ドコモが過去最大の純減、MNPも13万の転出――9月の契約数

　電気通信事業者協会（TCA）と携帯電話事業者各社は、2013年9月の携帯電話・PHS契約数を発表した。

iPhone発売、各社の動向は

　携帯電話の契約数では、KDDIが23万2700件、ソフトバンクモバイルが27万700件の純増で、ソフトバンクは21カ月連続で純増1位となった。一方、NTTドコモは6万6800件の純減を記録。この件数はドコモにとって最も大きな純減という。

　MNP（携帯電話番号ポータビリティ）の利用件数を見ると、auは11万800件、ソフトバンクが2万2700件の転入超過（プラス）となり、24カ月連続でauがMNP月間1位となった。またドコモは13万3100件の転出超過（マイナス）を記録した。8月よりも転出数は約1万2000件減少したが、引き続き10万件を超えるマイナス。ソフトバンクのMNP転入数は今年度で最も低い数値だが、ソフトバンクでは「過去のiPhone発売時期では、2年前で6600件、昨年で1200件のプラスだった」としており、今回は過去と比べれば一桁多い状況を維持した。

【3事業者のMNP】

　ドコモは、正式発表前に「iPhone発売」と報道されたことを受けて、買い控えの傾向となり、販売が鈍化したと分析。さらにiPhone発売後も、在庫が不足し、予約のみ受け付けていることから契約数には結びついていないとしている。転出超過を招いた背景として「他社の販売施策の強化により高止まりした状態」としており、キャッシュバックなど他キャリアの実施した取り組みが影響した、としている。

　auは、iPhone発売にあわせてエリアの充実度をアピールしたことが、多くのユーザーへ伝わったことで、純増・MNP増に繋がったと分析。旧機種であるiPhone 5は、新しいiPhoneと比べて800MHz帯に非対応ながら、安さとネットワークを比べてユーザーが選択している、と説明する。またコンテンツサービスの「auスマートパス」の契約数が800万件を超え、Android夏モデルへの機種変更を促すキャンペーンの実施などが解約率の低減に繋がったとしている。

　ソフトバンクモバイルでは、新しいiPhoneが発売されたものの、在庫薄のため、9月の販売動向への影響は限定的、との見方を示している。そのため、概況はこれまでと同様で、大きな変化はないとしている。

UQは四半期単位での公開へ、WCPが200万件突破

　PHSサービスのウィルコムは、4万1500件の純増（3Gを含めると5万8400件の純増）となり、累計契約数は過去最高を更新した。

　BWA（高速無線ブロードバンド）のUQコミュニケーションズは1万200件の純増となった。前月の純増数（4000件）は上回ったものの、WiMAX対応スマートフォンが市場から姿を消したことなどが影響したためか、以前ほどの勢いはない格好だ。10月末からは新サービス「WiMAX2+」がスタートする予定で、今後の契約数が注目されるところだが、同社では今回をもってTCAを通じた契約数の開示を終了。今後は3カ月に一度、四半期ごとに公表する方針。このためWIMAX2+の契約数を含むUQ全体の契約数は、次回、来年1月ごろに判明する見込み。

　同じくBWAサービスを提供するWireless City Planning（WCP、ソフトバンクグループ）は17万4800件の純増となり、累計契約数が200万件を突破した。

【携帯電話：各グループごとの加入者数および総計】

【通信方式別：加入者数】

【内訳：通信モジュール契約数】

【内訳：インターネット接続サービス契約数】

【内訳：プリペイド契約】

【PHS：加入者数】

【BWA：各グループごとの加入者数】