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「dポイントクラブ」が改定、“史上最高の貯まりやすさ”へ
2022年2月25日 14:31
NTTドコモは25日、「dポイントクラブ」のリニューアルに関して記者会見をオンライン開催した。会見には、同社マーケティングメディア部長の伊藤邦宏氏と、営業戦略部長の大島直樹氏が登壇した。
本記事では、記者会見と質疑応答の様子をお届けする。
「dポイント」の歩みと、リニューアルの背景
会見の冒頭で、伊藤氏は「dポイント」の歩みについて紹介した。
同氏は、「dポイントは、右肩上がりで成長を続けている」とコメント。ポイント利用数は累計で約1兆ポイントとなり、「dポイントクラブ」の会員数は約8700万人を数える。また、決済やポイントが利用可能な場所も390万カ所にまで広がった。
現在の「dポイント」では、ドコモ回線の継続利用期間やdポイント獲得数に応じた“ステージ”が用意されており、ステージによってクーポンなどの特典が付与されるしくみ。
しかし、「ランクアップのモチベーションがわかない」「特典に魅力がない」などといった声がユーザーから寄せられていたという。
そこでドコモは今回、「dポイントクラブ」をリニューアルし、新しい会員プログラムを6月から提供する。なお、新プログラムの提供に先立ち、3月1日から会員ランクの判定期間がスタートする。
「ポイント倍率アップ特典」の新設
伊藤氏は、リニューアル後の「dポイントクラブ」について、3つの特徴として「ポイント倍率アップ特典」「会員ランクの設計見直し」「長期利用ありがとう特典」を紹介した。
「ポイント倍率アップ特典」は、dポイントクラブの会員ランクに応じて、dポイント加盟店でのポイント進呈倍率がアップするというもの。
ランクは1つ星~5つ星までの5段階に分かれており、たとえば2つ星の場合は1.5倍、5つ星の場合は2.5倍というように、0.5倍刻みで倍率が上がる。
多くのユーザーがランクアップできるように
続いて「会員ランクの設計見直し」について、これまでdポイント獲得数の判定期間が6カ月間だったが、新たなプログラムでは3カ月間に短縮される。
また、2つ星と3つ星のランクに関しては、ランクアップに必要なdポイントの獲得数が引き下げられ、多くのユーザーがランクを上げられるようにする。
dポイント獲得数の対象サービスとして、新たに「dカード GOLD」が追加されるほか、3月から提供が始まる「ドコモでんき」の料金もランクアップの対象となる。
伊藤氏は、「これらの施策により、ポイントを貯めやすくなる。たとえばdポイント加盟店で毎月1万円買い物した場合、2つ星のユーザーなら年間1800ポイント、5つ星のユーザーなら年間3000ポイントが貯まる」と紹介した。
長期ユーザーの優遇特典
「長期利用ありがとう特典」は、ドコモ回線ユーザー向けに提供されるもの。ドコモでは、同社の回線を10年以上にわたって契約しているユーザーが、全体の約7割を占めている。
これまで提供されてきた「ずっとドコモ特典」とは異なり、「長期利用ありがとう特典」ではエントリー不要で誕生月に「d払い」の還元率がアップする。
たとえば、5つ星ランクかつ契約年数が10年以上のユーザーに関しては、「d払い」による決済時に最大+20%が還元される。
“最も選ばれる共通ポイント”を目指して
そのほか、これまでは一定ランク以上のユーザーに抽選で付与されていたクーポンに関しても、拡充が図られる。今後は、すべてのランクのユーザーに対して、それぞれの利用状況に応じたクーポンが付与されるという。
伊藤氏は「今回のリニューアルを通じて、“最も選ばれる共通ポイント”を目指していく」と語った。
質疑応答
――なぜこのタイミングでのリニューアルとなったのか。
伊藤氏
現状のプログラムに関して、ユーザーの方々からたくさんの要望をいただいていたから。一刻も早く対応すべきだ、ということでこのタイミングになった。
――今回のリニューアルによって、ほかのキャリアのユーザーをどれだけ取り込めると考えているか。
伊藤氏
dポイント加盟店でポイントが貯まるということに関しては、キャリア関係なく、ドコモの回線を契約していなくても十分ポイントが得られるしくみになっている。
特に、2つ星や3つ星のランク判定基準を下げたということについては、ユーザーの方の期待にも応えられるはず。ほかのキャリアとの比較については個人差もあると思うが、魅力的なサービスにできたと思っている。
――回線を契約していないユーザーでも得する、という話だったが、回線契約者と非契約者のどちらを伸ばしていきたいと考えているのか。
伊藤氏
優劣は特に設けていない。長期ユーザーへの特典を用意しつつ、ポイントをアクティブに使うユーザー向けの特典もあり、両方にメリットがあるよう設計している。
――1つ星~5つ星というかたちでランク設計を見直されたとのことだが、現行の(ランクにおける)ユーザー比率はどの程度か教えてほしい。
伊藤氏
具体的な数値は答えられない。ただ、こういうものを考えていくときに、“ライトな方”、一番低いランクの方のユーザー比率が高いのはご存じの通り。そして、これをある程度上げていきたい。
――ユーザーがアプリの通知などで“おトクさ”を感じられるようなしくみに関して、6月以降に何か新しいものを導入する予定は。
伊藤氏
今回、ポイント倍率アップの特典が体感できるような工夫については、アプリ表示やメッセージングサービスを含めて、6月以降しっかり実行していきたい。また、ランクアップなどに関してもわかりやすくお伝えできればと思う。
――加盟店の開拓に関して、今後どういった体制で開拓を続けていくのか。
伊藤氏
我々は共通ポイントとしては後発だったが、リアル加盟店の開発などに関してはスピード感を持って進めてきた。今後もそれを維持していきたい。
――還元の規模や予算について、何かヒントがあれば教えてほしい。
伊藤氏
具体的な数値はお伝えできないが、多くのユーザーの方々にとってお得な規模で提供できると考えている。
――今回のリニューアルによる収益面での影響は。
伊藤氏
「ポイント倍率アップ特典」に関して、一定のコストは見込んでいる。ただ、一方で「dポイント」が活性化されることなどにより、収益のプラスも発生すると思う。そのあたりを前向きにとらえたい。
――いわゆる“ポイント経済圏”を強化していくことが狙いのひとつだと思うが、今後はスーパーアプリのようなものも検討していくのか。
伊藤氏
特に「d払い」のアプリなどでは、いろいろなアプリを取り込んで多機能化を進めるような取り組みを行っている。今後も、そのような取り組みは続けていきたい。
――「ahamo」に関してはポイントがやや貯まりにくいような印象を受けるが。
大島氏
「長期利用ありがとう特典」に関してはドコモのギガプランなどを対象としており、「ahamo」は対象になっていない。
もちろん社内でも検討はしたが、「ahamo」については“シンプルでお得”というブランディングを重要視し、「長期利用ありがとう特典」の対象には設定しなかった。
伊藤氏
「ポイント倍率アップ特典」に関しては、「ahamo」の利用料金も積算対象となる。その点では、以前のプログラムより改善できたと思う。