セコムと連携できる児童向け端末「mamorino」
「mamorino」(マモリーノ)は、防犯機能を中心とした児童向けの端末。発売時期は未定。
セコムとの協業により、防犯・緊急対応サービス「ココセコム」がサポートされた京セラ製の端末。携帯電話としての機能は、指定した相手との通話・メールが中心で、EZwebサイトの閲覧も行えない。一方で防犯ブザー機能やココセコムへの自動通報機能などを搭載している。主なターゲットは小学校低学年からの児童で、「初めてのケータイ」として機能をあえて限定して搭載している。児童以外にも、高齢者介護などの分野での利用も想定している。
■防犯ブザーと連動したココセコムへの自動通報機能
本体上面のスイッチストラップを引くと、防犯ブザーが作動するとともに、即座にセコムに自動通報がされる。通報と同時にGPSなどで測位が行われ、その結果もセコムに通知される。セコムは通報を受けると、オペレータが通報した端末と通話を開始するほか、契約時に登録した保護者の連絡先への通話も行う。ここで保護者による要請があれば、ココセコムの現場急行サービスも利用できる。
mamorinoは通常の端末と同じ契約が可能。EZweb契約も必要になる。プランEシンプルとEZweb契約を行った場合、基本的な月額料金は780円+315円=1095円となる。従来の端末でココセコムを契約する場合、ほかにココセコムの月額基本料金が必要だったが、mamorinoの場合は特別にココセコムを月額料金無料で利用できる。このほか家族割などの割引サービスも利用することが可能。ただしGPSの測位には通信が必要で、この通信にかかる費用は利用者の負担となる。
また、ココセコムによる位置情報検索にはインターネット経由で1回105円(月に2回までは無料)、電話経由では1回210円がかかり、現場急行サービスを利用した場合は1回あたり1万500円(1時間まで)がかかる。
auとしての契約だけで、ココセコムとの契約は無料だが、契約手続きは必要。auショップならばauとの契約のついでにココセコムとの契約も可能だが、それ以外の量販店などでmamorinoを購入した場合、別途書類やインターネットでの契約手続きが必要になる。
■テンキーのないシンプルなストレート形状
本体はストレート形状で、スライド機構などはない。操作部としては、カーソルキーと3つのワンタッチダイヤルキー、切断キー、側面キーがあるだけで、テンキーなどは搭載しない。
通話とメールの送受信は、あらかじめ登録された4件の連絡先とだけ行える。登録されていない連絡先からの通話やメールは着信もできない。4件のうち3件はワンタッチキーで発信やメール作成ができる。残りの4件目はメニューの中から発信やメール作成が行える。
これら4件の連絡先登録など各種設定は、保護者のみが使える保護者用メニュー内で行う。メールはEメールかCメールを利用できる。デコレーションメールの送受信には対応しない。4件の連絡先としては、2件が両親、1件が自宅の固定電話、1件が学校の連絡先などを想定しているという。連絡先を家族割の適用されるものに限定すれば、通話料金を節約することが可能。
EZwebのコンテンツなどは一切見られないが、保護者用のメニューではオンラインでメールの設定やココセコム申し込みなどが行える。
音声通話は、着信時にキー操作をしないでも自動的に通話を開始するようにも設定できる。通常はどのキーを押しても通話を開始する、いわゆるエニーキーアンサー仕様。Cメールなどで外部から強制通話開始モードに切り替えるような仕組みも検討しているという。
音声通話は、ハンズフリーでも行える。ハンズフリー時は、マイクは本体のものを使うが、スピーカーは本体背面の着信音などを発音するスピーカーを使う。
メールは定型文のほか、専用のソフトウェアキーボードでの文字入力も可能になる。発表会での展示ではモックアップのみだったが、実機では利用者を想定したシンプルでわかりやすいメニューが用意されるという。このほか、側面キーを押すと指定した連絡先に居場所のメールを送る機能も搭載している。また、安心ナビにも対応している。
■本体は防水、電源やブザーも本格仕様
本体は防水仕様となっている。防犯ブザーは背面に専用のスピーカーを内蔵し、音量は10cmで105デシベル。「安心ジュニアケータイ K001」では10cmで93デシベルだったため、それに比べると大幅に音圧が増えている。さらに本体の両側面にはLEDライトが内蔵されていて、暗くなると自動で点灯させるなどの設定も可能。
電源を切る操作は、保護者用メニューからしか行えない。電池を外すには専用の工具が必要。専用工具は同梱されるほか、航空会社へも配布され、保護者を伴わない飛行機搭乗時などにも対応するという。
電池が切れそうになると、自動的にワンタッチキー1番に登録された連絡先へ、充電を促すメールが送信される。本体には切断キーがあるが、このキーは通話を終了するときにしか使わず、たとえばGPS測位アプリなどの動作を中断・終了することはできない。
本体の下端にはストラップ穴が用意されている。このストラップ穴をランドセルのベルト肩部にある金具に接続するためのフックをパッケージに同梱することを検討しているという。auではmamorino本体をランドセルのベルトに接続することを想定していて、すぐに防犯ブザーを作動させられたり、そのままハンズフリーで通話できるようにデザインされている。
ディスプレイは約2インチのQVGA液晶。大きさは約86×46×18mm(暫定)で、重さは未定。連続待受時間などは未定。ボディカラーはきいろとあおの2色が用意される。
2009/10/19 12:06