ソフトバンクと京セラ、5Gミリ波によるバックホールシステムの実証実験に成功

　ソフトバンクと京セラは、5Gのミリ波を活用したバックホールシステムについて、実証実験に成功したことを発表した。同実験は、2022年1月～4月まで、東京都あきる野市で実施された。今後は、5Gネットワークの敷設が困難なエリアでの活用が期待される。

　今回用いられたバックホールシステムは、O-RAN Allianceのフロントホールの仕様に準拠したドナー局（親局）と、アクセスエリアを構成する中継ノード局（子局）間のバックホール回線を、5Gのミリ波で接続するもの。

ドナー局／中継ノード局

　ドナー局から260m離れた中継ノード局と、1270m離れた中継ノード局の2局が設置され、5Gのコアネットワークサーバーから通信端末までの接続試験が実施された。

　結果として、CU（集約ノード）／DU（分散ノード）サーバーから通信端末まで、エンド・ツー・エンドで接続できることが確認された。また、晴天時だけでなく、降雨や降雪時でも、ドナー局から1km以上離れた距離をバックホール回線で安定して接続できたという。

実証実験の構成イメージ

　このバックホールシステムは、地形などの影響で5Gネットワークの敷設が困難なエリアで、工事期間の短縮やコストの削減に寄与することが期待される。

　京セラとソフトバンクは、低消費電力化や運用自動化などの課題に対して検討を進めるほか、さまざまなニーズに対応できるシステムを検討していくとしている。