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「技術陣はみんな分かっていた」――ソフトバンク宮内氏、楽天のスモールスタートに言及
2019年11月5日 19:19
ソフトバンクは11月5日、2019年度の第2四半期決算説明会を開催した。質疑応答の中で、第4のMNOとして参入する楽天モバイルの動向が話題に上がり、宮内謙社長がコメントする一幕があった。
前週の11月1日には、KDDIが第2四半期決算を発表。同じく質疑応答の中で、高橋誠社長が楽天モバイルの動向に言及している(※関連記事)。これを受けて、5日のソフトバンクの決算説明会でも「KDDIの高橋氏は楽天のスモールスタートを見越していたようだが、宮内氏は楽天モバイルの動きをどう見ているか?」という趣旨の質問があり、これに回答する形で意見を述べた。
宮内氏は、他社のことは言いにくいと前置きしつつ、「技術の連中は全員知っていた」とコメント。楽天がアピールするクラウドネイティブネットワーク、仮想化技術を用いたコアネットワークの前に、携帯電話網の構築においては欠かせない基地局建設、用地確保などの壁があり、費用的、時間的なコストが最もかかる部分だとして、ソフトバンクの携帯電話事業参入時を振り返る。
当時はバックホール回線の確保に苦労したほか、ボーダフォンの買収時点では現在の10分の1以下の1万5000局しか基地局がなく、「7、8年はつながらないと言われ続けた」と宮内氏。技術者からはそう簡単にできるものではないと思われているのではないかと、同席した宮川潤一CTOに視線を向ける。
料金面での対抗手段を問われると、大容量プランを求めるアクティブなユーザーにはソフトバンク、コストパフォーマンスを重視するユーザーにはワイモバイル、SNSでのコミュニケーションに重点を置くユーザーにはLINEモバイルと、幅広いユーザー層に対応できるブランド展開となっていることを説明。3つのブランドをうまく活用すれば、料金については微修正で十分対抗できるという見解を示した。