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「楽天キャッシュ」が投信積立やセブン銀行ATMからの現金チャージに対応へ
2022年6月17日 00:00
電子マネーで投資が可能に
楽天キャッシュによる投信積立の上限額は月5万円。楽天証券が取り扱う、すべての積立対象商品で楽天カードからの楽天キャッシュ利用金額に対して0.5%分の楽天ポイントが付与される。最低取引単位は100円以上1円単位。
対象の口座は、特定口座、一般口座、NISA口座、つみたてNISA口座。つみたてNISAの場合は、毎月の上限額が3万3333円となる。
このほか、楽天カードからのチャージの手間がなくなるオートチャージ機能「残高キープチャージ」をあわせて導入する。指定した任意の金額以上に楽天キャッシュの残高を自動で保つもので、1時間に1回のペースで残高を確認。残高が指定した金額以下になると自動的にチャージされる。
楽天カード単体でも投資信託積立が可能だが、楽天キャッシュも併用するとそれぞれで5万円ずつ、毎月最大10万円分をキャッシュレスで積立できる。さらに、楽天カードからのチャージで0.5%、投信積立での楽天キャッシュ利用額に対して0.5%(2022年中限定)が還元され、最大で1%のポイント付与を受けられる。
キャンペーンも
今回のサービス開始を記念して「決済スタートダッシュキャンペーン」を実施する。エントリーは7月12日まで。
エントリー期間中に、キャンペーンにエントリー、積立設定期間(6月19日~7月12日)と積立約定期間(8月1日~8月31日)に取引を実施すると、総額100万円分の楽天キャッシュを対象者に山分けして付与する。
1人あたりの最大金額は100円分。付与時期は10月末頃を予定している。
楽天キャッシュとは
楽天ペイメント 執行役員 戦略室長の諸伏勇人氏は、楽天キャッシュの概要と今後の展開について説明した。
「楽天キャッシュ」は、楽天ペイメントが展開する電子マネーのひとつで、クレジットカードからチャージすると「楽天ペイ」などの決済で利用できる。楽天会員であれば、別途の利用登録などは必要なく、手軽に利用できることがメリット。楽天ラクマの売上金や暗号資産からのチャージなどを他社に先駆けて実現してきた。
諸伏氏は「楽天ポイントはお金で買えない。もらったときに嬉しいと思ってもらえるもの。楽天キャッシュはお金と同じ。ポイントとは性質が異なるが、使い方は楽天ポイントと同じように使えるようにした」と楽天ポイントと楽天キャッシュの違いを説明する。
楽天ペイからのチャージ額は大きく伸びており、2021年の実績では前年比で146%増を達成。2022年についても順調な成長を見せているという。
楽天Edyとは共存
楽天グループの電子マネーとしてはすでに「楽天Edy」が先行しているが、同サービスではプラスチックカードを発行し、スマートフォンを持たない子供や高齢者でも使いやすいという特徴がある。
楽天キャッシュと楽天Edyは、今夏にも相互交換が可能になる予定。楽天ペイメント 楽天キャッシュ事業推進室 副室長の鍋山隆人氏は両サービスの統合の可能性について「すべてをひとつにまとめるよりも、ニーズに合わせて幅広く提供していく。その中で、今回の相互交換のようにより使い分けやすい、使いたい方に移行できる仕組みとした」という。
加えて同じく今夏に、セブン銀行ATMでの現金チャージにも対応する予定となっている。セブン銀行ATMの設置台数は全国2万6000台以上。鍋山氏は外部サービスとの連携について「楽天サービスを使い始める入り口になる。これにより楽天会員を増やし楽天エコシステム内でサービスを使うハブとして楽天キャッシュを使ってもらえれば」と語る。
5月に発売した「楽天ギフトカード」は全国7万5000店舗で取り扱われており、これと合わせて全国10万カ所以上で、楽天キャッシュへの現金チャージが可能とアピールする。
携帯大手各社が、新たな収益の柱として注力する金融分野。そうした中で諸伏氏は、楽天グループの強みを「他社では複数のIDが必要というケースがあるが、楽天はひとつのIDですべてのサービスを利用できる。この体験が一番大切でグループとしての優位性。ポイントも量・質ともに支持されている」と語る。
さらに「ひとつのIDでシームレスに使える、そのときにもらえる対価が一番嬉しいポイント。それを金融、コマース、携帯電話なんでも楽天でできるようにしていくのがグループとしてのミッション」とした。
鍋山氏は具体的な数字は明かせないとしつつも、楽天キャッシュの今後の成長について「今回の楽天証券やセブン銀行との取り組みを通して、2021年同様大きな成長を継続していきたい」と熱意を示した。