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病院・薬局の受付でスマホタッチ、パナソニックが新型マイナ保険証リーダー発表

 パナソニック コネクトグループは、マイナンバーカードの健康保険証利用(マイナ保険証)に対応した顔認証付きカードリーダーの新モデルを発表した。新たにスマートフォンに内蔵したマイナンバーカードにネイティブ対応したほか、PC機能を内蔵し、別途PCを接続する必要がなくなった。

パナソニックの医療機関向け新型顔認証付きカードリーダー

 病院や薬局の受付でマイナ保険証を使って手続きする際に、物理マイナンバーカードで顔認証するだけでなく、スマートフォンをかざすだけで保険資格の確認ができるようになる。

 医療機関・薬局向けで、発売は8月24日から。価格は37万9500円。専用外付けテンキーも用意され、発売は10月、価格は1万8700円となっている。

スマートフォンのタッチだけで認証が可能

スマホのタッチで簡単に病院受付

 マイナ保険証では、マイナンバーカードのICチップに保管された電子証明書を使ってオンライン上にある情報にアクセスして、費用の3割負担などの保険資格を確認する。本人確認のために、ICチップ内の顔写真を取得し、カードリーダー正面にいる人物の顔と照合してマイナンバーカードの所有者本人であることを認証する(マイナンバーカードの4桁の暗証番号入力で代替することも可能)。

今までは目視で情報を読み取って後から確認を行っていた保険資格が、この仕組みでリアルタイムに確認可能になった

 さらに、iPhoneのマイナンバーカードとAndroidのスマホ用電子証明書搭載サービスを活用することで、同じ機能がスマートフォンにも搭載されている。iPhoneの場合はFace IDやTouch IDの生体認証で、Androidは4桁の暗証番号で本人を認証してリーダーにタッチすれば、同様にオンラインで資格を確認できる。

病院や薬局などだけでなく、利用者側にもメリットのある仕組み

 こうした機能を実現するために病院や薬局に設置されているのが顔認証付きカードリーダーで、1社の製品を除いてこれまで、スマートフォン対応のために外付けのカードリーダーを使う必要があったが、今回の新機種では新たにスマートフォン用のリーダーを本体に内蔵した。

 本体の形状やデザイン、サイズ感は従来の製品を踏襲。奥行きなどわずかにサイズアップしているが、ほぼ同等の設置スペースに本体を置くことができる。外付けカードリーダーが不要になるため、設置スペースは削減できる。

サイズ感はほぼ同等。マイナンバーカードの挿入口のデザインは従来通りだが、ランプの位置を変更するなどの改良も加えられている

 さらにこれまで、オンライン資格確認のためには外付けのPCが必要で、推奨ノートPCなどをUSBで接続して受付の裏などに配置しておく必要があった。このオンライン資格確認機能を内蔵したことで、PCとの接続も不要になり、LANケーブルで院内のネットワークに接続することで機能が使えるようになった。PC接続の制約がなくなることで設置の自由度も増し、複数台のカードリーダーをコンパクトに設置できるようになった点も機能強化点だ。

現行モデルに比べて設置面積を大幅に削減し、設置場所の自由度も向上する

 ネイティブのスマートフォン対応に伴い、UIも改善。最初に物理カードかスマートフォンかの選択肢を設け、スマートフォンを選んだ場合はディスプレイ横のスマートフォン用リーダーが青く点灯して、画面にはアニメーションを表示することで、次の動作に迷わないように設計した。

画面と青いランプでスマートフォンのタッチ位置が分かりやすい

 実際の利用時は、スマートフォンを選んだあとはAndroidかiPhoneかを選択し、Androidの場合は電子証明書に設定した4桁の暗証番号をリーダーの画面に入力してからリーダーにタッチ。iPhoneの場合は、Appleウォレットからマイナンバーカードを呼び出して生体認証を行った上でリーダーにタッチする。

 従来通り物理カードを使う場合は、最初にマイナンバーカードを選択するほか、画面で選択しなくてもそのままカードリーダー部にカードを置くことで読み取りが始まるので、そのまま顔認証を行う形になる。なお、スマートフォンを選んだ場合は物理カード用リーダーの読み取り機能はオフになるので、スマートフォンを物理カード側に差し込んでも反応はしない。

他に顔認証の精度・速度も向上させた

 PCを内蔵するために内部の部品やレイアウトを変更。カメラを薄型化・小型化するといった変更が行われている。ただし、カメラ自体の性能向上もあり、性能はむしろ上がった。また、アルゴリズムの改善によってなりすまし対策もさらに強化されているという。

 これまでパナソニックのリーダーでは1台のカードリーダーにつき、オンライン資格確認用のPC1台を接続する必要があり、複数台のPCを用意しなければならず、複数機材導入、配置の自由度に課題があった。今回は同等のオンライン資格確認機能を持つPCを内蔵することで、こうした課題の解決を図った。初期設定などではキーボードを接続する必要はあるが、組み込み機器向けのWindows 11 LTSCを搭載し、LAN経由でのリモートログインも可能となっている。

 背面には新たにインジケーターを搭載。障害を検知すると赤く光るため、受付のスタッフがランプの状態を見て問題を把握し、受付の患者に声をかけられるようになるといった配慮も備えた。

背面のインジケーターで状況を確認可能に

 専用外付けテンキーにより、特に車椅子のユーザーのようにカメラ位置が高くて顔認証がしづらく、暗証番号を入力する場合に、手元で操作することができる。また、視覚障害者など、画面の数字をタッチすることが難しい場合にも、物理キーでの入力が可能になる。

 また、画面のUIを変更してより分かりやすくしたほか、音声案内機能も追加し、音声ガイドによる操作案内も可能になっている。

操作性の向上なども図られた

 新モデル投入の背景には、初代の顔認証付きカードリーダーに設定されていた5年間の無償保証期間が、早いところだと2026年3月末から順次切れること、従来型の紙の健康保険証が2026年7月末で使えなくなることでマイナ保険証の利用がさらに拡大するなどがあり、現状の課題と今後のニーズを踏まえて新機種の投入を決めた。

 同様にスマートフォン対応を含めた新機種の投入が予定されており、すでにキヤノンマーケティングジャパンが発売している。それに続く投入となる。国は第2世代の発売に合わせて購入に際しての補助金も用意しているが、今回の新機種はPCを内蔵するため価格は上がっており、補助金額は今後決定する見込み。

 同社の顔認証付きカードリーダーは12.7万台が導入されている。対象となる医療機関・薬局は22万強のため、複数台を導入する病院があるとしてもかなりのシェアを誇る。新機種は、まず新規開業の施設をターゲットにするが、順次保証期間切れの施設の置き換えや既存施設の増設も狙っていく考えだ。