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「詐欺SMS」防ぐサービス、KDDIと楽天はどうする? ――自分でできる対策も

 13日、NTTドコモとソフトバンクが、フィッシング詐欺などの疑いがある迷惑SMSを自動的に拒否する機能の提供を発表した。ドコモは3月、ソフトバンクでは今春頃の提供になる見込み。

 一方で、KDDI(au、UQ mobile、povo)のユーザーと楽天モバイルのユーザーは、どのような対策機能を利用できるのだろうか。

KDDI

 KDDI広報部によると今回、ドコモとソフトバンクが発表したものと同様のネットワーク側でのSMSブロック機能の提供については、現在検討中という。

 現在、同社ではアプリ「迷惑メッセージ・電話ブロック」を提供している。詐欺の可能性があるSMSに加えて、2021年2月からは海外からの着信を警告・拒否できる機能が搭載されており、折り返すことで高額な国際電話料金が発生してしまう、いわゆる「国際ワン切り詐欺」などにも対応できる。

 一方で固定電話をターゲットにした、勧誘などの迷惑電話も後をたたない。KDDIでは、ケーブルテレビ各社との提携で提供している「ケーブルプラス電話」のオプションとして、高齢者でも簡単に導入できる「迷惑電話自動ブロック」も2022年2月16日から提供する予定となっている。

楽天モバイル

 楽天モバイルでは、迷惑SMSを受信したユーザー側でのブロック機能などは現状、提供されていないが、同社広報部によれば今後「Rakuten Link」において電話番号やSMS送信元を指定して着信・受信拒否を設定できる機能の追加を検討しているという。

 さらに同社広報部では、迷惑SMSを受信した際は、楽天モバイルの公式Webサイト内にある案内にしたがって、同社のメールアドレスにその旨を申告するよう案内している。

 迷惑SMSを受信した電話番号、受信日時、送信元の電話番号・アドレス、メッセージ本文などを記載し、「SMS」の件名で同社Webサイトへ記載のアドレスへ送信すると、送信者が楽天モバイル契約者だった場合は、当該のユーザーに対して警告・利用停止措置といった措置が取られるという。

 加えて今後、他社ユーザーが送信元であっても利用停止・契約解除などを依頼できるような仕組みを検討しているとした。

個人でできる対策は?

 キャリア側でもさまざまな対策がとられているが、個人での備えも欠かせない。

 SMSを使った詐欺には、キャリアや大手配送業者の名前をかたるものが多い。キャリアの名前をかたったものでは、請求料金が高額になっているなどとして、記載のURLへ誘導し、IDやパスワードの詐取を試みるケースが代表的だが、料金案内がSMSで送られてくることはない。一方、大手配送業者をかたるものでは、荷物の不在通知を装うものが多く、こちらも同様にID・パスワードを詐取されることが多い。

実際に送信されてきた不審なSMS

 フィッシングSMSは、文面の日本語の文法や表現に違和感があることも多い。記載のURLは一見、正規のものに見えても偽装されている可能性もあるので安易にアクセスしないよう心がけよう。

 偽サイトは本物のサイトをコピーしてつくっていることが多く、見た目で本物かどうかを判定することは難しい。もし、メッセージで届いた内容が気になるならば、そのURLからはアクセスせずに、あらかじめ正規のサイトをブックマークしておくなどしてアクセスし、確認しよう。

 さらに、Androidスマートフォンの場合は、アクセスした先の偽サイトで偽アプリをインストールされる危険性がある。

 こうしたアプリがインストールされてしまうと、携帯電話内部の情報を詐取されるだけでなく、自らが受信したような迷惑SMSを送信するための踏み台にされることもある。被害者であるにも関わらず、結果的に見ず知らずの他人にまで被害を広げてしてしまう可能性があることに注意したい。

 こうした危険性は、設定から提供元が不明なアプリのインストールを制限することで低減できる。

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