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気仙沼BRTでバスの自動運転、JR東やソフトバンクが実証実験

加減速の自動制御・リモート監視・無線を用いた信号制御など

 JR東日本(東日本旅客鉄道)は、ソフトバンクらと共同で「JR東日本管内のBRTにおけるバス自動運転の技術実証」を実施する。

実際の営業車両と同型の車両で実証実験

 実証実験は、JR東日本管内の気仙沼BRT(Bus Rapid Transit)において、BRT専用道を用いて、車線維持制御実験、速度制御実験、トンネル内走行実験、障害物検知実験、交互通行実験、車内モニタリング実験など複数の実験を行う。

 車線維持制御実験および速度制御実験では、実験区間の走路に沿って敷設した磁気マーカーの磁力を、バス底部に設置したセンサーで検出し走行中のバスの位置を特定することで、GNSSの電波による位置測位が行えないトンネルでも円滑に走行する実験を行う。

 車両のアクセスとブレーキは自動制御を行い、柳津駅~陸前横山駅のBRT専用道を最高時速60kmで走行を目指すと共に、定められた位置でスムーズに停止することを目指す。

実証実験走行区間における目指す速度イメージ

 遠隔監視システムによる車内監視では、車内にカメラを設置し、バス走行中に乗客の席移動などを人工知能で検知し、走行を監視するオペレーターに遠隔で自動通知する実験を行う。また、乗客の車内転倒事故などの防止を目的としたモニタリング機能の有用性も検証が行われる。

遠隔監視システムのイメージ

 無線を用いた信号制御では、車両の位置情報を無線で取得し、自動運転バスと対向車両のどちらか一方に優先権を信号情報として通知し、車両一台分の幅のBRT専用道を交互に走行することを実証する。

交互通行実験のイメージ

 自動運転バスの無線通信は「700MHz帯ITS無線」、「4G LTE」、「Wi-Fi」を併用して信頼性を高める。このうち、Wi-Fi通信はマルチホップ伝送を活用し、トンネル内を含む電波の届きにくい道路沿いで自動運転制御の実証を行う。

 実証実験は2019年11月25日~2020年2月14日、気仙沼線BRT柳津駅~陸前横山駅間の約4.8km間で実施する。実証実験は技術実証を目的とするため、一般客を対象とした試乗会は行われない。

 今回の実証実験は、JR東日本(東日本旅客鉄道)、先進モビリティ、愛知製鋼、SBドライブ、京セラ、京セラコミュニケーションシステム、ジェイテクト、ソフトバンク、日本信号、日本電気(NEC)が参加している。