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KDDIの2019年度第2四半期は増収増益に

 KDDIは11月1日、2020年3月期の第2四半期決算を発表した。営業収益は1兆3184億円で、前年同期比営業利益は2976億円。第2四半期単独では、増収増益に転じており、同社代表取締役社長の高橋誠氏は「年間の業績予想に対しては順調に推移している」とした。

高橋誠氏(高は新字)

ライフデザインとビジネス領域が躍進

 連結営業利益の増減要因としては、ライフデザイン領域とビジネスセグメントの増益がそれぞれ190億円と188億円増と、業績に大きく貢献。第1四半期と第2四半期を比較しても、増益幅は大きく広まった。

 一方で、3Gから4Gへの移行施策を強化したため、端末販売コストが大きく増加した。また、ミャンマー事業の決算期の変更と3G停波に伴う加速償却などでマイナス176億円となった。上期としては、前年同期比マイナス78億円の減益となった。

 ライフデザイン領域の売上高は、前年同期比38.4%増の5840億円、営業利益は前年同期比27.9%増の870億円となった。auでんきの契約者増やじぶん銀行などの連結もあり、ともに二桁成長となった。

 ビジネスセグメントにおいても、売上高は前年同期比4.3%増の4510億円、営業利益は前年同期比29.5%増の826億円となった。既存事業に加えてIoTなどの増益、オペレーションコストの削減などが増益に貢献した。

グループ全体での契約者数は増加に

 auの解約率は0.77%、前年同期比で0.13%の増加となった。しかし、UQ mobileやビッグローブなどのMVNOと合算した場合の契約者数は2709万ユーザーと前年同期の2670万ユーザーから伸びを見せた。

 多様な販売チャネルとユーザー層で、低価格志向や大容量、高速通信を求めるユーザーのニーズに答え、グループ全体でのIDの拡大を図ると高橋氏。

 au通信ARPA、付加価値ARPA、auでんきARPA、補償ARPAを合わせた総合ARPAは、7770円と前年同期比は4.3%となった。総合ARPA収入は5694億円と前年同期比3.6%増となった。

au PAYが600万ユーザー突破

 au PAYは開始半年で600万ユーザーを突破。クレジットカード、プリペイドカードを加えてKDDIの決済基盤は3300万超となる。ポイント残高、チャージ残高は合計で1000億円を超す。通信を軸に築いてきた決済基盤とポイントなどを活用、余剰のポイントを貯蓄や投資などライフステージに応じたサービスに利用してもらうことで、金融事業のさらなる成長を目指す。

 auスマートパスプレミアムは、9月末時点で851万会員。スマートパス会員に占めるプレミアム会員数の割合は55%と、前年同期の37%から大幅に躍進した。今後は、ライブやエンタメ、xRを用いたさらなる魅力あるサービスで会員数の拡大を目標としている。

今後はIoTに注力

 ビジネスセグメントでは、IoT市場が今後6年間で1.8倍の伸びが予測されている中、KDDIグループ全体を通じて、データ収集から分析・予測までをワンストップで提供することを目指す。

 また、KDDI DIGITAL GATEは、これまでに250社超が利用。9月には沖縄・大阪にも開設。今後も、さまざまな業種・業態とのコラボレーション、顧客企業のデジタルトランスフォーメーションを加速させる。

災害対応はさらに改善も

 発表では同社の災害への取り組みについても紹介。9月~10月の台風の災害支援において、船舶型基地局「オーシャンリンク」や避難所での充電支援、復旧支援の物品貸し出しなどを行った。

 高橋氏は「災害が起きるごとに全社で必ず見直しを行い、(災害対応を)改善している。現場主導での対策ができたのではないかと思う。電力や回線が止まる原因に対してどう対応していくかだ。電源車や衛星回線などは増強し続けている。そういう部分では全力を尽くせたと思う」とした。

 今後の課題として、電源車の配置の予測を高橋氏は挙げた。「長野まで(被害が)行くことは予想外だったので、これを教訓にさらに改善していきたい」と語った。