ニュース
グーグル検索から見えた“2020年の生活者のニーズ”と「2021年のビジネスに役立つアイデア」とは
2021年1月4日 09:00
人々がネットで探したモノから見えたことは「感染予防」、そして新たな生活を楽しもうとする姿だった――グーグルが2020年12月、「Googleトレンド」をもとに人々の意識と行動がどのように変化してきたか、分析するレポートを発表した。
2020年4月から進められてきた「2020年度の生活者意識と行動の推移」と、Google検索の動向によれば、2020年は新型コロナウイルスの影響を受け、「おうち時間」を充実させる行動変化や、心身の健康を保つルーティンの見直し、解放感を感じる場所に対する興味などが見えたという。
「プロジェクター」を検索する背景
たとえば「プロジェクター」というワードでの検索は、2019年と比べ、2020年3月以降、ずっと前年を超える量となった。つまり、多くの人がこれまで以上にプロジェクターについて関心を高めたことが透けて見える。
同社のレポートでは「他人と一定の距離を保てる空間に心地よさを感じる人が増えました。映画を見るにしても、人が密集する可能性のある空間を避けながら、自宅で大きなスクリーンで楽しむといった行動変化が現れていると読み取ることができます」と分析。映像コンテンツを自宅で楽しむユーザーの拡がりを推定する。
同じ用に検索が増えたのは「マッサージ機」「ベランピング」。さらにライトなコンテンツとして「ポッドキャスト」の需要も高まりを見せた。
なかなか外出しづらいことが背景にあるためか、「ソロキャンプ」「キャンプ場」の検索が増えた。
このほか、YouTubeでは「ストレッチ」「ヨガ」の検索が以前よりも高い水準で利用されている。
ギフトの需要も
自宅で、あるいは密を避けて外を楽しむ人々の姿が検索から浮き彫りになった一方、「母の日」「ギフト」とったワードの検索も伸びた。特に「敬老の日」「ギフト」というワードは前年比5倍以上の伸びを示し、「会えなくても感謝の気持ちを伝える」行動が見える。
2021年以降、新たなビジネスの鍵は
こうした動向から「安心安全」「心地よさ」「癒やし」「解放感」「心身の健康」「人とのつながり」といったものが「ホープ=原動力」として、多くの人が求めるものになると、レポートでは分析する。
その結果、これまでとちょっと異なるニーズ、サービスが見えてきた。たとえば感染リスクを避けつつも、心地よさにマッチするおの、あるいは気軽に癒やしを得られるコンテンツや商品、健康管理のための継続的なモニタリングへのシフトといった具合だ。
- 感染リスクを回避する中で生まれた心地よさ、その基準に合った活動
- 人との接触を避けた空間で、安心して楽しめるサービスや商品への関心の高まり
- 気軽に楽しめる、癒しが得られるコンテンツや商品への注目
- 自分を試せる活動や、解放感を感じる場所に対する興味
- 心身の健康を保つルーティンの見直し
- 健康に対する一時的な対処から、継続的なモニタリングへのシフト
- 親しい間柄でより積極的なコミュニケーションを取るための工夫
レポートでは、同社が示す「生活動向に関する週次調査」での時系列の指標データを用いることが、ユーザーの関心・興味の変化にマッチした商品やアイデアを生み出すために有用とアピールしている。