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ドコモなど、40GHz帯で複数のユーザーが移動していても無線伝送品質を維持する実験に成功

 NTTとNTTドコモ、日本電気(NEC)は、複数の基地局アンテナを分散配置する40GHz帯分散MIMOで、マルチユーザー伝送技術により、移動する場合でも静止時と同じ無線伝送容量を実現する実証実験に成功した。

 イベント会場や工場などで、XR端末や無人搬送車あど多数の無線端末が集まる環境でも、40GHz帯分散MIMOで安定した大容量無線伝送が実現できる可能性があるという。

 屋内の29m×15mのエリアに基地局として14台の分散アンテナを設置して、4台の無線端末が移動する環境を模擬した分散MIMO公営の実験系を構築し実証実験を行った。

狭いビームを活用したマルチユーザ伝送技術

 実証実験では、ビーム幅の狭いアナログビームを分散アンテナと無線端末の双方に適用し、受信レベルが高い状態で維持できるように、分散アンテナと無線端末、ビームの組み合わせを選択するマルチユーザー伝送技術を実施した。

 従来の技術では、無線端末が移動する場合無線伝送容量が10分の1に低下した野に対し、実証実験の結果、無線端末の静止時の無線伝送容量を維持することを実証した。

 また、無線端末の移動先を予測し、電波が遮蔽される前に適切なアンテナ・ビームを選択することにより、40GHz帯分散MIMOが遮蔽環境でも安定した大容量無線伝送を実現できることも実証した。

 今後は、分散MIMOの実現化に向けて、多数端末が実在する駅前やイベント会場などで実証実験を進め、さらに高い周波数帯の分散MIMOの適用・拡大を検討するとしている。