ニュース

スマートフォングローバル市場、2022年第1四半期において前年同期比7%減少に

 カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチ(カウンターポイント)は、Market Monitor サービスによるスマートフォングローバル市場の最新調査を発表した。2022年第1四半期は前年同期比7%減少し、3.28億台の出荷となったという。

 この結果の要因は、今も続く部品供給不足と、四半期前半のCOVIDの再拡大、四半期後半のロシア-ウクライナ戦争にあるとしている。前四半期と比較すると、12%の減少だという。

 トップ5社のうち、コロナ前の第1四半期の出荷水準を確保できたのは2社だけで、そのうちの1社がサムスンだ。

 サムスンは、2022年第1四半期に7400万台を出荷し、前年同期比の落ち込みはわずか3%だった。フラグシップ機種の発売は2月末(昨年より1ヵ月遅い)で、しかも前身機のS21シリーズよりも高価格(BOM上の部品原価は逆に低い)にもかかわらず、消費者の反応は良好で、前四半期より7%出荷が伸びた。

 Appleの2022年第1四半期スマートフォン出荷は、2021年第1四半期と同程度の5900万台となった。iPhone 13の根強い需要と、SEシリーズとしては初の5G対応機を早く発売したことが功を奏した。この結果、市場が縮小する中でAppleのシェアは2021年第1四半期の17%から18%へと増加した。四半期の出荷台数は前四半期より28%減少したが、これは主に例年の季節性の傾向だという。

 Xiaomiのグローバルでのスマートフォン出荷は、2022年第1四半期に前年同期比20%減の3900万台となり、シェアは昨年の同四半期の14%から12%へと下落した。これは、Redmi 9Aと10Sの売れ行きがそれほど良くなかったことに加え、Xiaomiはチップ不足のダメージが他社よりも大きかったことが原因だという。同社は中国の春節商戦でもふるわず、世界最大のスマートフォン市場である中国でのシェアは15%を下回った。

 OPPOの2022年第1四半期の出荷は、前年同期比で19%、前の四半期比で9%減少し、3100万台となった。部品供給不足が影響したという。また、オフライン(路面店)チャンネルを重視する戦略だったことと、大型の新製品投入がほとんどなかったこととが響き、COVID-19オミクロン株流行の影響を特に強く受けたという。

 特に同社の主要市場であるインドで影響が大きく、その結果、同社のシェアは2021年第1四半期の11%から9%へと低下した。

 vivoの2022年第1四半期の出荷は、前年同期比で19%、前四半期比で3%減少し、シェアも昨年同四半期の10%から9%へ低下した。vivoも、OPPOと同様、部品供給不足の影響が昨年末からより厳しくなっているという。また、vivoの出荷台数の大半を占める、数量の出る価格帯での競争が激化していることも要因であり、このため中国国内ではAppleに代わるトップスマートフォンブランドとして好業績の同社も、世界全体への出荷数量は減少した。

 カウンターポイントのリサーチディレクターJan Stryjak氏は、当該市場の状況に関して、ロシア-ウクライナ戦争がスマートフォン市場の回復に向けた新たな懸念材料となっていると言う。

 2022年第1四半期には、スマートフォングローバル出荷に戦争の影響はほとんどなかったが、今後、原材料の供給量低下、価格高騰、さらなるインフレ圧力、あるいは他社のロシア撤退といった事態が発展すると、その影響がいろいろな形で大きく現れるかもしれないと述べている。