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auの新サービス発表会、「iPhone 12を使うならau」といってもらえるサービスに
2020年10月17日 08:00
iPhone 12「頑張ってお求めやすい価格にした」
発表会には、KDDI代表取締役社長の高橋 誠氏が登壇。まず、「iPhone 12シリーズ」をauから発売することに触れた。同発表会では、23日発売する「iPhone 12」と「iPhone 12 Pro」の価格が発表された。
機種変更で新キャンペーン「5G秋トクキャンペーン」の適用で9万7930円から」、という価格に高橋社長は「お求めやすい価格となるようがんばった」とコメントした。
また、5G対応のiPhone 12を「5G通信」で堪能してもらおうと、5Gの基地局整備を急いでいるという。9月末時点で42都道府県にエリア展開しており、年内に全都道府県にエリア展開、2021年度末には人口カバー率90%を目指す方針を新たに発表した。
高橋社長は、4GLTE周波数の一部を5G通信でも利用できるようにすることについて、「総務省から了解をいただけたので、既存周波数の5G化でエリア展開を拡大していきたい」とコメントした。
質疑では、既存周波数の5G展開に関して、「エリアマップで『5G用周波数』と『転用周波数』でのエリアを分けて記載する予定はあるか」と、「既存周波数の転用で、4Gユーザーに不利益はないのか」という質問があった。
「エリアマップ」について、KDDIパーソナル事業本部 パーソナル企画統括本部 次世代ビジネス企画部長の長谷川 渡氏は、「5G用周波数」と「転用周波数」でのサービスエリアは分けて記載する予定とした。
「4Gユーザーへの影響」について、KDDIパーソナル事業本部 パーソナル企画統括本部 副統括本部長の松田 浩路氏は、4G端末は既存周波数全て利用できるため、既存周波数の一部を5Gと共用としても、ほかの周波数で十分カバーできるとの考えを示した。
29歳以下が対象の「auワイド学割」
続いて、高橋社長はauが提供する5GのデータMAXプランについて、「データ使い放題プランが当たり前になってきている」とコメントし、特にコンテンツパックの加入者の多くが29歳以下のユーザーであることを明らかにした。
そこで、より多くの若年層ユーザーに5Gデータ使い放題を楽しんでもらうため、「auワイド学割」を提供する。
特にテレビパックは、テラサのほかパラビ、FODを取り揃え力を入れているという。
このほか、au PAYでの残高1000円プレゼントキャンペーンなどau経済圏をユーザーに訴求していく施策を行っているとしている。
自動で5G体験できる「au 5Gエクスペリエンス」
高橋社長は、AppleのiPhone 12発表イベントに、米国のキャリア「ベライゾン」が参加していたことについて触れ、「iPhone 12」は、Appleとキャリアで徹底的にチューニングし、ネットワークを最適化しているとコメントした。
その上で、auネットワークもAppleとインテグレート(統合や調和)して、ネットワークを「ベストチューニング」できたという。
これにより、高速スループットと長時間バッテリー駆動を両立できたとしている。
また、auのネットワークではこれだけでなく、コンテンツを自動で高画質にする「au 5Gエクスペリエンス」機能を提供する。
同機能は、auの5Gデータ使い放題プランを契約するユーザーが、auの5Gエリアで通信していると認識すると、動画コンテンツが自動で高画質化するというもの。
たとえば、動画配信サービス「テラサ」では、従来HD画質での配信だが、同機能では自動でフルHD画質に切り替えて視聴できる。
「Apple Music」のミュージックビデオや「FaceTime」のビデオ通話に加えて、23日から「テラサ」、11月に「SPORTS BULL」、12月以降に「smash.」が同機能のサポートを予定している。
なお、同機能は、コンテンツ供給者が高画質なコンテンツを配信しないと機能しない。Appleでは、近日中にAPIなどで定義化されて公開されるとし、KDDIからも参考情報などを出していきたいとしている。
質疑では、「Androidへの展開予定」「ほかのコンテンツの対応予定」について質問があった。
「Androidへの展開予定」については、検討段階ではあるが、今後提供できるようにしていく方針であると明らかにした。
「ほかのコンテンツの対応予定」についても、コンテンツ提供者次第となるため、同機能のメリットを理解してもらい対応していくとしている。
高橋社長によると、同機能は、iPhone 12シリーズの良い機能と5Gのデータ使い放題プランという良いところをかけ合わせて展開できたサービスだという。また、サービス自体がつい先日発表されたばかりなので、ほかのコンテンツ提供者の動向がわからないとしながらも、難しいAPIにはならないと考えており、積極的に声をかけてコンテンツを増やしていきたいと語った。
