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auスマパスプレミアム会員なら配達料無料、KDDIとmenuのタッグが目指す未来とは

 KDDIとmenuは、auスマートパスプレミアム会員を対象として配達料を無料とする新たな施策を発表した。

左=KDDI 大野氏 右=menu 佐藤氏

 新たに発表された施策では、auスマートパスプレミアム会員であればmenuの配達料が無料になるほか、利用金額の10%が還元されるキャンペーンも合わせて実施される。

auとmenuが相互に影響

 KDDI パーソナル事業本部 サービス統括本部 副統括本部長の大野高宏氏がこれまでの両社の取り組みを説明した。

 大野氏は、強大な市場規模を持つ外食産業の一端を担うmenuについて「au経済圏の中でも非常に大切な領域」と位置づける。両社がこれまで取り組んできた施策の中には、au PAYやスマートパスプレミアムと連携したキャンペーン、1品無料やクーポン配布など店舗向け、配達員(クルー)向けのものがあり、いずれも好評を博したという。

 menuはどうau経済圏へ影響をもたらしているのか。大野氏によれば、menuがきっかけでau IDを連携したというユーザーは半年間のうちに約5倍増加。au PAYの決済額も取引数が同程度の店舗と比較して、単価が2倍ほど高いという。

 加えて、auサービスがmenuにどう影響しているかも明かされた。au IDを連携しているユーザーは連携無しのユーザーと比較して初回注文率がおよそ1.6倍、注文単価はおよそ1.3倍、3カ月継続注文率がおよそ3.6倍といずれも積極的にmenuを利用していることがうかがえる。

店舗拡充や独自施策

 さらにmenuでも他社では取り揃えていない店舗の拡充や人気TVアニメとのコラボレーションで独自性をアピールする。

 フードデリバリーサービスは、料理を運ぶのが主体ではあるものの昨今では、日用品や食料品などを運ぶケースも多い。menuにおいてもコンビニやスーパー、ドラッグストアなどの加盟店が連なっている。menu 取締役の佐藤裕一氏は「ユーザーのニーズに合わせて(店舗を)増やしていきたい」と語った。

 フードデリバリーサービスをめぐっては、ウーバーイーツなどが躍進する一方で、フードパンダやDiDi Foodなどが撤退、新たにドアダッシュが参入するなど激しい争いが続いている。

 こうした状況の中、menuはどう立ち向かっていくのか。佐藤氏は、外資系企業の苦戦は、日本独自の文化や商圏の形成に外国企業が馴染みにくかったことを指摘。米国や欧州と比較して、人口や店舗の密度が高い日本の場合、マッチングさせるのが難しかったのではないかと分析した。

 配達員の確保に苦労する企業も多かったとした上で、menuでは日本人の感覚に合う報酬体系を構築したほか、営業部隊による自社での店舗開拓やKDDIとの連携などで安心感を高め、店舗からの信頼を獲得できたと日系企業としての強みをアピールする。

生活に定着するフードデリバリー

 今後、新型コロナウイルスが収束するに連れてフードデリバリーは需要減退する可能性も見込まれるが、ドアダッシュなどが順調な伸びを見せていることから大野氏は、今後もこの流れは続くと予測を述べる。

 「スーパーのほうがペットボトル飲料は安いが、便利さや時間を買うという意味で(高くても)すぐに行けるコンビニで買う文化が根づいている」として、こうした利便性に価値を感じてもらえることがあるのでは、とした。

 また、女性の社会進出や共働き世帯のサポート、運転免許を返納した高齢者など買い物難民への対応といった社会課題解決にも結びつくとして、「ものを運ぶ利便性は価値がある。コロナは利用してもらうきっかけで今後市場は大きくなっていく。日本ではまだ外食産業の数%だが、海外では10%以上の市場にもなっている。そういう意味ではポジティブに考えている」とした。

 加えて、今後増加が見込まれる訪日客向けにホテルと連携し、「到着日は疲れたから部屋からデリバリーを」といった仕組みも考えられ、いろいろな機会がある領域とコメントした。

 佐藤氏は、集客の新たなかたちであることを説明。飲食店の集客率はコロナ以前と比べても7~8割。失ったユーザーは中食に流れていることも多く、フードデリバリーは生活に定着したと語る。

 また、店舗としても席数以上に売り上げられるため、店舗経営で課題になりがちな、集客の改善につなげられる。「デリバリーやテイクアウトの活用でビジネスを伸ばすというのが、大きな選択肢になってきており、このまま定着していくと考えている。ユーザーや飲食店と一緒にこのマーケットを伸ばしていく事が必要」と語った。