Bluetoothで、ヘッドセットなどに接続できるが、連絡先の転送には使えない。今後の改善を期待したいところだ。
少し厳しいかなと思うのは、LTE非対応で、3Gも2100MHz帯(Band1)にしか対応していないところ。この周波数帯はNTTドコモ、ソフトバンクともに主力の周波数帯ではあるが、都市部の屋外を中心に利用されている。地方や建物内では電波の入りが悪くなると予想される。待受時間が72時間とやや心もとなかったり、充電に専用のアダプターを利用する必要があるなど、小ささゆえの不便もある。
だが、このカード型の小さな筐体で通話にテザリングまでできてしまうのは、純粋に楽しい。カバンなりスマートフォンなりにストラップとして取り付けておけば、サッと取り出して話のネタになるし、予備回線を入れておけばいざという時にテザリングが役立ちそう。自分なりの使用シーンを想像したくなる端末だ。