WiMAX/CDMAのデュアル対応データ通信端末展示


 KDDIおよび沖縄セルラーは、9月30日、モバイルWiMAX方式とCDMA方式に対応したデータ通信カード「DATA01」「DATA02」「DATA03」「DATA04」の開発を発表、12月以降に発売するとアナウンスしている。10月19日に行われたauの秋冬春モデルの発表会では、これらデータ通信端末のデモなどが行われた。

 頭に「DATA」の付く4モデルは、USBタイプの「DATA01」「DATA03」と、ExpressCardタイプの「DATA02」「DATA04」の2種類に大別される。定額制と従量制の2つの料金プランによって、定額制が「DATA01」と「DATA02」、従量制が「DATA03」と「DATA04」と型番が変わっている。同形状の端末は、本体カラーこそ違えどハードウェア的には同じもので、定額制の「DATA01」と「DATA02」には、CDMA方式で大量に通信した場合に通信網の負荷を軽減する速度制限のソフトウェアが搭載される。

 KDDIの端末はこれまでUSBタイプのものが登場しておらず、USBタイプを求める声が大きかったという。従来、法人を中心にデータ通信端末を展開していたが、今回のラインナップはコンシューマー向けにもアプローチできるものとしている。

 なお、料金プラン等については、年末近くに登場するとしており、今回の発表会でも詳細は明らかにされなかった。定額制プラン、従量制プランのいずれも、WiMAXの利用料金とCDMAの利用料金を含めた、1つの専用料金プランとして用意される。

 「DATA01」「DATA02」「DATA03」「DATA04」は、通信エリアが拡大途上のモバイルWiMAXを、CDMAが補完するのが特徴。モバイルWiMAXのエリア圏外では、IPアドレスを維持したまま自動的にCDMA方式でダイヤルアップ接続が行われ、モバイルWiMAXエリア内に戻るとまたモバイルWiMAXに繋ぎ直される。モバイルWiMAXのエリアが拡大すればするほど、KDDIのCDMA網への負荷が軽減されることになる。

 ただし、会場の説明員はCDMAとWiMAX間の再接続を極力行いたくないと語っており、データ通信端末のソフトウェアは、CDMAからモバイルWiMAXエリアに入ってもすぐに接続するような設定にはならない見込み。これは、モバイルWiMAXの電波が弱いエリアへの配慮という。電波の弱いエリアではWiMAXとCDMAの接続を繰り返し、なかなか通信が確立できなくなってしまうためだ。

 このほか、データ通信端末の販売方法について、イー・モバイルのデータ通信端末のように、ネットブックなどとのセット販売などは行わない方針が示された。会場のモバイルWiMAXのデモでは、通信速度計測サイトで12Mbps程度の速度と計測された。

 



(津田 啓夢)

2009/10/19 17:05