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初の「電力ひっ迫警報」、あらためて知っておきたいスマホの節電機能と設定

 22日の電力需給状況がひっ迫しているとして、経済産業省、東京電力が節電を呼びかけている。

 22日夕方以降、停電の可能性も報じられている。そうした状況下でも、さまざまな情報を得られ、周囲との連絡手段になるスマートフォンのバッテリーをいかに長く保たせるかは、大切なポイントになる。

  オススメの設定は「省電力モード」を使うこと、そしてディスプレイの明るさを下げること だ。

 今回、あらためてスマートフォンの節電機能についてまとめた。

オススメの節電機能

 最近のスマートフォンは、iPhoneでも、Androidでも節電機能が搭載されている。

 ここからご紹介する省電力モード、そしてディスプレイの明るさを下げることは、繰り返しになるが、手軽にできて、なおかつ効果も高く、節電につながる。

 スマートフォンを手掛けるシャープによれば、「位置情報オフやWi-Fi、Bluetoothのオフについては、多少の節電効果はなくはない。しかし、一番効果が高いのは『ディスプレイの明るさを一番低くして、操作しないこと』です」という。

 KDDIも、auのユーザー向けサポートを行うTwitterアカウントで「画面を暗くする」「低電力モードにする」という2つを推している。

省電力モード

 iPhoneでは、「設定」→「バッテリー」から、低電力モードをオンにしておこう。メールやアプリの通信が減り、一部のビジュアル効果も低減、あるいは無効になる。

 Androidでは、通知バーに、低消費電力機能である「バッテリーセーバー」のオン/オフボタンが用意されている。

ディスプレイの設定を見直そう

 スマホで電力を消費する2大要素は「通信」と「ディスプレイ」だ。

 通信については先述した通り、「省電力モード」にすることで、ある程度、アプリが自律的に行うアクションを制限して通信を抑えられる。

 一方、ディスプレイは、「明るさを下げる」ことと「画面オフになるまでの時間の短縮」という2点を設定しておこう。

iPhoneのディスプレイ設定

 iPhoneの場合、明るさを下げるには、コントロールセンターから操作するか、「設定」→「画面表示と明るさ」から操作する。このとき、自動的に色味を変化させる「True Tone」もオフにしていい。あわせて、ダークモードにしておこう。

パネル中央、太陽のようなマークが付いているところが明るさを変えられる部分
画面表示と明るさ

 画面消灯までの時間設定については、同じく「画面表示と明るさ」で選べる。ただ、先述した「低電力モード」をオンにしていれば、自動的にもっとも短い設定である「30秒」になっている。

Androidのディスプレイ設定

 Androidは「設定」→「ディスプレイ」で変更できる。明るさのレベルを変えられるほか、画面消灯までの時間も選べる。こちらも省電力モードのバッテリーセーバーをオンにしておけば自動的に消灯時間が短くなっている。

Android 12のディスプレイ設定

注意したい「設定オフ」は?

 一部では「機内モード」の活用や、「Wi-Fi/Bluetoothのオフ」といった手法が推奨されることもある。節電効果は多少なりともあるとされているが、ディスプレイの節電よりも効果は少ない。

 また、注意したい点、あるいはオフする際の手段などであらかじめ知っておきたい点もある。

機内モード、メリットとデメリットは

 機内モードは、航空機へ搭乗する際の利用が想定された機能。オンにすると、通信できない状態になる。

 スマホにとって、もっとも電力を使う機能のひとつである「通信」をオフにするということで、節電に貢献する効果はある。ただ、スマホはもともと通信することが前提の機器。もし複数のスマホが手元にあるなら1台だけ残し、あとは機内モードにする、といった形はオススメしやすい。

 また機内モードにすると、緊急地震速報のような緊急速報メール(NTTドコモではエリアメールと呼ばれる機能)が届かなくなる。これも、バッテリーで駆動するラジオがあれば代わりになるかもしれないが、機内モード利用時に知っておきたい点だ。

 なお、いわゆる圏外に居続けると、バッテリー消費は激しくなる。このときは速やかに機内モードにしておきたいところ。もちろん、通信できる状況になった瞬間、その恩恵をすぐには受けられないが、圏外にいる時間がいつ終わるかわからないときには、機内モードにしておこう。

位置情報は?

 スマホの位置情報は、GPSのような衛星を活用して、高い精度で現在地を測定する機能や、周囲の基地局の情報を活用しておおまかに測定する機能がある。どちらもオフにすれば、確かに節電につながる可能性はある。

 ただし、110番、119番といった緊急通報時に、GPSが有効であれば、正確な位置情報を警察や消防へ自動的に送信できるようになっている。これにより、緊急車両が行くべき場所を、より短い時間で伝えられることになる。単純に位置情報をオフにすると、自動での現在地送信はできなくなる。

 ちなみにアプリごとに位置情報のオン/オフを設定する方法もある。

 iPhoneでは「設定」→「プライバシー」→「位置情報サービス」で、アプリごとの位置情報の利用状況がわかる。ここで「常に」となっているアプリがあれば、必要か不要か判断して設定を変えておこう。先述した緊急機関への通報だけをオンにする、といった設定も、システムサービスという設定項目内で切り替えられる。

位置情報サービス
「常に」というアプリでは、不要と判断したら使用中のみ、などほかの選択肢に
iPhoneの位置情報サービスにある「システムサービス」
緊急通報時の現在地通知の設定

 Androidでは「設定」→「プライバシー」→「権限マネージャー」に位置情報へアクセスできるアプリ一覧を確認できる。ここでも「常に許可」が必要かどうかチェックしておこう。

Androidの権限マネージャー。下のほうに「位置情報」がある
位置情報の権限をアプリごとに決められる

Wi-FiやBluetoothオフは?

 Wi-FiとBluetoothも、オフにすれば、節電効果は見込める可能性はある。

 ただ、携帯電話側のサービスエリア品質が厳しい、つまり電波のアンテナ表示が少なかったり、圏外になったりする場合は、Wi-Fiを無理にオフにすることはない。繋がりやすい環境で、情報を得やすくすることも大切だ。

 Bluetoothについては、オフにすることで、ある程度の省電力は図られる一方、周辺機器などとの連携ができなくなる。たとえばスマートウォッチやワイヤレスイヤホンのようなデバイスもそうだし、COCOAのようなアプリもその一例かもしれない。いずれにせよ、自宅や屋外にいる場合、連携できなくなって困る/困らないといった点は、なかなか一概には言えないところだ。

オススメは「省電力モード」と「ディスプレイ」

 細かな点まで気にかけると、むしろ疲れてしまうこともある。そこでオススメしたいのは、冒頭から繰り返している通り、iPhoneの「低電力モード」、Androidの「バッテリーセーバー」という省電力モードをオンにすること。

 そして、ディスプレイの明るさをできるだけ下げておくことだ。この2つは簡単にできて、効果も高いのでオススメ。

 今後に向けた対策としては、モバイルバッテリーや、ポータブル電源を使うことも意識していいだろう。ちなみに、都市部ではモバイルバッテリーのシェアサービスも存在する。こうしたサービスの使い方も本誌では別途ご紹介しており、そちらもご覧いただきたい。