アップルが「iPhone 5」発表、日本で9月21日発売
米Appleは、日本時間9月13日早朝に米国・サンフランシスコで発表会を開催し、iPhoneシリーズの最新モデル「iPhone 5」を発表した。4インチのRetinaディスプレイを搭載したほか、高速通信のLTEにも対応。日本ではKDDI、ソフトバンクモバイルが提供予定のLTEサービスに対応する。また、日本では米国など9カ国と同じ9月21日に発売される。予約は9月14日より受け付ける予定。
「iPhone 5」 |
米国での価格は16GBモデルが199ドル、32GBモデルが299ドル、64GBモデルが399ドルと案内されている。以前のモデルは「iPhone 4S」の16GBモデルが99ドル、「iPhone 4」が端末代金無料で継続して販売される。
iPhone 5は、現行モデル「iPhone 4S」をベースとしながらもディスプレイを大型化。iPhone 4Sの3.5インチ、960×640ドットに対して、4インチ、1136×640ドットのRetinaディスプレイを採用した。ディスプレイの大型化により、アプリアイコンの配列は従来の縦4列から5列に拡張している。
搭載されるOSはiOS 6。13日に米国で発表された内容によれば、地図アプリはGoogle マップではなくApple独自アプリに変更されたほか、Twitterに続いてFacebookもiOSで標準サポート。写真や現在位置、Game Centerの情報をFacebookへ投稿できるほか、Facebook上のプロフィール情報をiPhoneの連絡先アプリケーションに統合できる。フォトストリームを特定のユーザーと共有できる「共有フォトストリーム」、チケットやクーポンなどを統合管理できる「Passbook」といった機能も搭載。従来機能もFaceTimeが3Gに対応する、Siriでアプリケーションを起動できるといった機能向上が図られている。
本体サイズは58.6×123.8×7.6mm(幅×高×厚)で、iPhone 4Sの9.3mmから18%薄型化。重量も112gで、iPhone 4Sの140gから20%の軽量化を実現した。CPUは「A6」チップで、前モデルのA5チップよりもCPU、グラフィック性能ともに2倍向上しているという。
カメラはiPhone 4Sと同様に8メガピクセルで裏面照射型CMOSセンサーだが、機能面では新たに240度までのパノラマ撮影機能、動画撮影中の静止画撮影機能、動画撮影時の顔検出機能を搭載。撮影スピードも従来比40%の高速化が図られている。インカメラはVGA画質のiPhone 4Sと比較して1.2メガピクセルへとスペックを向上、720pのHD動画撮影が可能になった。
通信方式はW-CDMAとGSM、CDMAに加え、新たに高速通信のLTEもサポート。iPhone 4ではGSMモデルとCDMAモデルの2種類が存在し、iPhone 4Sでは1つのモデルでGSMとCDMAに対応していたが、iPhone 5ではGSMモデルが2種類(うち1つは北米向け)、CDMAモデルが1種類の、合計3種類が用意される。W-CDMA(UMTS)はGSMモデルでサポートし、iPhone 4SのHSPAと比較して新たにHSPA+、DC-HSDPAをサポート。CDMAモデルもCDMA EV-DO Rev.Aに加えて、新たにRev.Bもサポートする。
LTEは、米国でSprint、AT&T、Verisonに対応するほか、日本国内で展開されるモデルは、ソフトバンクモバイルとKDDIが提供するLTEに対応するとWebサイト上で明らかにされている。iPhone 5の米国発表時点では、ソフトバンクモバイル、KDDIともにLTE対応サービスの詳細は未定としている。
SIMカードのサイズは変更され、従来のmicroSIMよりも44%の小型化が図られた「nanoSIM」を新たに採用。これまでのmicroSIMは装着できない。
このほかの通信機能としては、無線LANがIEEE802.11a/b/g/nとなり、新たに5GHz帯のIEEE 802.11aをサポート。IEEE 802.11nの通信は2.4GHz帯、5GHz帯ともに対応し、最大150Mbpsの通信が可能。BluetoothはiPhone 4Sから引き続きLow Energy対応のBluetooth 4.0で、位置測位システムもiPhone 4Sと同様、GPSとGLONASSに対応する。
