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「Amazfit」のZepp Healthが日本市場に積極攻勢 価格と品質で新たな選択肢を示す
2024年7月30日 20:18
「健康意識」にテクノロジーでリーチする
Zepp Healthは2013年に中国で設立。当初はシャオミと提携して製品を展開したが、現在その関係は解消しているという。本社機能は米国カリフォルニア州に構える。新型コロナウイルスの世界的大流行もあり、健康に関する意識が高まりを見せるなかで大きく事業が伸長した。
同社がアピールするのは「健康」に関する性能だ。Zepp Health ジャパンゼネラルマネージャーの薗部晃二郎氏は「ウェアラブルデバイスを通して健康意識を高めてもらう、健康になってもらうのが1番の目的」と語り、そこから得られるデータをもとに「最終的には人々の健康にどう貢献するかがビジョン」と話す。
民間調査会社の調べによれば、国内のスマートウォッチ市場は2024年に500万台超、2026年に600万台規模に達する見通し。薗部氏は、市場全体としては落ち着きつつある状態に入っていることは否めないとしつつも、どうメリットを伝えていくかが重要としてさらなる市場の拡大を図りたい考えを示した。
価格と品質で新たな選択肢に
薗部氏は、健康維持のためにスマートウォッチを使うと答えた人が10%程度しかいないという別の民間調査会社の調査結果を示したうえで、ここにチャンスがあると見方を述べる。
Zepp Healthが狙うのは、市場全体でも手にしやすい価格帯のシェア。日本で多数派を占めるアップル(Apple Watch)やガーミン、Fitbitを傘下に持つグーグルの製品は比較的高価なものが多い。薗部氏は「手に取りやすく品質が良いものがなければ市場は伸びない」として、価格と品質のバランスを取り、消費者に新たな選択肢を提示したい考えを話した。
同社では主力の5製品を8月1日に値下げする。「Amazfit Balance」は3万9900円から3万4900円に、「Amazfit Cheetar Pro」は4万4900円から2万9900円に、「Amazfit Cheetah」は3万9900円から2万4900円に、「Amazfit T-Rex Ultra」は5万9900円から4万9900円に、「Amazfit Active Edge」は1万9900円から1万7900円となる。
スマートリングやLLM搭載サービスも進化
今後、描くビジョンとしては大規模言語モデル(LLM)を活用するアシスタント「Zepp Flow」の進化がある。Zepp Flowは対応するAmazfitのスマートウォッチで利用でき、OpenAIの「GPT-4o」を統合する初の音声操作サービスとうたう。
アラームやタイマーの設定、LINEなど特定のAndroidアプリでの返信、スポーツモードの起動などを音声で操作できる。スマートフォンやスマートウォッチの画面を操作してスクロールやタップを繰り返す、という必要がなく時短につながるなどのメリットがある。
今後、メッセージの読み上げや会話の翻訳、Zepp Healthが手がけるサービスのAIとの対話などといった機能拡充が予定されている。
10月ごろを目処に日本法人を立ち上げる予定で、より日本市場に適した戦略への転換を図る。あわせて、著名人を起用したPRの計画や同社初のスマートリング「Amazfit Helio Ring」の発売も予定されている。