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XRグラス利用の観光ガイドや持ち運べるローカル5G、SHARP Tech-Dayで公開

 シャープのイベント「SHARP Tech-Day」でXRグラスを活用した観光・ビジネスのソリューションや運び込むだけでエリア化できるローカル5Gのソリューションなどが展示されている。

観光、ビジネス、日常に溶け込むXR

 シャープの子会社Dynabook(ダイナブック)が提案するのは、XRグラスを活用した観光や日常利用、ビジネスに向けたソリューション。

 グラスをかけることで、観光地におけるガイドの役割を果たす仕組み。眼前にある観光名所のほか店舗の情報が視線をそちらに向けるだけで浮かび上がる。デモでは施設名などが表示されるのみだったが、視線操作で詳細を確認できるなどの機能も目指したいという。日光下でも可視性の高い表示かつ外も見やすいデバイスの実現や情報表示のため事業者との連携が必要という。サービス化については検討中としている。

 また、ノートパソコンの作業性を向上させる拡張デスクトップの機能のほか、会話を文字起こしする機能も。AIによる自動文字起こしのほか、翻訳にも対応しており、会話相手に何かを尋ねられた際にその返事の候補を表示するというユニークな機能も披露された。グラスに写った文章を要約する機能もあわせて、日常生活を便利にするためのサポートとして提案する。

パソコンと連携するARグラス。パソコン左側のディスプレイはグラスに表示される内容を映し出している
グラスに表示される内容。翻訳や手元のチラシなどの内容の要約も
会話内容から返事を提案する

持ち運べる「ローカル5G」

 可搬型のローカル5G「Instant 5G Network」は、キャリーバッグにローカル5Gの仕組みを一式詰め込み、持ち運びやすくした。

 専用の防水型キャリーバッグに、コア設備や基地局設備のほか、アプリケーションサーバーとバッテリーを組み込んだ。SHARP Tech-Dayでは、災害時にドローンで被災者の捜索に利用するイメージで展示。人と車両をAIで認識する仕組みを備えており、迅速な救助に寄与する。

左=本体。右=デモ画面。人は赤枠で、車両は青枠で囲われており視認しやすい

 一方で、バッテリー駆動のみならず電源への接続も可能。長期間、一定の場所で通信が必要であれば、本格的な設備を組むことも検討されるが、短期間の一時的な利用ではInstant 5G Networkの手軽さがメリットになる。イベント会場や工事現場などでの一時的に通信が必要な場所での利用など幅広い用途に対応できることをアピールする。現在、詳細な仕様の検討など開発を進めており、2024年4月以降の提供を目指す。