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世界の5G契約数は22年末までに10億件超え、エリクソン・ジャパンのレポート

 エリクソン・ジャパンは22日に報道陣向けの説明会を開催し、11月に発表された「エリクソンモビリティレポート」のハイライトを紹介した。

 説明会には同社チーフ・テクノロジー・オフィサー(CTO)の藤岡雅宣氏が登壇し、5G通信の普及状況などについて語った。

藤岡氏

2028年には5Gが過半数に

 「エリクソンモビリティレポート」により、通信業界に関する調査結果を2011年から発表しているエリクソン・ジャパン。今回のレポートでは、世界における5G通信の契約数が、2022年末までに10億件を超える見込みであることが示された。

 2028年には50億件となり、4G LTEなどを含めたすべての契約数の過半数を占めるという。

5Gの加入数は、4G LTEサービスよりも急速なペースで伸びている

北米や北東アジアで普及が進む5G

 地域別に見ると、5Gの普及が特に進んでいるのは北米と北東アジア。これらの地域では、2022年末までに、5G加入数の割合が通信全体の約35%に達すると予想されている。

 東南アジアやオセアニアなどでも5Gの普及は進んでおり、東南アジアでは2028年にモバイルデータ通信の6割が5Gになるという。

 藤岡氏は日本における5Gの現状についても言及。日本におけるSub-6の5G基地局密度は、韓国や台湾などよりも低い。また、5Gのスループットの中間値も、先述の2カ国や中国と比べて低くなる傾向にあるという。

 「日本の5Gの状況は他国に比べて少し遅れているような印象があるが、理由として考えられることは」という質問に対し、藤岡氏は「一番大きいのは設備投資が遅いことかなと思う。また、風圧や耐震関係といった制度の問題や、新型コロナウイルスの影響でモバイルのトラフィックがあまり増えていないことの影響もある」と回答した。

増え続けるデータ通信の量

 2022年第1~3四半期における全世界のスマートフォン出荷台数は、前年同期比で約10%減という結果になった。エリクソン・ジャパンは、「スマートフォン市場全体がマイナス傾向のなかでも、5G端末の出荷台数は底堅さを見せている」とする。

 今後は、5G端末やXR(拡張現実)などの普及とともに、データ通信の量が増えることが予想される。全世界におけるスマートフォン1台あたりのデータ使用量の月間平均は、2023年には19GBとなり、2028年末には46GBに達する見込み。