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「楽天ビジネスカードプラチナ」10月1日提供開始、楽天グループとみずほFGが挑む中小企業決済の変革

左から、楽天グループ代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏、楽天カード代表取締役社長の中村晃一氏、みずほフィナンシャルグループ執行役社長の木原正裕氏、UPSIDER代表取締役社長の宮城徹氏

 楽天カードは30日、みずほフィナンシャルグループ傘下のUPSIDERと共同開発した法人向けクレジットカード「楽天ビジネスカードプラチナ」を発表した。10月1日から申し込み受付と発行を開始する。

 2024年11月に楽天カードとみずほ銀行は業務提携契約を締結しており、今回のカードはその取り組みの一環だという。

中小企業向けに独自の与信ノウハウやアプリのUI/UXで差別化

「楽天ビジネスカードプラチナ」を掲げる楽天カード代表取締役社長の中村晃一氏

 法人の事業状況に応じた独自の与信モデルで、最大10億円の限度額を提供し、スタートアップや中小企業において決済額が大きくなるシーンでも安心して利用できる。また、主要な会計システムと自動で連携し、利用明細の取り込みや仕訳作業の効率化を図れる。

 用意されているスマートフォンアプリからは、利用明細やカード情報が確認できる。カード利用時の領収書を撮影しアップロードすれば、カードの決済内容と連携し、紐付けている会計サービスに自動連携するため、経理処理の負担を軽減できる。

 年会費は無料で、決済額の1%が楽天ポイントで還元される。このほか、以下の特典が付帯する。

  • 楽天市場でポイント還元率3倍
  • 楽天トラベルでポイント還元率3.5倍
  • 楽天モバイルの音声+データ無制限プランの契約で毎月250ポイント還元
  • 楽天ペイメントで新規加盟店契約すると楽天ペイターミナルが1台無料
  • GO BUSINESSでのカード決済で楽天ポイント還元率2.5倍
  • Visaビジネスオファー

 このほか、海外旅行と国内旅行保険、不正利用時の補償などが付帯する。

三木谷氏「法人向けでも日本最大級のカード会社に」

楽天グループ代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏

 楽天グループでは、2000年代からフィンテック事業に参入している。2003年に証券、2005年にクレジットカード事業に参入。その後、銀行や生命保険、損害保険事業に参入し、グループ全体の売上(2.5兆円)のうち35%がフィンテック事業を占めている。

 楽天グループ代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は、楽天証券について「引き継いだときは30万口座程度だったが、まもなく1500万口座に到達する。国内最大級の顧客基盤だと言っても差し支えないだろう」と私見を述べる。

 楽天グループでは、フィンテック事業の強化に向けて、フィンテック経済圏のラインアップ拡充や、楽天市場やトラベル、モバイルなどとのクロスユースの促進、AIの活用や法人事業、パートナー連携による経済圏拡大に努めている。

 みずほ銀行との提携では、2024年に「みずほ楽天カード」の提供を開始。三木谷氏は「最近とても調子がいいと聞いている」とその成果をアピール。ほかにも、楽天証券では「SpaceX」のIPO取り扱いを実現するなど、さまざまな方面での提携を進めている。

 その中で、今回の取り組みは法人市場への積極的参入になると三木谷氏は話す。

 楽天カードがこれまで強かった個人向け決済と比較し、法人の決済は規模が格段に大きいにもかかわらず、日本で法人間のクレジットカード決済利用率は低い。三木谷氏は「米国や欧州では法人カードでの支払いが多い。日本市場ではここに大きな可能性がある」と指摘する。

 楽天グループでは、楽天市場やトラベル、ビューティ、楽天ポイントの加盟店を中心に90万社の法人と取引している。これらにアプローチをかけることで、楽天カードが「法人向けでも国内最大級のクレジットカードになる。ぜひ、期待して欲しい」と三木谷氏は自信を見せる。

決算書だけではないアプローチで中小企業を開拓

UPSIDER代表取締役社長の宮城徹氏

 今回の「楽天ビジネスカードプラチナ」について、発行主体は楽天カードで、UPSIDERはシステムなどを提供する。

 UPSIDERは、スタートアップや中小企業向けに法人カードを発行している。従来のスタートアップ向けのクレジットカードでは、代表者個人の与信を行って発行するのが一般的で、数十万程度の利用枠でカードが発行されていた。また、法人の与信をする場合、過去3期分の決算書などが必要で、安定した経営状況なのか数週間の審査期間が必要となっていた。UPSIDERでは、銀行と連携し日々の出入金データから独自の与信モデルにより、これまでよりも短い審査期間で大きな与信枠を出せる。

 「楽天ビジネスカードプラチナ」では、UPSIDERでこれまで築いてきた与信モデルやプラットフォームを利用するかたちになる。UPSIDER代表取締役社長の宮城徹氏は「これまで決済を捌くプラットフォームを提供する企業はあったが、アプリや与信審査、カスタマーサポートまでを提供するものはなかったのではないか」と指摘。提携カードの枠組みでは叶わなかったニーズにも応えられ、パートナーの強みを生かし、差別化されたサービスを提供できると話した。