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ワイヤレスゲートが音声SIM、ヨドバシに即日開通カウンター
8キャリアのMNP開通に即日対応
(2015/4/14 11:39)
ワイヤレスゲートは、MVNO型通信サービス「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE」に音声通話プランを追加し、全国のヨドバシカメラの店舗とヨドバシカメラのオンラインショップで4月28日から販売を開始する。また、ヨドバシカメラでは、5月中旬より順次、MVNOを含むSIMカードの即日開通カウンターを全国のヨドバシカメラに設置する。
「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE 音声通話プラン」
「ワイヤレスゲート Wi-Fi+LTE」は、NTTドコモのLTE(Xi)ネットワークを利用したMVNO型の通信サービス。全プランで公衆無線LANサービス「ワイヤレスゲート Wi-Fi」を利用できる。従来はデータ通信専用のSIMカードのみの提供であったが、4月28日より新たに、音声通話に対応したSIMカードの提供を開始する。
利用料金は、通信速度が常時250kbpsに制限されたプランで月額1300円(税込、以下同)。3GBまでの高速で利用できるプランが月額1700円、5GBのものが月額2300円、8GBのプランが月額3500円。
音声通話プランでは珍しく、最低契約期間や違約金の設定がない。MNP(転入・転出)に対応し、転出の際の手数料は1万1880円。
通信速度に上限のあるプランで月内にデータ通信料を使い切ってしまった場合、通信速度が250Kkbpsに制限される。200MB当たり540円の追加料金を支払うことで、高速通信を利用可能。通話料金は30秒あたり21.6円。
SIMカードサイズは標準、micro、nanoの各サイズに対応。支払いはクレジットカードのみ。全プランでSMSに標準対応する。
プラン | 料金(税込) | LTEの月間通信容量 | LTEの通信速度(理論値) | 通話料金(税込) | SMS |
---|---|---|---|---|---|
1300円プラン | 月額1300円 | 無制限 | 250kbps | 21.6円/30秒 | 対応 |
1700円プラン | 月額1700円 | 3GB | 150Mbps | 21.6円/30秒 | 対応 |
2300円プラン | 月額2300円 | 5GB | 150Mbps | 21.6円/30秒 | 対応 |
3500円プラン | 月額3500円 | 8GB | 150Mbps | 21.6円/30秒 | 対応 |
「ヨドバシカメラ SIMフリーカウンター」の設置
ワイヤレスゲートの音声通話プランの提供とあわせて、ヨドバシカメラ店舗内にSIMカードの開通サービスに対応したカウンターが設置されると発表された。
「SIMフリーカウンター」は、5月中旬に秋葉原のヨドバシカメラ マルチメディアAkibaに設置されるものを1店舗目として、順次拡大していく方針。
カウンターでは、複数のキャリアを比較したプランの提案、設定・開通作業、アフターサービス業務などを扱う。
サービス開始直後の取扱い予定キャリアは、ワイヤレスゲートのほか、ワイモバイル、UQモバイル、U-mobile、フリーテルモバイル、ニフティ、OCN、ビッグローブの8社。
取扱いキャリアでは新規契約、MNPの即日開通に対応し、新規契約では最短30分で開通作業を行うという。
解約金なしで「障壁を極大までさげる」
14日には都内で発表会が開催され、ワイヤレスゲート代表取締役CEO 池田武弘氏、ヨドバシカメラ常務取締役 日野文彦氏が登壇し、プレゼンテーションを行った。
ワイヤレスゲートCEOの池田氏は、「複数の通信サービスをワンストップで提供したい」というワイヤレスゲートのコンセプトを示し、これまでのサービスを踏まえ、音声通話対応プランの提供に至った経緯を説明した。
池田氏によると、これまでのワイヤレスゲートのサービスは、公衆無線LANサービスや、使い放題のWiMAX、データ通信対応のSIMカードなど、基本的にデータを多く使うユーザーをターゲットとして展開してきたという。
データ通信に力を入れてきたワイヤレスゲートが、音声通話対応のSIMカードの提供を決めたきっかけは、「音声通話がほしい」という顧客の声が増えてきたためと話す。
現在いわゆる格安SIMといわれるサービスを提供するMVNO各社では、音声通話対応SIMカードに対し、6カ月や1年といった最低契約期間を設けるのが一般的であるが、ワイヤレスゲートSIMにおいてはその設定がない。これにより、池田氏は、「お客様の障壁を極大までさげることができる」としている。なお、MNP転出手数料については、契約期間にかかわらず1万1880円と、MVNOの競合他社より比較的高めの設定となっている。
「SIMフリーカウンター」の設置を決めたのはユーザーの声
次に登壇したヨドバシカメラで販売本部長を務める常務取締役、日野文彦氏は、現場の実感として、格安SIMサービスに対するニーズが非常に大きくなっていることを語る。
ヨドバシカメラの店舗では、SIMロックフリー端末へのニーズが拡大しているとともに、自宅で眠っている端末を有効活用したいという相談も受けることが多いという。
ニーズの高まりに対し、現状のSIMフリー売り場では十分な対応ができていないとして、その要因を(1)複数のキャリアを比較したプラン提案がないこと、(2)複数のキャリアを開通できるサービス提供がないこと、(3)アフターサービスが不十分であること、の3つを挙げる。
こうした課題を解決するものとして、「ヨドバシカメラ SIMフリーカウンター」を順次各店舗に設置し、顧客の要望に応えていくという。
日野氏は「今年はおそらくSIMフリー元年と言っても過言ではない。SIMフリーに関連したさまざまなサービスが出てくるだろう。ヨドバシカメラでは、そうしたサービスにいち早く対応していく」と意気込みを明かす。
多くのサービスや端末の中から顧客に最適なものを提案
発表会の終了後に行われた囲み取材では、ワイヤレスゲートの池田氏と、ヨドバシカメラの「SIMフリーカウンター」の担当者による質疑応答が行われた。そこでは、主に「SIMフリーカウンター」についての質問が多く聞かれた。
ヨドバシカメラでは、SIMフリー市場の盛り上がりにともなって、最近では、ITリテラシーの比較的低い層からも、SIMフリー端末やMVNOなどのいわいる格安SIMについて相談を受けるケースが多くなった、とカウンター設置の背景を説明する。
「SIMフリーカウンター」では、ワイヤレスゲートの音声対応・データ専用SIMをはじめとして、今回取扱いが発表された8社のSIMカードから、顧客に合ったサービスを提案していくという。
対応8社についての扱いは一律で、ワイヤレスゲートやワイモバイルなどであっても特別扱いせず、あくまで顧客の相談に応じた中から最適なものを提案するとしている。
また、8社の音声対応SIMカードのMNP転入手続きにも対応し、最速30分での即日開通が可能としている。
対応キャリアに含まれていない、日本通信やIIJについては現在交渉中だとしており、順次対応キャリアを拡大していきたいと話す。
取り扱う端末については、市場で販売されているものの多くを網羅したいとしており、ZenFoneのような海外製のものから、フリーテルのような日本企業のものまで、幅広いラインナップの中から提案していくという。
SIMカードと端末とのセット販売については、「SIMフリーのメリットは多くの回線と端末の組み合わせから選べること」として、カウンター提供開始時の取り扱いはない予定。