Dockコネクターも変更され、これまでの30ピンタイプから小型の8ピンタイプに改められた。新たなコネクターは「Lightning」という名称で、従来の30ピンコネクタと直接の互換性はないが、30ピンから8ピンに変換する「Lightning 30ピンアダプタ」が用意される。
バッテリー駆動時間は、通話時間が3Gで最大8時間、インターネット利用時はLTEと3Gがともに最大8時間、無線LANが最大10時間、連続待受時間が最大225時間。iPhone 4Sと比較すると通話時間は同じだが、インターネット利用時は2時間、無線LAN利用時は1時間、待受時間は25時間の駆動時間向上が図られた。ボディカラーはブラック&スレートとホワイト&シルバーの2色展開。
■iPod touch、iPod nanoも進化
iPhone 5の発表に合わせて、「iPod touch」「iPod nano」も新モデルが発表された。いずれもiPhone 5同様に新型の8ピンコネクター「Lightning」を採用する。発売はともに10月で、価格はiPod touchの32GBモデルが2万4800円、64GBモデルが3万3800円、iPod nanoが16GBモデルのみで1万2800円。
第5世代となるiPod touchは、iPhone 5と同様1136×640ドット、326ppiの4インチディスプレイを搭載。本体サイズは58.6×123.4×6.1mm(幅×高×厚)、重量は88gで、前モデルの厚さ7.2mm、重量101gと比べて薄型・軽量化が図られた。
CPUはiPhone 5に搭載の「A6」ではなく、iPhone 4Sで搭載していた「A5」を搭載。これまでのiPod touchよりも2倍の高速化が実現された。カメラは5メガピクセルの裏面照射型センサーで、1080pのフルHD動画撮影をサポート。インカメラも1.2メガピクセルのセンサーを搭載し、720pのHD動画が可能になる。
無線LANはiPhone 5と同様に最大150MbpsのIEEE802.11a/b/g/nで、新たに5GHz帯のIEEE802.11aをサポート。Bluetooth 4.0を搭載するが、GPSは非対応。無線LAN経由で位置情報を検出するサービスが利用できるほか、「Nike+」も標準で対応する。
本体カラーはブラック、ホワイト、ブルー、イエロー、ピンクの5色。背面には専用のストラップ「iPod touch loop」装着用のループが用意され、外側のボタンを押してループをスライドすることでiPod touch loopを装着できる。
バッテリー駆動時間は音楽再生が最大40時間、ビデオ再生が最大8時間で、充電時間は高速充電が約2時間でバッテリー容量の80%を充電可能。完全充電は約4時間が必要になる。
「iPod touch」 |
第7世代iPod nanoは、39.6×76.5×5.4mm(幅×高×厚)と、第6世代の40.9×37.5×8.78mmと比較して縦長のデザインとなり、第5世代のデザインに近づいた。重量も重量31gと、第6世代の21.1gより若干重くなっている。
ディスプレイは240×432ドット、202ppiの2.5インチ。新たにBluetooth 4.0をサポートし、Bluetooth対応スピーカーやイヤフォンへ、ワイヤレスで音声の出力が可能。Nike+や歩数計といった機能も備える。
バッテリー駆動時間は音楽再生が最大30時間、動画再生が最大3.5時間。USB経由で充電し、約1.5時間で80%の急速充電が可能。完全充電時間は3時間。
本体カラーはスレート、シルバー、パープル、ピンク、イエロー、グリーン、ブルーの7色展開。アップルストア限定のPRODUCT REDも用意される。
iPod touchは前モデルも継続して販売されるほか、iPod shuffleはモデルチェンジせず継続して販売される。第4世代iPod touchは16GBモデルが1万6800円、32GBモデルが2万900円、iPod shuffleは2GBモデルが4200円で販売される。
iPod nano |
2012/9/13 03:13