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楽天が示す“増やす”活用術、ポイントでつくる新しい資産形成
2025年10月10日 18:18
楽天グループは、ポイント運用およびポイント投資に関するセミナーを開催した。テーマは「ポイントで賢く増やす資産形成術」。楽天の各種サービスの紹介に加え、ポイ探代表取締役の菊地崇仁氏がポイント活用の実例を紹介した。
年末に高まる資産形成意識、背景に物価高
年末年始は、1年の資産運用を振り返り、翌年の計画を立てる好機とされている。総務省の家計調査(2024年)によると、12月は冬のボーナスや年末手当などで収入が増える一方、クリスマスや帰省、旅行などの支出も重なり、年間で最も収入・支出がともに増える時期となっている。こうした収支の変動が大きい時期は、家計を見直し、将来の資産形成を考えるきっかけにもなっている。
特に近年は物価高が長引く一方で、給与の伸びが鈍い経済環境が続いており、「家計のやりくりが大変」と感じる家庭が増えている。こうした中で、家計管理や資産形成への関心は年々高まっている。楽天が提供する家計管理アプリ「楽天家計簿」が6月に実施した調査では、物価高対策として「投資をする」と答えた人が、「収支の可視化」や「クーポン活用」を上回り最も多い結果となった。ポイントが今や現金と同じように、家計を支える重要な資産価値として認識されていることがうかがえる。
ポイント活用は「増やす」フェーズへ
ポイント活用には、「もらう」「使う」「増やす」という3つの基本要素がある。これまでのポイント活動は、買い物などで「もらう」、支払いで「使う」が中心だったが、最近では運用や投資などで「増やす」に注目が集まっている。
楽天が実施した経済圏利用に関する調査でも、メインの経済圏を選ぶ理由として「もらいやすさ」「使いやすさ」に加え、「増やしやすさ」が上位に入った。ポイントの“増やす”機能を提供する企業は増えており、楽天グループも運用・投資・ビットコイン・利息・楽天株など、ポイントを活かす多様なサービスを展開している。
「楽天PointClub」ポイントを“ポイントのまま”増やす5つのサービス
楽天グループは、「楽天PointClub」を通じて、ポイントを“ポイントのまま”増やせる5つのサービスを提供している。
代表的なのが、2018年に始まった「楽天ポイント運用」。楽天証券で取り扱う投資信託の基準価格に応じてポイント数が変動し、利用者の約95%がポイントを増やしている。100ポイントから始められ、1ポイント単位で引き出せる。
2024年9月に登場した「貯めトクモード」は、機能をオンにするだけで利息のようにポイントが増える仕組みで、楽天ポイントクラブアプリ利用者の約6割が利用している。操作不要で「勝手にポイントが増える」手軽さが支持を集めている。
また、2024年開始の「ポイント楽天株」は、楽天グループの株価に連動してポイントが増減する仕組みで、気軽に“持株体験”ができる。2021年に始まった「楽天ポイントビットコイン」では、ビットコインの価格変動に合わせてポイントがリアルタイムで増減し、値動きを楽しみたい人に人気がある。さらに、2024年6月に提供された「楽天ポイント定期」は、貯金感覚で利用でき、年利0.5%の利息が得られるサービスとなっている。
ポイントを活用し現金資産へ
楽天証券では、ポイントを活用して資産を現金化できるポイント投資サービスを展開している。対象商品は業界最多で、投資信託、国内株式、米国株式、バイナリーオプションのすべてに1ポイント=1円から利用できる。
投資信託は100円から購入できるため、100ポイントあれば現金を使わずに投資を始められる。現金との併用も可能で、NISAにも対応。国内株式や米国株式では積み立て設定もできる。
さらに、2024年に始まった「かぶピタッ」は、金額を1円単位で指定して100円から日本株を購入できるサービス。NISAの非課税枠を無駄なく使い切ったり、家計管理に合わせて定額投資をしたりするのに適している。このサービスを提供しているのは、現時点で楽天証券のみ。
楽天証券では、クレカ決済や楽天キャッシュによる投信積立などでポイントを貯めることもでき、貯める・使う・運用するのサイクルを1つのプラットフォームで完結できる。実際に、同社で投資を行うユーザーの約6割がポイントを使って投資しており、ポイントと投資の相性の良さが表れている。
菊地氏が語る、楽天経済圏の強みと初心者へのアドバイス
菊地氏は、楽天経済圏の強みについて、サービス名が「楽天〇〇」と名称が統一されているためわかりやすく、もらう・増やす・使うのサイクルが効率的に回ることと語る。自身もSPUやキャンペーンを活用し、最大20倍ほどのポイントを獲得しているという。通常ポイントは100ポイント貯まるごとに投資へ回し、期間限定ポイントは楽天モバイルの支払いなどに充当するなど、バランス良く活用している。
また、資産運用初心者にとって、ポイント運用やポイント投資は現金が減らないため、値動きを体験しながら投資に慣れる練習として最適と説明。ポイント運用は増減してもポイントとして戻り、ポイント投資は売却時に現金化できる点が異なるとし、まずは運用から始めて慣れることを勧めた。
菊地氏の例では、2024年1月から始めたNISA運用(クレカ積立・楽天キャッシュ積立・ポイント投資の組み合わせ)によって、約10カ月で約20万円の含み益が出ているという。ポイントを上手に活用すれば、資産を着実に増やしていける可能性があることを示す事例となった。
