auだけのウォッチナンバー
高橋社長は、9月に発表されたApple Watch SERIES 6に関しては、新機能「ウォッチナンバー」は、日本ではauのみサポートすることをアピール。高橋社長は、スマートフォンを持たない家族にApple Watchを利用してもらえ、家族の安否を確認できるとコメントした。
Apple Watchでは、特にヘルスケア関連の機能が充実していることを取り上げた。高橋社長は、Apple Watchに搭載されている「手洗い機能」に注目しているという。
手洗い機能では、手洗いを自動で検知し、一定時間手洗いを行えば、Apple Watchが褒めてくれる機能。
高橋社長は、自身があまり手洗いをしていないと奥さんに指摘されるといい、「今後は妻ではなくApple Watchに怒られながら手洗いするようになるかも」とジョークを交えてコメントした。
同社では、Apple Watchの取扱店舗数を、従来の約550店舗から1400店舗に拡大し、ポイントの還元施策などでより購入しやすくなるとアピールした。
サブブランドではなくマルチブランド
最後に、高橋社長はKDDIの携帯電話事業全体に触れた。
10月から、UQmobileはKDDIのブランドの一つとしてサービスを提供している。
高橋社長は、「UQmobile」はサブブランドとよく言われているが、我々はマルチブランドとしてUQはUQでサービスを展開していくとコメントした。
また、高橋社長自身が以前発言した「サービスがネットワークを選ぶ時代」という言葉に触れ、今回は「iPhoneもネットワークを選ぶ時代」とし、「iPhone 12を使うならau 5G」とユーザーから選ばれるようにしていきたいと意気込みを見せた。
主な質疑
主な質疑を取り上げる。回答者は、代表取締役社長の髙橋 誠氏(以下、高橋社長)、KDDIパーソナル事業本部 パーソナル企画統括本部 副統括本部長の松田 浩路氏(以下、松田氏)、KDDIパーソナル事業本部 パーソナル企画統括本部 次世代ビジネス企画部長の長谷川 渡氏(以下、長谷川氏)の3名。
5G契約数について
――5G契約数が伸び悩んでいるとのことだが、乗り換えに対してネックになっているものがあるのか、それをどう改善していくのか?
高橋社長
具体的な数字は出せないが、第1Qでは伸びてこなかった。
ラインアップは揃えてきたつもりだが、エリアがまだ狭く乗り換えが進んでいないと考えている。
これから出すスマホはすべて5G対応端末なので、年度末の目標である200万台を目指してしっかりと取り組んでいきたい。
携帯料金の値下げについて
――政府が携帯電話料金の値下げについて取り組んでいるが、KDDIとしてどのように受け止めているか?
高橋社長
「9月25日(Android新モデル発表会)からスタンスは変わっていない。総理大臣からの指摘は、国際的に遜色ない料金ということで検討していく。
――事業者間の競争を促す政策を取りまとめるとも報じられている。
高橋社長
料金だけではなく、乗り換えなどの方針が出されるのであろうと思っている。それらを待った上で、競争促進のルールにしっかりあわせており、国際的に遜色のない料金を出していく。総理大臣も急がせているようなので、12月、1月という時期ではなく、(近い将来)お示しできるのではないか」
ドコモの完全子会社化
――NTT(持株)がNTTドコモを完全子会社化すると発表があった。これに対し、携帯通信市場にどのような影響がありそうか? 高橋社長の受け止めは?
高橋社長
(NTTは)『基本的にNTT法の条文に抵触しないから問題ない』と主張されているが、審議会の答申や政府の閣議決定では、分割によりドコモのシェアを薄くしていくという方向であったはず。急転直下の方針でたいへん驚いている。
(KDDIとして)意見をまとめている段階で、総務省に意見を出していく。
まず、公正な競争が阻害されないか。5Gでは光ファイバーの重要度は特に高く、公正な競争が確保できるのか、(総務省と)しっかりと議論を重ねていく。
この件に関しては、別途機会をつくってお話したいと思っており、競争条件を阻害することがあってはならないため、しっかりと主張していきたい。
iPhone 12のSIMカードについて
――Apple Storeなどで購入したiPhone 12を、auネットワークで使用する場合、SIMカードの交換が必要とのことだが、これによってショップの混雑など懸念点はあるか?その解決策はあるか?
長谷川氏
現在、電話で対応できるように準備を進めている。ユーザーが電話で申し出てもらえれば、店舗に行かなくてもSIMカードがiPhoneで利用できるように案内する。