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ソフトバンクの株主総会、株主からは5Gや海外展開などの質疑

 ソフトバンクは24日、第34回定時株主総会を実施した。

 今般の新型コロナウイルスの影響により、今回の株主総会は出席役員はリモート参加、参加株主にも原則的に来場自粛を促し、Web主体での開催となった。

ソフトバンク 宮内氏
リモート参加のソフトバンク役員

 開催に先立ち、ソフトバンク 代表取締役社長兼CEOの宮内謙氏は、「新型コロナウイルスの影響を受けた方々にお見舞い申し上げるとともに医療の最前線で戦う方々に感謝を申し上げたい」とし、同社の取り組みを紹介。今後についても「できることはどんどんやっていきたい」と語った。

質疑応答ハイライト

――5Gの全国展開の時期は?

宮内氏
 2021年度末までに人口カバー率90%以上を目標としている。いちはやく全国どこでも5Gが使えるようにしていきたい。

――5Gは通信距離が短いが、採算が取れるのか?

宮内氏
 すでに、23万箇所のアンテナ基地局と、他社と比較して、ソフトバンクは特に多数の基地局を保有している。小型アンテナなどで対応し、十分に採算が取れると考えている。

――携帯電話の電波環境を良くしてほしい

宮内氏
 この10年間で、相当の改善を行ってきた。これからもますます頑張っていきたい。ソフトバンクは他社と比べてもよくつながるという声もいただくようになった。(つながらないという声があれば)いつでも電波状況を改善していく。

――親会社であるソフトバンクグループがソフトバンク株を売却する話がでているが、これによって被る影響は?

宮内氏
 そのような場合でも、ソフトバンクの戦略や業績には影響ない。上場以来、事業運営については独立した意思決定を行っており、今後もそれは変わらない。

――役員構成が日本人ばかりだが今後、海外事業は検討していないのか?

宮内氏
 LINE統合を機に(海外事業を)検討している。LINEはアジア地域で事業を展開している。ソフトバンクの持つ事業を「Beyond Japan」ということでやっていければと思う。

――アリババのジャック・マー氏がソフトバンクグループの取締役を退任したが、PayPayとAliPayの提携への影響は?

宮内氏
 アリババとは緊密に連携している。アリババのJVで運営するSB CloudやPaytmとの連携など。今後も緊密な連携が損なわれることはない。

――ソフトバンク元社員によるロシアへの情報漏えいについて、取締役としての責任は?

宮内氏
 責任を痛感している。今後の再発防止に向かって最大限努力していく。

――株価はいつ1500円に戻るのか? 買値以上にならず困っている

宮内氏
 現在の株価が公開価格の1500円を超えていないことについて、株主の皆様にご心配をおかけしていることを重く受け止めている。

 今期も増益・増配をコミットしている。LINEの経営統合など今後のための手を打っており、継続成長については自信がある。外部アナリストからの目標株価も平均で1600円を超えており、「Beyond Career 戦略」の果実が見えたときに株価も評価されるだろう。