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国立競技場が「MUFG スタジアム」に、運営参画のドコモは「通信・決済超えた未来の共創拠点」目指す
2025年10月15日 17:37
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が、国立競技場のパートナーとして事業に参画する。これに伴い、国立競技場の名称が「MUFG スタジアム」に変更される。今後、スポーツに限らない多様なイベントの誘致や地域との連携など、新しいスタジアムの価値創出に向けて進む。15日、国立競技場を運営するジャパンナショナルスタジアム・エンターテイメント(JNSE)による事業戦略発表会が開催された。
MUFGがパートナーとして参画
2026年1月から、新呼称であるMUFG スタジアムとなる。MUFGが国立競技場の「ナショナルスタジアムパートナー」第1号に決まったことから、新たな呼称が制定された。略称は「MUFG 国立」。MUFG スタジアムは呼称であり、正式名称としては国立競技場のまま。広告を排除するクリーンスタジアム規定などで求められれば、国立競技場の名称が使用される。
MUFGの資産を活用して、スポーツイベントの興行に限らない多様なイベントの開催や地域貢献への取り組みを進める。今後の取り組みとして「国立競技場の価値向上」と「社会課題の解決」の2分野に分かれる。
MUFG 取締役 代表執行役社長の亀澤宏規氏は「世界トップレベルのナショナルスタジアムという目標、KOKURITSU NEXTのコンセプトに共感し、パートナー就任を決めた」と、ナショナルスタジアムパートナー就任の背景を説明。「ビジネス基盤、グループ・グローバルの総合力というMUFGの強みを活かして次世代育成、環境保全、文化交流、地域連携などを推進する」とした。
競技場への先端設備導入や技術開発支援、さらに実証実験の場としての活用を視野に入れる。また、スタートアップの支援や地域連携も進める。MUFGでは、社員の保養施設を一般に開放してスポーツ教室などを開催しており、今後は国立競技場でもそうしたイベントの開催を検討する。
MUFG 代表執行役専務の高瀬英明氏は「スポーツ・エンタメの発展だけではなく、次世代育成、環境保全、文化交流、地域連携、事業共創で関連するステークホルダーとともにナショナルスタジアムとして貢献していく」と語った。
周辺商店街との連携で、国立競技場来場者が街を周遊する仕組みの確立や教育の場としての提供、地域住民が参加できる健康プログラムなども描く。スタジアムの機能としては、大型ビジョンを活用した総合演出システムの構築やリボンビジョンの増設など、ICT機能も強化する。
パートナープログラムには、MUFGのようにネーミングライツが得られる「トップパートナー」のほか教育や文化、次世代支援など事業に参画する「オフィシャルパートナー」の2種類がある。今後、2026年度中に複数社のパートナー締結を目指す。
26年からJNSEによる施策が本格化へ
国立競技場では「KOKURITSU NEXT」を「2026年からの本格運営フェイズを象徴」するキーワードとして掲げる。
2026年1月に「MUFG スタジアム」として動き出す。その後、4月にはホスピタリティエリアを刷新。3階には、既存の15室のスイートルームに加えて48室のスイートルームを新設、ピッチレベルにも5室のスイートルームを設ける。
ジャパンナショナルスタジアム・エンターテイメント(JNSE) 代表取締役社長の竹内晃治氏は「年間120日以上のイベント開催と延べ260万人規模の集客を目指す」と展望を示した。
ドコモ「未来の共創拠点目指す」
JNSEを設立した企業の1社にはNTTドコモが含まれる。同社 代表取締役社長の前田義晃氏は、国立競技場はこれまで公共性を重視する運営がなされてきたとしたうえで「民間(JNSE)が主体となることで、その歩みを受け継ぎながらより柔軟かつ創造的に価値を生み出し、社会に還元できる」と、今後への期待感を示す。
また、国立競技場はドコモのベニュー事業(イベント・スタジアムなど特別な場所を軸とした事業)の最重要拠点のひとつと位置づけ「都市、地域、市民をつなぐ場所として社会課題とドコモの技術、サービスを交差させる未来の共創拠点」として、次世代に向けたスタジアムの価値と可能性を開発するとした。
「MUFG スタジアム」の呼称は2026年1月から適用される。同年4月にはドコモが主催する音楽イベント「docomo presents THE MUSIC STADIUM 2026 organized by ONE OK ROCK」が催される。
























