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《発表会レポート》JR東の「teppay」が始動、2万円超決済だけでない「Suicaの枠組みを超える」サービスの狙いとは
2026年10月20日 16:36
JR東日本のコード決済サービス「teppay」(テッペイ)の提供が20日に始まった。交通系ICサービス「Suica」とのシームレスな連携が大きな特徴の1つで、同社グループの商業施設でもコード決済が開始されるなど、同社経済圏内のユーザーには大きなインパクトのあるサービスだ。
20日には、都内で報道発表が行われ、同社担当者があらためてサービス内容を説明した。また、ゲストとしてシソンヌの長谷川忍も駆けつけ、サービスの魅力をアピールした。
teppayってどんなサービス?
「teppay」の特徴は大きく3つある。「2万円を超える買い物」と「バリュー(残高)の受け渡しができる」「鉄道(モバイルSuicaチャージ・定期券購入)にも利用できる」の3点だ。
Suicaではこれまで2万円を超える残高を持つことができなかったため、電子マネーとしての利用に制限があった。teppayでは残高の制限が緩和されたため、2万円以上の商品も購入できるようになる。
また、Suicaアプリから利用でき、アプリを使えばteppayユーザー同士で残高の受け渡しができる。食事代の割り勘や、離れた子供への仕送り、緊急時の送金などにも利用しやすい。
また、残高はSuicaのチャージ時に利用できる。teppay残高で定期券も購入できるので、子供の通学定期を購入する際に、現金ではなくteppayの残高を送付して定期券を購入することもできる。
長谷川が体験
実際にシソンヌの長谷川が、teppayを使った決済を体験した。サービス開始時刻(11時)よりも前でデモ機を使用した体験だったが、長谷川は「世界で一番早くteppayで決済する」と意気込む。同社グループの商業施設「ニュウマン高輪」内の店舗で、長谷川は好みの商品を手に取り、早速レジでteppayによる決済を体験した。
長谷川は、teppayユーザー同士で残高をやりとりする機能や、モバイルSuicaへのチャージ機能など決済以外の機能も体験。モバイルSuicaへのチャージでは「よく見知った画面」と長谷川はコメントし、モバイルSuicaアプリとのシームレスな統合をアピールした。
提供の狙い
提供の狙いを同社執行役員マーケティング戦略部Suica・決済基盤構築ユニット長の牧野達朗氏は「Suica経済圏の変化」を挙げる。2001年の「乗車券」としてのサービス開始から、「電子マネー(SF、Stored Fare)」サービス、モバイルSuica、全国相互利用などこれまでもサービスを拡充してきたが、その一方、コロナ禍やキャッシュレス決済の普及など、社会情勢の変化を受け「Suicaも社会の変化に対応していく必要が出てきた」と牧野氏は指摘する。
これまでSuicaが担ってきた「乗車券」と「少額決済」という枠組みから、生活のあらゆるシーンで利用できるサービスに変化するため、同社は中長期的な取り組み「Suica Renaissance」を推進している。今回の「teppay」はこの取り組みの一環だといい、「Suicaの当たり前を超えるサービスにする」と牧野氏は意気込んだ。
報道公開後、同社マーケティング戦略部Suica・決済基盤構築ユニット決済・金融事業部長の髙松奈帆人氏が、記者らの囲み取材に応じた。
teppayは、Suicaを進化させるサービスとしてモバイルSuicaへ搭載されている。コード決済市場は成熟しているように見えるが、コード決済単独で競い合うというよりは、Suicaを起点に複数の決済サービスを組み合わせて利用してもらいたいと話す。
たとえば、Suicaの電子マネー決済はタッチするだけで素早く決済できるが、2万円までの残高に限られ、高額な買い物や残高の受け渡しができない。teppayはSuicaでは埋められない需要を補い、あわせて移動データと高額商品を含む購買データを組み合わせることで、新たな価値を創出していく。
一方、Suica残高の上限2万円については、今回の取り組みに限らず上限を超えられるようにする検討は継続しているという。
気になるポイント
囲み取材では、気になるポイントもいくつか聞けた。
クレカ連携は「ビューカード」のみ、残高送付はチャージ手段問わず
まず、連携できるクレジットカードは、ビューカード発行のクレジットカードに限られる。現状、ほかのカードへの展開予定はないといい、ビューカードを保有しないユーザーに向けては、銀行口座からのチャージを利用して欲しいという。
なお、残高送付機能は、チャージ手段に関わらず利用できる。たとえば、定期券代としてビューカードでチャージした残高を子供に送付できる。ただし、資金移動業としてのサービスではないので、残高の出金はできない。
teppayポイントとJREポイントの統合予定はなし
teppayでは決済額の0.5%がteppayポイントで還元される。一方、同社グループでは共通ポイント「JRE POINT」が運用されている。
同一グループで運営している以上、ポイントシステムの一本化が期待されるが、髙松氏は「統合予定は現時点でない」とコメントする。
その理由を髙松氏は「モバイルPASMO」との関係だと説明する。「teppay」は、来春から「モバイルPASMO」上でも同様のサービスを開始する。そのため、「teppay」が「モバイルSuica」だけでなく「モバイルPASMO」としてのサービスになるため、独立したポイントシステムになったという。
不便なことだけでなく、2つのサービスをまたいだメリットもある。「teppay」は、来春からモバイルPASMOのユーザーも利用できるようになるため、「JR東日本沿線のユーザー」と「地下鉄/私鉄沿線のユーザー」どちらも利用しやすいサービスとなる。たとえば、親はJR東日本をよく利用するが、子供は私鉄沿線の学校に通っているという場合は、teppayを通じて残高をモバイルSuica/モバイルPASMOどちらにも送付できる。
東日本のユーザーを中心に全国での利用にも期待
「teppay」のサービス展開地域について、髙松氏は「全国のユーザーにも届けられている」と指摘する。
全国のJR(四国を除く)は、独自の交通系ICカードを展開しており、そのうちいくつかはコード決済サービスも展開している。ただし、交通系ICカードのいわゆる“モバイル化”を初めて実施したのはSuicaだったとし、「関東圏のユーザーが中心だが、(関東以外の)全国にもモバイルSuicaを利用するユーザーがかなりいる。それらのユーザーに対しても「teppay」が利用できる」と髙松氏は指摘する。
また、JR北海道でも来春から「モバイルSuica定期券」が導入されるため、北海道のユーザーにもリーチできると語った。


















