ソフトバンク、「時空間情報」ルール作りでiPhone利用の実証実験


 ソフトバンクテレコムは、総務省のサイバー特区(ICT利活用ルール整備促進事業)におけるテーマの1つ「時空間情報に関わるルール整備に向けた研究調査」を受託し、iPhoneを活用した3つの実証実験を2010年2月より順次スタートする。

 「サイバー特区」は、さまざまな分野でICT技術の応用を推進する際に、法制度や慣習など制度的な課題を検証、解決を目指す総務省のプロジェクト。今回、ソフトバンクテレコムでは「時空間情報に関わるルール整備に向けた研究調査」を受託し、iPhoneを使った実証実験を行う。

 同社では、携帯電話の普及・進化により、行動を支援する性質が生まれつつあるものの、プライバシーや個人情報保護、「通信の秘密」などとの関係を整理する必要があると指摘。早稲田大学理工学術院の小松尚久教授を委員長に、有識者による委員会を設置して、位置情報や行動履歴の取り扱いについて、ユーザーの権利・利益などを害さない形などを検証していく。

 委員会での議論を進めながら行われる実験は、2月より順次開始される。iPhone 3GS/3Gを利用するとのことで、「緊急時の公的サービスにおける時空間情報の利活用に関するルールのあり方」「通常時の公的サービスにおける時空間情報の利活用に関するルールのあり方」「拡張現実(AR)上のルールのあり方およびセキュリティリスクの検証」について実験するという。

 ソフトバンクテレコムによれば、携帯電話のGPS機能を活用すれば、「誰がどこにいて、いつ何をしていたか」といったデータを把握できるようになる中、プライバシーなどを守りながらサービスを構築するために必要なルールを検証していくという。実験は各1000人程度の規模で行われ、3月24日までに総務省へ報告する。なお、慶應義塾大学とAR Commonsが渋谷で行う実験「SHIBUYA COLLECTION 2010 SPRING」は同実験の一環になるという。

 

(関口 聖)

2010/2/3 16:38