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ヤフー、政府の要請受け入れ――新型コロナ対策でビッグデータの分析結果提供、プライバシーは保護

 ヤフーは、3月31日に総務省など関係府省からの要請を受け、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、同社が保有するビッグデータ(統計データ)の分析結果の提供について、政府へ協力すると発表した。

 要請は、内閣官房IT総合戦略室、総務省、厚生労働省、経済産業省などの関係府省が取りまとめた「新型コロナウイルス感染症の拡大防止に資する統計データ等の提供について」。ヤフーでは国民の生命が危険にさらされている自体の深刻さを重く見て、要請を受け入れるとしており、外部有識者を交えユーザーのプライバシー保護を優先した形を取るという。

 政府に対してのデータの提供にあたっては、ユーザーのプライバシーなどを十分に保護した上でヤフー社内で解析した分析結果の形で供出する。対象となるビッグデータの種類は事前にユーザーに告知し、意向を確認する。

 ヤフーでは、ビッグデータ供出の条件として、「要請の対象は「統計情報等」であるが統計データに限るものとし、統計データの作成方法は事前に公表する」「提供する統計データの利用目的を明確に限定し、かつ、当該目的の範囲内で利用することが担保されること」「提供する統計データについては、ヤフープライバシー有識者会議のアドバイスを踏まえた任意の協力として行い、ヤフーが任意に提供を中止できる」「提供した統計データがどのような形で政府による新型コロナウイルス感染症対策に利用されたかを含めた有効性について一定期間後にフィードバックされること」を含めている。

 ヤフーは今後も、新たな要請があった場合についても直ちに応じることはなく、ユーザーのプライバシーへの影響について改めて検討し、提供前に公表するとしている。